Titan FX(タイタンFX)

デイリーレポート 4月10日

April 10, 2025

【前日の為替概況】】ドル円、反発米国関税(上乗せ分)引き上げを一時停止

9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は147.76円と前営業日NY終値(146.27円)と 比べて1円49銭程度のドル高水準だった。この日発動された米相互関税(上乗せ分)に対抗する格好で、 欧州連合(EU)は農産物や鉄鋼、家電などの米国製品に最大25%の追加関税を課すことを承認。また、 中国は米国から輸入する製品に対する関税を84%に引き上げると表明した。

米国と貿易相手による関税の応酬が世界景気に悪影響を及ぼすとの懸念から、欧州株相場や時間外のダ ウ先物が下落するとリスク回避の円買い・ドル売りが先行。ベッセント米財務長官が最近の円高について 「自然な流れ」と発言したことも相場の重しとなり、21時30分過ぎに一時144.00円と昨年10月以来の 安値を付けた。

ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。トランプ米大統領がSNSに「落ち着いて(BECOOL)!すべて うまくいく」「今は買いの好機だ」などと投稿すると、安く始まった米国株相場が上昇。警戒されていた 米10年債入札が「堅調」だったこともあり、ドル円はじり高の展開となった。

日本時間2時過ぎにトランプ米大統領が「中国への関税を125%に引き上げる」とした一方、「米国に 対して報復措置を取っていない国・地域を対象に関税(上乗せ分)引き上げを90日間一時停止する」と 発表すると、ダウ平均が3100ドル超上昇し、ナスダック総合が12%超急騰。貿易戦争への過度な警戒感 が後退し、リスク回避の巻き戻しが広がった。3時過ぎには一時148.27円まで急伸した。

ユーロドルは小反落。終値は1.0949ドルと前営業日NY終値(1.0958ドル)と比べて0.0009ドル程度 のユーロ安水準となった。対円などでドル安が進んだ流れに沿ってユーロ買い・ドル売りが先行すると、 21時30分過ぎに一時1.1095ドルと日通し高値を付けた。

ただ、節目の1.1100ドル手前では買いが一服。米政権の「相互関税」に伴う世界経済の先行き不透明 感が高まる中、欧州株相場の下落に伴うユーロ売りも出た。 NY午後に入ると、トランプ米大統領が自身のSNSに「報復措置を取っていない国・地域を対象に関税 引き上げを90日間一時停止する」と記したことが材料視されて、ユーロ売り・ドル買いがさらに進んだ。 3時過ぎには一時1.0914ドルと日通し安値を更新した。

ユーロ円は反発。終値は161.88円と前営業日NY終値(160.29円)と比べて1円59銭程度のユーロ高 水準。しばらくは160.00円を挟んだもみ合いの展開が続いていたが、トランプ米大統領がこの日発動し た「相互関税」の一部について「90日間の一時停止を許可する」と発表すると、米国株相場が急騰。投 資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ユーロ買いが進んだ。3時30分前には一時162.20円と日 通し高値を付けた。

【本日の東京為替見通し】米関税狂騒曲続く、株反発はドルの支えも売り要素もあり乱高下か

本日の東京時間でドル円は、引き続き乱高下を繰り返すことになりそうだ。ベッセント米財務長官は 75カ国以上が交渉のテーブルに着いたことで「トランプ米大統領の交渉戦略は成功した」との見解を示 したが、政権内部以外では評価する声は少ない。多くはトランプ大統領によるチキンレースは勝者のない まま、世界経済の不安定さだけが残ったと評している。これからも最低90日間は継続されるチキンレー スをめぐり、金融市場は方向感のない動きが続くだろう。

昨日トランプ米大統領が報復措置を取っていない国・地域を対象にした「上乗せ分の90日間一時停止」 で、ダウ平均が第2次大戦後3番目の上げ幅を記録するなど、米株式市場が大幅に反発した。昨日のCME225 先物は34860円と9日の大阪取引所比で3030円高で引けたことで、本日の日経平均も大幅な反発が予想 されている。株の買い戻しは一定のドル買い・円売り要因となるだろう。

ただし、一方的にリスク選好の動きになりにくく、ドル円の売り要因も依然として多い。1つ目は上乗 せ分が回避されたとはいえ、10%の基本税は継続されること。2つ目は90日間の猶予が与えられただけ で、上乗せ分が90日後に再び復活する恐れがあること。3つ目は中国に対しての追加関税が125%まで上 昇し、2大経済大国の争いが終わることがないこと、などがあげられる。

また、日本に関してはドル売り・円買い要因が強い。ここ最近はリスク回避の円買いよりも、日米間の 円安是正の可能性による円買いという面も徐々にクローズアップされていた。昨日、加藤財務相も米国と の関税交渉について、為替もテーマになり得ると認めていると発言。ベッセント財務長官も「強い円は正 常」と昨日発言するなど、円安による貿易不均衡是正の声は根強い。ベッセント氏は、日本のほかにベト ナムや韓国、インドなどアジアの複数の国との交渉をすることをあげ、各国の関税や非関税障壁の水準に 加え、為替操作も協議の対象になる考えを示した。90日間の猶予期間の間に、40年前のプラザ合意のよ うに、ドル高・アジア通貨安(円安)調整で合意された場合は、数円から10円程度の値幅では収まらず、 再び100円や2桁のドル円相場も意識する必要もありそうだ。

