デイリーレポート 3月5日
March 5, 2025
##【前日の為替概況】】ユーロドル、1.0627ドルと約3カ月ぶり高値ドル円は149円後半まで反発
4日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続伸。終値は1.0626ドルと前営業日NY終値(1.0487 ドル)と比べて0.0139ドル程度のユーロ高水準となった。フォンデアライエン欧州委員長が提案した8000 億ユーロ規模の欧州再軍備などが好感されてユーロ買い・ドル売りが先行。米長期金利の指標となる米 10年債利回りが一時4.1040%前後と昨年10月21日以来の低水準を付けたこともユーロ買い・ドル売り を促し、一時1.0559ドルまで値を上げた。
トランプ米政権の関税政策が経済に与える悪影響が懸念されて、欧州株相場が大幅に下落すると一時 1.0497ドル付近まで伸び悩む場面もあったが下押しは限定的だった。一部通信社がメルツ次期独首相の 話として「国防費に対する債務ブレーキを改革し、1%を超える支出を免除する」「ドイツは5000億ユー ロの特別防衛基金を設立する」と伝わると、全般ユーロ買いが活発化。6時30分前に一時1.0627ドルと 昨年12月6日以来約3カ月ぶりの高値を付けた。
ドル円は反発。終値は149.79円と前営業日NY終値(149.50円)と比べて29銭程度のドル高水準だっ た。米政権による関税強化をきっかけに貿易摩擦が激化するとの懸念が高まると、世界的に株価が下落。 投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが先行した。2月25日の安値148.57円を下抜けて一時 148.10円と昨年10月9日以来約5カ月ぶりの安値を更新した。
ただ、米10年債利回りが上昇に転じると買い戻しが優勢に。「米国とウクライナは鉱物資源のディール で署名の準備」「トランプ米大統領はディールについて議会演説で発表の意向」との一部報道を材料に円 売り・ドル買いを進める向きもあり、取引終了間際に149.88円と日通し高値を付けた。ラトニック米商 務長官が「トランプ米大統領はカナダとメキシコの関税縮小を明日発表する可能性」「カナダとメキシコ について4月2日に関税の変更があるだろう」と発言したことも相場の支援材料。
ユーロ円は大幅に3日続伸。終値は159.17円と前営業日NY終値(156.79円)と比べて2円38銭程度 のユーロ高水準。世界的な株価の下落を受けてリスク回避の円買いが強まると、0時30分過ぎに155.60 円と本日安値を付けた。ただ、そのあとはユーロドルやドル円の上昇につれた買いが優勢となり、159.21 円の本日高値まで一転上昇した。ラトニック米商務長官の発言を受けて、過度の通商摩擦懸念が和らいだ ことも相場の押し上げ要因。
【本日の東京為替見通し】ドル円、トランプ米大統領の施政方針演説に注目
東京市場では午前11時ごろに予定されている「トランプ米大統領の議会で行う施政方針を示す演説」 に注目が集まっている。トランプ米大統領が経済や外交など幅広い分野で自身の政策や考え方を国民に訴 える場となるが、どんな発言が飛び出すか見当がつかない。同氏の発言に振り回される相場展開が続いて おり、内容次第ではドル円が値幅を伴った神経質な動きになる可能性がある。関税に絡んだ発言や、再び 中国や日本を名指しして金融政策への批判が出るかどうかなどにも注目したい。
金融市場全般がトランプ関税の不確実性に振り回されており、ドル円も神経質な動きが続いている。カ ナダとメキシコの関税は4日から発動したが、ラトニック米商務長官は4月2日に関税の変更がある可能 性を示唆した。二転三転する関税方針に市場もうんざりしている。足もとでドル円も方向感が出にくいが、 上値の重い動きが続くと見込まれる。日銀の早期利上げ観測の高まりが依然として上値圧迫要因となって いるなか、ウクライナ情勢を背景とした地政学リスク、トランプ米政権と中国・カナダなどの関税合戦の 勃発などで世界経済の先行きに対する不安がリスクオフの円買いにつながりやすい。今のところ、トラン プ関税は市場のセンチメントを悪化させるだけである。
また、トランプ米大統領が円安を批判し、通貨安政策を取るなら関税を課すと脅かしていることも引き 続きドル円の上値を重くする要因として意識されそうだ。トランプ氏の円安けん制発言は、円安のメリッ トよりデメリットを懸念している日本の当局者らにとっては都合のいい話かもしれない。また、日銀は「ト ランプ氏の発言などは日本の金融政策に関係ない」との姿勢を示すだろうが、金融政策の正常化を進めて いる日銀にとってトランプ氏の金融政策批判は追加利上げに動きやすい一つのポイントになるかも知れ ない。よって、円高圧力は当面続きそうだ。
