デイリーレポート 3月25日
March 25, 2025
【前日の為替概況】】ドル円、150.76円まで上値伸ばす米長期金利が上昇ユーロドルは4日続落
24日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。終値は150.70円と前営業日NY終値(149.32 円)と比べて1円38銭程度のドル高水準だった。3月米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は49.8 と予想の51.8を下回ったものの、サービス部門PMI速報値が54.3と予想の50.8を上回ると円売り・ド ル買いで反応。19日の高値150.15円や5日の高値150.18円を上抜けると上昇に弾みが付き、1時前に一 時150.76円まで上値を伸ばした。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.33%台まで上昇したこ とも相場の支援材料。
週足の一目均衡表雲上限が位置する150.77円がレジスタンスとして意識されるといったんは上昇が一 服。150.49円付近まで伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。
ユーロドルは小幅ながら4日続落。終値は1.0801ドルと前営業日NY終値(1.0818ドル)と比べて0.0017 ドル程度のユーロ安水準となった。米サービス部門PMI速報値の上振れをきっかけに米長期金利が上昇す ると全般ドル買いが進行。1時30分過ぎに一時1.0782ドルと日通し安値を更新した。主要通貨に対する ドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.44まで上昇した。
ただ、トランプ米大統領が「関税で多くの国に猶予を与えるだろう」と発言すると、市場の過度な警戒 感が和らぎ1.0813ドル付近まで下げ渋った。
なお、トランプ米大統領は4月2日に導入するとしている相互関税について「柔軟性がある」との認識 を前週末21日に示していたほか、複数の米メディアは「相互関税」について「対象国が絞り込まれる可 能性がある」と報じていた。
ユーロ円は続伸。終値は162.78円と前営業日NY終値(161.55円)と比べて1円23銭程度のユーロ高 水準。ドル円の上昇につれた買いが優勢となり、5時30分前に一時162.83円と本日高値を付けた。ダウ 平均が一時650ドル超上昇するなど、米国株が堅調に推移したことも円売り・ユーロ買いを促した。
【本日の東京為替見通し】ドル円、1月日銀会合議事要旨と2月基調的インフレ率に要注目か
本日の東京外国為替市場のドル円は、ニューヨーク株式市場や米10年債利回りの上昇を受けて底堅い 展開が予想される。
注目されているIMM通貨先物の投機部門の円のネットの買い持ちポジションは、3月11日時点の過去 最大の133902枚から、18日時点では122964枚まで減っていた。ドル円が19日に150.15円、昨日は150.76 円まで上昇したことで、さらに減っていると思われるが、この後、ドル高・円安材料が出た場合は、手仕 舞いの可能性には警戒しておきたい。
IMMシカゴ筋が、トランプ・トレードのドル買い・円売りから円の買い持ちに転じたのは2月4日(18768 枚)で、ドル円は154円付近から155円台で推移していた。すなわち、シカゴ筋が円の買い持ちポジショ ンを全て手仕舞った場合、155円程度までの上昇が見込まれることになる。当時は、1月29日のベッセン ト米財務長官と加藤財務相の会談の後、加藤財務相は、為替に関する議論があったと認め、財務省幹部は この会談で「日本は利上げをしており、やるべきことはやっていくと伝えた」と明かした。そして、ヘッ ジファンド業界では、日米貿易不均衡是正のための「第2プラザ合意」、「マールアラーゴ合意」への警戒 感が高まっていた。その後、2月5日のベッセント米財務長官と植田日銀総裁の電話会談の後、ベッセン ト米財務長官は「他国が自国通貨を弱くすることは望まない。多くの国が対米貿易黒字を抱えるなか、金 利抑制による通貨安がその一因となっている可能性がある」と述べていた。
8時50分に公表される1月23-24日開催の日銀金融政策決定会合議事では、不確実性が非常に高いト ランプ政権の関税政策に関する協議に注目しておきたい。植田日銀総裁も、「ある程度規模や影響が見え てきたら政策運営に織り込む」と述べていた。そして、3月18-19日の日銀金融政策決定会合では、声明 文に、米国の関税政策による各国の通商政策がリスク要因に追加されていたことで、ハト派材料視されて いた。しかし、植田日銀総裁は「4月初めには通商政策の内容がある程度でてくる。次回の決定会合ない し展望リポートの中である程度消化できる」と述べて、「4月初め」や「次回会合(4/30-5/1)」という時 間軸を示したことがタカ派的と受け止められている。
また、植田日銀総裁は「昨今のコメ価格上昇が、未だ2%には届かないとする基調的インフレを押し上 げる遠因になり得る」と述べており、本日14時に発表される2月の「基調的なインフレ率を捕捉するた めの指標」にも注目しておきたい。
トランプ関税に関しては、4月2日に発動予定の相互関税は、ダーティー15と呼ばれる『不公正貿易国』 に対して、標的型相互関税となる模様である。日本は、米国の7番目の貿易赤字国であるため、非関税障 壁を理由に、高い税率が課せられる可能性に警戒しておきたい。また、4月2日に予定通り25%の自動車 関税を発動するか不透明、あるいは、規模が縮小される可能性がある、とのことで、引き続き関連ヘッド ラインには警戒しておきたい。
【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ☆ 1 月23-24 日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
<海外>
○17:00 ◇ 1-3 月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数
○18:00 ◎ カジミール・スロバキア中銀総裁、講演
○18:00 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○18:00 ◎ 3 月独Ifo 企業景況感指数(予想:86.7)
○19:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○19:50 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○21:40 ◎ クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○22:00 ◇ 1 月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○22:00 ◎ 1 月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.8%)
○22:05 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○23:00 ☆ 2 月米新築住宅販売件数(予想:前月比3.5%/68.0 万件)
○23:00 ◎ 3 月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:2)
○23:00 ◎ 3 月米消費者信頼感指数(予想:94.0)
○26 日01:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○26 日02:00 ◎ 米財務省、2 年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
##【前日までの要人発言】
24日10:52加藤財務相
「為替、ファンダメンタルズを反映して安定的に推移する こと重要」
「為替、行き過ぎた動きに対しては適切に対応」
24日14:08
(FT紙)「日本はまだデフレを克服できていない」
24日10:54内田日銀副総裁
「経済見通し実現していけば引き続き利上げして金融緩 和度合い調整」
「日銀は2%物価目標の持続的・安定的実現の観点か ら金融政策を行っている」
24日10:54植田日銀総裁
「長期国債、ただちに市場で売却はできない少しずつ 削減を進めている」
「保有ETFの評価益、24年度上半期で33兆円」
「保有ETFの評価益、日経平均1000円下落なら1.8兆 円減少」
「通貨の信認は適切な金融政策で物価安定を図ること を通じて確保されるもの」
「政策目的は物価の安定、財務への配慮で政策の遂行 妨げられることはない」
24日15:24
「今後の金融調節で国債売却を排除しているわけでは ない」
24日16:42チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事
「ECBの追加利下げ根拠、3月以降さらに強まった」
「現在の状況では、さらなる金融緩和が考えられる」
「インフレ目標は前回の予測よりも早く達成される可能 性」
24日20:01マクルーフ・アイルランド中銀総裁
「現在、極度の不確実性が見られる」
「金融政策においては慎重かつ用心深くなければならな い」
24日23:46トランプ米大統領
「ベネズエラ産石油の購入国に25%の副次的関税を発 動する」
25日01:29
「自動車関税について間もなく発表する」
「医薬品についてはある時点で発表する」
「FRBが金利を下げることを願う」
「エネルギー価格は下がる」
25日04:04
「関税で多くの国に猶予を与えるだろう」
25日02:49ボスティック米アトランタ連銀総裁
「今年は2回の利下げを予想していたが、今は1回だ け」
「インフレ率は2027年初めまで2%に戻らないだろう」
※時間は日本時間
【日足一目均衡表分析】
<ドル円=151.70 円台の200 日線が徐々に視野に>
大陽線引け。一目・基準線の上で上値を試す展開となった。
150.10 円台の19 日や5 日の高値を超えると150.70 円台まで
上昇した。3 日連続の陽線引け。
転換線は149 円台に乗せ、明日以降も上向きを示唆。同線
は週後半にも基準線を上回る見込みであり、地合いの強さを
示している。上サイドは3 日高値151.30 円が目先のめどだ
が、151.70 円台の200 日線も徐々に視野に入ってきた。
レジスタンス1 151.75(200 日移動平均線)
前日終値 150.70
サポート1 150.15(3/19 高値)
サポート2 149.09(日足一目均衡表・転換線)

