Titan FX(タイタンFX)

デイリーレポート 3月14日

March 14, 2025

##【前日の為替概況】】ドル円、3日ぶり反落米関税の影響懸念や米政府機関閉鎖巡りリスク回避

13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。終値は147.81円と前営業日NY終 値(148.25円)と比べて44銭程度のドル安水準だった。米労働省が発表した2月米卸売物価指数(PPI) が予想を下回ったことが伝わると円買い・ドル売りで反応する場面もあったが、反応は一時的。前日の2 月米消費者物価指数(CPI)の下振れと同様に、「関税引き上げの影響はこれから」との見方から米長期金 利が上昇。ドル円にも買い戻しが入り、22時過ぎには148.35円付近まで値を上げた。

ただ、アジア時間に付けた日通し高値148.38円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。米 関税政策による世界景気への懸念や米政府機関の閉鎖回避を巡る不透明感からダウ平均が一時680ドル 超下落するとリスク回避の円買いが活発化。米長期金利が低下に転じたこともドル売りを促し、2時30 分過ぎに一時147.42円と日通し安値を更新した。ベッセント米財務長官が「最近の市場でドルが下落し ているのは自然な調整」と述べ、「懸念していない」との考えを明らかにしたこともドルの重しとなった。 ユーロドルは続落。終値は1.0852ドルと前営業日NY終値(1.0888ドル)と比べて0.0036ドル程度の ユーロ安水準となった。トランプ米大統領が欧州連合(EU)から輸入するワインなどの酒類に200%の関 税を課す考えを表明したことや、「ロシアの交渉担当者は米国の一時停戦案を拒否」との報道をきっかけ にユーロ売り・ドル買いが先行。22時30分前に一時1.0823ドルと日通し安値を付けた。

ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、1.0878ドル付近まで持ち直した。ベッセント米財務長官 の発言や米長期金利が低下に転じたことが相場を下支えした。もっとも、米関税政策への警戒感やウクラ イナ情勢の不透明感は根強く、戻りは限定的だった。

なお、プーチン露大統領は米国が提案したウクライナでの停戦案について「一時停戦には同意するが、 長期的な平和につながるべき。停戦について多くの疑問がある」と話し、即時の停戦受け入れには難色を 示した。

ユーロ円は3日ぶりに反落。終値は160.42円と前営業日NY終値(161.40円)と比べて98銭程度のユ ーロ安水準。米国の関税政策が欧州景気に及ぼす悪影響が懸念される中、全般ユーロ売りが先行。米国株 相場の下落を背景にリスク回避の円買いが強まると、2時30分前に一時160.06円と日通し安値を付けた。

【本日の東京為替見通し】円高リスク多い、日銀観測記事・欧米の政治動向に注目

本日の東京時間でドル円は、主だった経済指標の発表などは予定されていないが、来週18-19日に開 かれる日銀の金融政策決定会合に関しての観測報道が流れる可能性があることで、相場の急変には備えて おきたい。また、市場のリスクとしてはドル安・円高リスクの方が優勢であるので上値の重さは変わらな いか。

来週の日銀政策決定会合では、市場は現状維持予想が大多数で、注目は次回利上げがいつ行われるかに なる。現時点では5月、6月ともに利上げ予想は少数派で、多くは7月の利上げ予想になっている。ただ、 昨日の参院財政金融委員会に出席した植田日銀総裁が、「人手不足の強まりで、賃金・物価が上がりにく い慣行に変化」「今後実質賃金や消費について良い姿が見込まれる」などと発言したこともあり、本邦長 期金利が上昇するなど早期の利上げ期待感もある。

上述のように昨日植田日銀総裁は「消費について良い姿が見込まれる」と述べたが、11日に発表され た1月の家計調査で消費支出は前年比で予想の+3.6%を下回り僅か+0.8%になるなど、物価高で家計の消 費は停滞したままになっている。植田日銀総裁の着任以来、経済指標の結果では政策方針を読み取ること が非常に難しくなっていることで、市場との対話は日銀関係者情報として報じられる、会合の前週やその 週末での記事などが主になっている。よって、12日の春闘の集中回答の結果を好感したとの理由付けで、 市場予想の7月よりも前倒しの利上げを示唆する記事が流れ、円高に動くリスクには警戒しておきたい。