【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間
<国内>
○10:30 ◎ 内田眞一日銀副総裁、あいさつ
<海外>
○09:30 ☆ 10-12 月期豪国内総生産(GDP、予想:前期比0.5%/前年比1.2%)
○10:45 ◎ 2 月Caixin 中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:50.7)
○11:00 ☆ トランプ米大統領、米上下両院合同会議で施政方針演説
○16:30 ◎ 2 月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%)
○16:45 ◇ 1 月仏鉱工業生産(予想:前月比0.3%)
○17:50 ◎ 2 月仏サービス部門PMI 改定値(予想:44.5)
○17:55 ◎ 2 月独サービス部門PMI 改定値(予想:52.2)
○18:00 ◎ 2 月ユーロ圏サービス部門PMI 改定値(予想:50.7)
○18:30 ◎ 2 月英サービス部門PMI 改定値(予想:51.1)
○19:00 ◎ 1 月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比1.4%)
○19:00 ◇ 1-3 月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
○21:00 ◇ MBA 住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 2 月ADP 全米雇用報告(予想:14.0 万人)
○22:30 ◇ 10-12 月期カナダ労働生産性指数(予想:前期比0.7%)
○23:30 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、
グリーン英中銀MPC 委員、講演
○23:45 ◎ 2 月米サービス部門PMI 改定値(予想:49.7)
○23:45 ◎ 2 月米総合PMI 改定値
○24:00 ☆ 2 月米ISM 非製造業指数(予想:52.6)
○24:00 ◎ 1 月米製造業新規受注(予想:前月比1.6%)
○6 日00:30 ◇ EIA 週間在庫統計
○6 日01:00 ◎ 1 月ロシア失業率(予想:2.3%)
○6 日04:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○中国全国人民代表大会(全人代)開幕(北京)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
##【前日までの要人発言】
4日08:44加藤財務相
「日本は通貨安政策を取っていない」
「為替の基本スタンスはベッセント氏ともG7などで確認」
4日09:332月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
「基調的なインフレ率は11月に予測されていたよりも短 期的にはやや低くなると予想」
「メンバーは12月の四半期のインフレが予想よりも弱か ったことに留意した」
「2023年11月に金利を引き上げた際の保険はもはや不 要であると判断」
「メンバーは政策をあまりに早く緩和するとインフレ圧力 が高まるリスクを考慮」
4日09:53中国商務省
「中国は米関税措置に断固として反対」
「中国は利益を守るために必要な措置を講じる」
5日01:16
「カナダ国民は戦いから退かない」
「米国からの輸入品300億カナダドル相当に25%の関 税を即時課す」
「21日以内にさらに1250億カナダドル相当の米国輸入 品に25%の関税を課す」
「WTOとUSMCAを通じて米国の関税に異議を唱える」
「米政府が米国民の雇用を危険にさらすことを選んだ」
4日12:46石破首相
「日本として通貨安政策を取っていない」
「為替については日米の財務相で引き続き緊密に議論」
4日16:59ロンバール仏財務相
「防衛費をより多く、より迅速に支出する必要」
「企業への増税は望んでいない」
4日17:36フォンデアライエン欧州委員長
「欧州再軍備で8000億ユーロ近くを投入する可能性」
「全欧州的な防衛で1500億ユーロの融資を提案」
4日18:19ロシア大統領府
「武器供給の停止、ウクライナが和平に向かう可能性」
「関係の正常化には、制裁負担を解除する必要がある」
