ウィークリーレポート 2025年2月7日
週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円)
February 7, 2025
ドル円、米国の1 月CPI に注目
◆ドル円、米1 月CPI で低下傾向が続くかを見極め
◆ドル円、早期利上げ観測が台頭するなか、日銀内部からの発言や日米首脳会談に注目
◆ユーロドル、景気悪化懸念や追加利下げ観測から上値重い
予想レンジ
ドル円 149.50-154.50 円
ユーロドル 1.0000-1.0500 ドル
2 月10 日週の展望
ドル円は、来週の12 日に予定されている米1 月消費者物価指数(CPI)が12 月の2.9%、11 月 の2.7%からの上昇基調を辿っているのか、それとも反落しているのかを見極めることになる。 上昇基調を辿っていた場合は、1 月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的据え置きが正 しい判断だったことになり、3 月FOMC での利下げの可能性はほぼなくなるだろう。ただ、逆に反 落していた場合は、トランプ米大統領からの利下げ圧力が強まる可能性に警戒が必要となる。 一方、日本の金融政策については、今週、田村日銀審議委員が「中立金利が1%程度というこ とを念頭に置きながら、物価目標の実現に向けた確度の高まりに応じて適時かつ段階的に短期金 利を引き上げていく方針」と述べ、市場の早期利上げ観測が高まった。この見解に対する日銀内 部からの発言には注意しておきたい。 トランプ関税に関しては、メキシコとカナダへの関税発動が3 月まで先送りされたこともあり、 当面は材料視されることはないと思われる。ただ、対中輸入関税の10%は発動され、中国側も報 復関税で対抗しており、米中貿易戦争は小規模ながら始まっている。今後の両国の関税の動きを 見極めることになりそうだ。 また、外交面では米国がガザ地区を管理する姿勢を示したことを受けて、米国に対するテロが 頻発する可能性が出て来ており、リスクオフの動きには注意が必要だろう。更に、7 日にはワシ ントンで日米首脳会談が開催される。日本に対する要求やトランプ米大統領の経済、金融、貿易 関係などに対する見解にも注目している。なお、トランプ米大統領は、就任前の昨年4 月、ドル 円が約34 年ぶりに154 円台に乗せた局面では「米国の製造業にとって大惨事だ」と述べている。 ユーロドルは、仏・独・ユーロ圏の10-12 月期国内総生産(GDP)速報値が弱い内容となり、3 月の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げが示唆された。上値が重い展開が予想される。来 週は12 月の数字ではあるもののユーロ圏鉱工業生産などでユーロ圏の景況感を確認することに なる。
2 月3 日週の回顧
ドル円はトランプ米大統領がメキシコとカナダに対する輸入関税25%の大統領令に署名したこ とで週明け3 日に155.89 円まで上昇したものの、その後は弱い米指標を受けた米長期金利の低下 や日銀の早期追加利上げ観測が急速に高まるなか150.96 円まで売り込まれた。ユーロドルは米 10 年債利回りが4.40%台まで低下したことで1.0141 ドルから1.0442 ドルまで上昇したが、その 後は1.03 ドル台まで戻り売りに押された。(了)
週間展望・回顧(豪ドル、南ア・ランド)
February 7, 2025
ZAR、トランプ米政権の圧力が重し
◆豪ドル、経済指標乏しく利下げ予想は変わらず
◆豪ドル、米中間の関税引き上げ合戦には警戒
◆ZAR、トランプ米政権の政治圧力が重しに
予想レンジ
豪ドル円 93.00-97.50 円
南ア・ランド円 7.80-8.40 円
2 月10 日週の展望
豪ドルは上値の重い動きになりそうだ。17-18 日に豪準備銀行(RBA)理事会が行われるが、 10-12 月期消費者物価指数(CPI)が大幅に低下したことにより、すでに25 ベーシスポイントの 利下げは織り込まれている。来週は国内からの経済指標は、11 日に2 月ウエストパック消費者信 頼感、1 月NAB 企業信頼感・景況感が発表され、13 日にはメルボルン・インスティテュートが2 月の期待インフレを発表する程度に留まる。どの指標もCPI ほどのインパクトを与える可能性は 低く、利下げ圧力を翻すのは難しいだろう。 国内の経済指標が乏しいことで、来週は豪州国内よりも引き続き米中間の関税引き上げ合戦を 含めた国外要因が豪ドルを動意づけることになりそうだ。豪株指数のS&P/ASX200 は今年に入り史 上最高値を更新していたが、米中間の関税引き上げにより上値が重くなってきている。米国の対 中関税引き上げが中国国内の景気を悪化させた場合、豪州の主要輸出商品である鉄鉱石や石炭、 天然ガスなどの資源・エネルギーや、農産物の需要は縮小すると見られ、豪ドルの重しとなるだ ろう。中国への10%の追加関税はトランプ米大統領の当初公約(60%)と比較すると軽微となっ ているが、市場では追加関税や他の制裁が行われるかに注目が集まる。 