<ユーロドル=昨日高値から一目・転換線が抵抗帯>
陰線引け。21 日高値の手前となる1.08 ドル半ばで頭を抑
えられ、1.07 ドル後半まで下落した。1.08 ドル台を回復し
て終えるも、4 手連続の陰線引け。
先週半ばから上値を切り下げる展開が継続。日足一目・転
換線は1.0869 ドルに本日位置し、昨日高値から同線が抵抗
帯として働くか。下サイドは1.07 ドル半ばの21 日線が目先
のめどだが、1.07 ドル前半の200 日線も意識されつつある。
レジスタンス1 1.0869(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0801
サポート1 1.0727(200 日移動平均線)

<ポンド円=200 日線が支持となるかに注目>
大陽線引け。日足一目・雲の上で上昇に勢いがついた。194
円前半の200 日線を超えると、194.70 円台まで上値を伸ばし
ている。4 手ぶりの陽線引け。
目先は昨日届かなかった18 日高値194.91 円を巡る攻防に
注目。クリアに上抜けるようだと、195 円後半の1 月9 日高
値を目指す展開か。下向き調整があった場合、まずは194.10
円台の200 日線が支持となるかに注目したい。
レジスタンス1 195.82(1/9 高値)
前日終値 194.75
サポート1 160.64(90 日移動平均線)

<豪ドル円=転換線から基準線が抵抗帯に>
小陰線引け。94 円台を一時回復したが、一目・基準線に届
かずに93.10 円台まで失速。20 日線を下回ったところから切
り返すも、4 手連続の陰線引け。
転換線は先週末高値の下、94.10 円台まで上昇してきた。
同線から本日94.37 円の基準線が抵抗帯と想定。目先は93.80
円台の21 日線を巡る攻防か。下サイドは、20・21 日に下げ
止まった93.10 円台が再び支持となるか注目したい。
レジスタンス1 94.37(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 93.64
サポート1 92.80(3/14 安値)