4日21:35ベッセント米財務長官
「米国はエネルギーの主要輸出国になる」
「市場はトランプのエネルギー支配計画を理解している」
「金利を引き下げることに注力している」
4日21:41英首相報道官
「英米首脳は、ウクライナの恒久的な平和を望む」
4日22:43シェインバウム・メキシコ大統領
「政府はフェンタニルと安全保障の面で成果を上げた」
「メキシコに対する米国の関税は正当性がない」
「対抗措置を9日に発表する」
4日23:01ラトニック米商務長官
「各国がフェンタニルの流通を止められることを証明でき れば、関税は撤廃できる」
「4月2日に貿易はリセットされる」
「短期的な価格変動はあり得る」
5日06:19
「カナダとメキシコについて4月2日に関税の変更がある だろう」
5日00:41トランプ米大統領
「企業が米国に移転すれば関税はかからない」
5日02:49
「カナダが米国に報復関税を課した場合、米国の報復関 税は直ちに同額増加する」
5日00:47ゼレンスキー・ウクライナ大統領
「戦争終結に向けて速やかに取り組む用意」
「ウクライナは天然資源と安全保障の取引調印の用意」
5日03:52メルツ独次期首相
「国防費に対する債務ブレーキを改革し、1%を超える支 出を免除する」
「5000億ユーロの特別防衛基金を設立する」
5日04:33ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「関税の機能は依然として不確実性が高い」
「現時点で政策変更の必要性は感じない」
「関税が物価に及ぼす影響を織り込み始めている」
「物価見通しはいくらか高くなった」
※時間は日本時間
【日足一目均衡表分析】
<ドル円=横ばい示唆の転換線を睨みながらの取引に>
下影陽線引け。2 月25 日安値を下抜けて、約5 カ月ぶりの
安値となる148.10 円まで下落。もっとも、一転して買い戻
しが優勢になると149 円後半まで反発した。
日足一目・転換線は149.70 円まで低下し、3-4 日レンジの
外に出ない限り暫く横ばい見込み。本日は同線を睨みながら
の取引となりそうだ。昨日の長い下ヒゲが支えとなり、上昇
力を強めるかを見極めたい。
レジスタンス1 150.99(21 日移動平均線)
前日終値 149.79
サポート1 148.99(3/4 レンジの半値)
サポート2 148.10(3/4 安値)

<ユーロドル=三役好転が点灯、上昇した転換線が支持に>
大陽線引け。1.0470 ドル台の90 日線が支えとなり続伸し、
買いの勢いが強まると昨年12 月以来の1.06 ドル台乗せに成
功した。この日の高値圏で終え、2 手連続の大陽線引け。
日足一目・転換線は基準線の上に位置、同・雲を上抜けて
引け、遅行スパンも実線を上回ったことで強い買いシグナル
とされる三役好転が点灯した。転換線は1.0490 ドル台に位
置し、本日は同線をバックに買い目線で臨みたい。
レジスタンス1 1.0722(200 日移動平均線)
前日終値 1.0626
サポート1 1.0494(日足一目均衡表・転換線)

<ユーロ円=大幅続伸後の揺り戻し幅を確かめ>
大陽線引け。155 円台で前日安値を割り込んだところから
大きく切り返す展開に。158 円後半の日足一目・基準線を上
抜けて、159 円前半まで上げ足を速めた。
基準線は本日158.60 円台に水準切り下げ、転換線は昨日
に若干上昇も今後は暫く横ばい見込み。更に上値を試すには
両線の上向きが必要かもしれない。本日は大幅上昇後の揺り
戻し幅を確かめたい。まずは基準線を巡る攻防が注目される。
レジスタンス1 160.54(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 159.17
サポート1 157.76(21 日移動平均線)

<豪ドル円=94 円前半の転換線や3 日高値が上値めど>
下影陽線引け。前日安値を割り込み、91 円後半まで下げ幅
を広げたところで売りが一服。買い戻しの勢いが強まるなか、
94 円手前でまで上値を伸ばした。
昨日に低下した日足一目・転換線は本日94.18 円に位置し、
94.20 円台の3 日高値とともに目先の上値めどとして意識さ
れる。超えるようだと、94.60 円の基準線を目指す展開か。
下押した場合は、3-4 日レンジの半値が支持となりそうだ。
レジスタンス1 94.60(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 93.96
サポート1 93.05(3/3-4 レンジの半値)