また、欧米の政治的動向はリスク回避に動きやすいことも、円買い要因になる。ウクライナの停戦につ いて、プーチン露大統領は昨日「原則的に同意するが、いかなる合意にも署名せず、さらなる交渉が必要」 と平和を願うふりをしながら、ロシアの利権獲得が得られるまでは署名しないということを示唆した。プ ーチン露大統領は、ウクライナ東部のドネツク、ルハンシク、ヘルソン、ザポリージャの各地域全体を掌 握することを条件に停戦に応じると兼ねてから述べている。この和平案はウクライナや他の欧州各国が承 服できないことは明らか。その場合のトランプ米大統領の対応が注目されるだろう。これまでのようにプ ーチン露大統領に迎合し、トランプ氏がウクライナは妥協するべきと応えると再びウクライナ情勢は振出 しに戻りそうだ。

また、トランプ関税については、日本についても徐々に厳しい発言が目立ってきている。日本は防衛面 などでも米国依存体質があることで、交渉の切り札が少ない。昨日はベッセント米財務長官が「最近の市 場でドルが下落しているのは自然な調整」と述べ、トランプ米大統領が3日に記者会見の場で「通貨安の 国に関税を課す」と発言したことを追認したかたちだ。日本にとっては円安の修正が入ることは、渡りに 船という面もあり、円高容認を交渉材料に使うようなことが起こるリスク(第2プラザ合意)にも備えて おきたい。

【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間

<国内>

○春闘、第1 回回答集計結果(連合)

<海外>

○16:00 ◎ 2 月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.4%/前年比2.3%)

○16:00 ◇ 2 月独卸売物価指数(WPI)

○16:00 ☆ 1 月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%)

○16:00 ◎ 1 月英鉱工業生産(予想:前月比▲0.1%/前年比▲0.7%)

○16:00 ◎ 1 月英製造業生産高(予想:前月比横ばい)

○16:45 ◇ 2 月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比横ばい/前年比0.8%)

○18:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演

○21:00 ◎ 1 月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比1.9%)

○21:30 ◇ 1 月カナダ製造業出荷(予想:前月比2.0%)

○21:30 ◇ 1 月カナダ卸売売上高(予想:前月比1.8%)

○22:15 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演

○23:00 ◎ 3 月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:63.1)