なお、隣国ニュージーランドからは13 日にNZ 政府が6 カ月毎のファイナンシャル・ステート メントを発表し、同日にはNZ 準備銀行(RBNZ)が第1 四半期の2 年先インフレ予想を公表する。 南アフリカ・ランド(ZAR)は上値が重くなるだろう。今週に入りトランプ米政権による南アに 対する圧力が急激に増している。アパルトヘイト時に白人入植者が南アの土地を搾取していたが、 それらの土地の再分配を行う法案について、トランプ米政権が「あからさまに人種差別的な所有 権法」と非難した。また、南アの白人農民に対して「大量虐殺が行われている」という根拠に乏 しい説も広め、今月末ヨハネスブルグで行われるG20 に米国務長官は不参加としている。 更に、南アが台湾大使館を移転する決定を下したことについても、「南アは米国との関係を悪化 させるためにあらゆる努力をしている」と米上院で非難されるなど、米国の圧力が強い。この問 題を複雑化させているのは、国民統一政府(GNU)には白人支持層が多い第2 党民主同盟(DA)が 加わっていることだろう。DA がトランプ米政権の方針を支持することで、南アの政局がより混迷 を深める可能性がある。これらの国内外の政治的な混迷は、当面ZAR の上値の重しになりそうだ。
2 月3 日週の回顧
豪ドルは対ドルではトランプ関税を受けて週初に大きく売り込まれたものの、その後は買い戻 された。対円では、本邦の早期利上げ観測が高まったことが抑えになった。ZAR は対円では軟調 な動き。トランプ米大統領が「南アへの今後の資金拠出を全て打ち切る方針」を発表したことが きっかけで週初はZAR 売りが進んだ。対ドルでは米金利低下で買い戻されたが、対円では上値が 重かった。(了)
週間展望・回顧(ポンド、加ドル)
February 7, 2025
加ドル、関税交渉待ちで上値重い
◆トランプ関税に振り回される相場続くも、徐々に免疫力つく可能性
◆ポンド、利下げペース加速の思惑で上値の重い動き
◆加ドル、関税見送りで売り小休止も交渉待ちで上値重い
予想レンジ
ポンド円 186.00-192.00 円
加ドル円 104.00-108.00 円
2 月10 日週の展望
相場全体でトランプ関税をめぐる神経質な動きが継続。トランプ米大統領は関税を交渉の駆け 引きとして利用しているだけに、今後も関税方針は二転三転することが見込まれ不透明感が強い。 関税の話題は今後数週間、数カ月間続く可能性はあるが、市場も徐々に免疫力を付けてきそうだ。 今週、イングランド銀行(英中銀、BOE)はメンバー全員が利下げを主張し、政策金利を4.50% に引き下げた。ただ、マン委員とディングラ委員は4.25%への大幅利下げを求めたことが判明。 市場ではBOE が利下げペースを加速させるとの見方が強まっており、ポンドは上値の重い動きが 見込まれる。英国内で来週は10-12 月期GDP や12 月鉱工業生産・製造業生産指数、貿易データの 発表が予定されている。最近の英経済指標に景気の鈍化を示す内容が見られており、指標がさえ ない結果となれば追加利下げの思惑が更に高まりそうだ。今週発表の1 月建設業PMI は48.1 と約 1 年ぶりに景気判断の分岐点とされる50 を割り込んだ。 トランプ関税の次のターゲットは欧州になりそうだが、トランプ米大統領は「EU への関税は近 いうちになる」と明言した一方で、英国への関税を約束することはせず、対英貿易関係には問題 もあるが、「それは解決できると思う」と説明。スターマー英首相とは「非常にうまくやっている」 と述べた。スターマー英政権は、トランプ米大統領を称賛し米国からの輸入を強調しながら、経 済成長に苦しんでいるこの時期に関税を回避しようと奔走している。 加ドルは、関税警戒感を背景とした売りはいったん小休止するも、関税をめぐる不確実性が高 く上値は重くなりそうだ。米政権は1 日にカナダ製品に25%の関税を課すとし、カナダ政府も即 座に報復措置を取ると発表したが、3 日にトランプ米大統領は「カナダとの最終の経済協定が成 立するかを見極めるために関税発動を1 カ月延期する」と表明した。いったん冷却期間をもつこ とになるが、1 カ月先の期限に向けて両国の今後の協議が注目される。 加国内では来週、12 月住宅建設許可件数や12 月卸売売上高・製造業出荷などの発表が予定さ れているが、結果が加ドルの方向感につながる可能性は低い。カナダ中銀(BOC)は1 月会合で6 会合連続の利下げに踏み切ったが、経済成長の低迷で次回3 月会合での追加利下げの可能性がく すぶっている。関税をめぐる不確実性のなか、中銀は難しい舵取りを迫られている。
2 月3 日週の回顧
今週はトランプ米政権がメキシコ・カナダの関税を延期したことでドル高が一服。日銀の追加 利上げ観測の高まりを背景に円買いが目立つ相場となった。ポンドドルは1.25 ドル半ばまで買い 戻しが入ったが、1 月英建設業PMI のさえない結果やBOE のハト派寄り利下げによるポンド売り で1.23 ドル台まで失速。ポンド円は188 円前半まで下落した。加ドルは関税懸念が緩み、ドル/ 加ドルは週明けの1.47 加ドル後半から1.42 加ドル台まで加ドルの買い戻しが入ったが、加ドル 円は円高を重しに108 円近辺を頭に106 円割れまで押し戻された。(了)