○マーク・カーニー氏、カナダ首相に就任

○インド(水掛け祭)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

##【前日までの要人発言】

13日11:35加藤財務相

「現時点で日銀との共同声明を見直すことは考えてな い」

「マクロの状況、需要でなく供給不足の局面に入りつつ ある」

「物価上昇は、海外発のコストプッシュ型と、人件費上昇 による基調的上昇の2つある」

「現時点でデフレにもどる見込みがない状況には至って いない」

「海外市況が落ち着けばコストプッシュ型の物価上昇が 沈静化、その点を見極めながら日銀・政府で対応が必 要」

13日12:31植田日銀総裁

「食品価格がインフレを押し上げている」

「マネタリーベース・バランスシート・日銀当座預金の規 模、現状はやや大きすぎる」

「バランスシート縮小の望ましい着地点、海外の知見も 参考にしながら時間をかけて議論したい」

「基調的な物価上昇率、現在は2%を下回っているが景 気が緩やかに回復するもとで徐々に2%に向かって高ま ってゆく」

「人手不足の強まりで、賃金・物価が上がりにくい慣行に 変化」

「こうした変化が続くことは2%物価目標の実現に重要」

13日16:51カザークス・ラトビア中銀総裁

「インフレに関して全てが終わったとは言えない」

「金利は不確実性の中で会合ごとに決定される」

13日17:04ナーゲル独連銀総裁

「(インフレ率は)年末には2%の目標に戻る見込み」

「物価安定は今年実現されるだろう」

13日23:17ベッセント米財務長官

「(ドルについて)調整されるのは自然なこと」

「(ドルについて)他の通貨が好調になるのは自然」

「デトックスはリセッションの言い換えではない」

「多少のボラティリティーは懸念していない」

14日00:46プーチン露大統領

「一部外国企業のロシア復帰を協議中」

「ウクライナ問題への関心を示したトランプ大統領に感 謝」

「停戦は長期的平和につながる」

「我々はウクライナでの一時停戦には同意するが、長期 的な平和につながるべき」

「停戦は紛争の根本原因を排除する必要」

「クルスク地域の状況は完全にロシアの支配下」

「ウクライナ軍はクルスクで完全に孤立」

「クルスクのウクライナ人には2つの選択肢がある。死 ぬか捕らえられるかだ」

「停戦になったとしても、クルスクや他の場所で状況がど う展開するかは不明」

「停戦については多くの疑問がある。停戦を誰がコントロ ールするのか」

「停戦自体は正しいし、我々はそれを支持するが、議論 すべき問題がある」

「おそらく私とトランプ氏は電話会談をしなければならな いだろう」

「米国とロシアがエネルギー協力で合意すれば、欧州向 けのガスパイプラインが提供される可能性」

「ロシアの安いガスはヨーロッパに利益をもたらすだろ う」

14日01:15フォンデアライエン欧州委員長

「EUは関税に関して利益を守る」

「関税について米国と交渉する用意ある」

14日01:56トランプ米大統領

「ロシアが正しいことをしてくれると願っている」

「ロシアからの停戦を望む」

「プーチン大統領と話し合う用意がある」

「4月2日の関税について考えを変えるつもりはない」

「米国はカナダの自動車、エネルギー、木材を必要とし ていない」

「多少の混乱はあるだろうが、それほど長くは続かない だろう」

※時間は日本時間

【日足一目均衡表分析】

<ドル円=転換線が引き続き抵抗、21 日線も重し>

下影陰線引け。147.80 円付近で低下中の5 日移動平均線を 下抜け、147.42 円まで下振れが先行した。 5 日線付近に戻す下げ渋りを見せているが、動きを強めき れていない。まだ低下余地を残す一目均衡表・転換線148.36 円が引き続き抵抗。上回ることができても、149.41 円前後へ 切り下がってきた21 日線が重しとなりそうだ。

レジスタンス2 149.41(21 日移動平均線)
レジスタンス1 148.36(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 147.81
サポート1 146.91(ピボット・サポート2)

<ユーロドル=転換線のサポート切り上がりを待つ状態>

下影陰線引け。1.0860 ドル台で上昇中の5 日移動平均線を 割り込む調整となった。同線から大きく下放れる展開にはな っていない。現水準付近のレンジを維持して、サポートにな ってきそうな一目均衡表・転換線1.0709 ドルのさらなる切 り上がりを待つ状態。同線を支えに上方向へ折り返すことが できるか注視したい。

レジスタンス1 1.0930(3/12 高値)
前日終値 1.0852
サポート1 1.0766(3/6 安値)

<ユーロ円=低下する雲を意識した展開か>

陰線引け。昨日は三役好転が点灯するも上値が重く、一目 均衡表・雲のねじれた部分を割り込んで取引を終えた。雲下 限はここから低下が続くが、本日は159.75 円に位置。12 日 の足型が上影陽線となり目先の天井を付けた可能性がある なか、雲の上限160.39 円付近が重くなるようならば雲下限 に沿って下押す可能性がある。反対に雲付近で底堅めができ れば、昨日高値161.52 円に向けて戻り歩調を試すことにな るか。

レジスタンス1 161.52(3/13 高値)
前日終値 160.42
サポート1 159.75(日足一目均衡表・雲の下限)

<豪ドル円=転換線を念頭に置いた取引か>

陰線引け。93.94 円まで上昇するも2 日連続で94 円を前に 頭が重くなると、一目均衡表・転換線を割り込んで92.54 円 まで失速した。本日93.27 円に位置する転換線を念頭に置い た取引となるか。回復できないようならば今月に入り2 度下 げ渋っている91.80 円台割れを試す可能性がある。反対に転 換線を上抜けると、下値の堅さを意識して94 円台乗せを試 すこともあり得る。

レジスタンス1 93.94(3/13 高値)
前日終値 92.89
サポート1 91.82(3/11 安値)