他のドル円の売り要因としては、本邦勢の売り遅れもある。先週1日に発表された3月の日銀短観で 2025年度の全規模・全産業の想定為替レートは147.06円(上期147.17円、下期146.95円)、大企業製 造業は147.35円(上期147.43円、下期147.28円)となっている。現行のスポットでは概ね想定為替レ ートでドル円を売ることができる。また、猶予期間を迎える3カ月物のスワップポイントがおおよそ153 ポイントということで、148円半ばから後半にかけては、スワップポイントを加味したレートで想定為替 レートの輸出予約ができる。よって、147円台から上は売り意欲が引かないだろう。

なお、本日は本邦から3月企業物価指数、中国からは同月消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI) が発表される。両国の指標とも重要指標で、通常は市場を動意づけるものだが、市場の目が関税政策に集 まっているため、今回に限れば反応が限られることになりそうだ。

【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間

<国内>

○08:50 ◇ 3 月企業物価指数(予想:前月比0.2%/前年比3.9%)

○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

<海外>

○08:01 ◇ 3 月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:8)

○10:30 ◎ 3 月中国消費者物価指数(CPI、予想:前年比横ばい)

○10:30 ◎ 3 月中国生産者物価指数(PPI、予想:前年比▲2.3%)

○15:00 ◎ 3 月ノルウェーCPI(予想:前月比▲0.5%/前年比2.9%)

○16:00 ◇ 2 月トルコ鉱工業生産

○19:00 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、講演

○21:30 ◇ 2 月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲0.5%)

○21:30 ☆ 3 月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比2.6%)

☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.0%)

○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.3 万件/188.2 万人)

○22:00 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演

○22:30 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、あいさつ

○23:00 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、米上院のFRB 副議長指名承認公聴会に出席

○23:00 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演

○11 日01:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演

○11 日01:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演

○11 日02:00 ◎ 米財務省、30 年債入札

○11 日03:00 ◎ 3 月米月次財政収支(予想:2366 億ドルの赤字)

○インド(ジャイナ教マハビラ生誕日)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

9日05:29トランプ米大統領

「関税は課される」

「70カ国以上と関税交渉を行った」

「関税の状況は良い状況」

「大きな美しい法案を可決することはとても重要」

「日本が交渉のためにここに来ようとしている」

「中国は104%の関税を支払うことになるだろう」

9日09:26

「医薬品に関税を賦課するつもりだ」

「医薬品への主要な関税を近く発表する」

9日22:34

「落ち着いて(BECOOL)ばすべてうまくいく」

「米国はかつてないほど大きく、より良くなるだろう」

「今は買いの好機だ」

10日02:21

「中国への関税を125%に引き上げる、即時発効」

「報復しない国・地域に90日間の関税一時停止を承認」

10日04:26

「中国との合意が成立する可能性」

「人々が関税について少し不安を感じ始めていたため、 多くの世界的な関税を撤回したが、中国への関税は撤 回しなかった」

「90日間の猶予期間は、報復措置を取らなかった人々 のためのものだ」

「これは誰にとっても公平な取引となるだろう」

「おそらく私が考えていたよりも早く進展している」

「債券市場を注視していた。最初は難しかったが今は素 晴らしい状況だ」

9日09:10植田日銀総裁

「物価目標の実現の観点から政策を運営している」

「経済・物価改善するなかで低金利継続すると緩和が過 大になる」

9日10:19赤沢再生相

「米国に関税措置見直しを強く求めることに変わりない」

9日10:46加藤財務相

「米国とは為替について財務相間で協議との認識共有」

「日米関税交渉、為替もテーマになり得ると承知」

9日16:14中国外務省

※米国の関税措置について

「中国の発展の権利を奪うことはできない」

「中国の合法的な権利と利益を守るため、断固として効 果的な措置を取り続ける」

9日16:54三村財務官

「(相互関税について)一連の措置は極めて遺憾」

「日本経済や市場、産業への影響をきめ細かく把握」

「世界市場の安定維持に万全を期すことを確認」

「市場動向を高い緊張感を持って注視する」

「為替について、投機的な動き含め憂慮してみている」

「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移す ることが重要」

「米財務省とも様々なやり取りはしている」

「米側と今後どう議論するかは予断を持って予想しない」

9日17:28クノット・オランダ中銀総裁

「ディスインフレは順調に進んでいる」

「政策金利は中立範囲の上限にある」

「貿易戦争が長期的にインフレを引き起こす可能性は低 い」

「債券市場の反転を監視する必要がある」

9日18:08レーン・フィンランド中銀総裁

「3月の会合以来、下振れリスクが顕在化している」

9日20:05中国財務省

「米国製品に追加で84%の関税を課す」

「追加関税は4月10日に発動」

9日20:39李強・中国首相

「不確実性に対処する用意がある」

「中国経済は引き続き回復傾向」

「より積極的なマクロ経済政策を実施する必要がある」

9日20:41ホルツマン・オーストリア中銀総裁

「ユーロ圏の景気後退は考えにくいものの、成長は鈍化 する可能性がある」

「今のところ利下げの理由は見当たらない」

「不確実性が高い現状では待つことが最善の戦略」

9日20:50ベッセント米財務長官

「中国の報復関税は残念」

「貿易戦争の激化は中国にとって損失」

「中国に人民元の切り下げをしないよう促す」

「強い円は正常」

「米国は強いドル政策」

9日21:11デイリー米サンフランシスコ連銀総裁

「次の行動を検討する時間と余裕がある」

9日22:15カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁

「関税の影響で利下げのハードルは上昇」

「経済と労働市場が弱体化しても利下げのハードルが 上昇」

「関税のインフレへの影響を無視するのはリスクが高す ぎる」

「最優先事項は長期的なインフレ期待を安定させること」

10日00:22ムサレム米セントルイス連銀総裁

「今年の米経済成長率は2%のトレンド予想を大幅に下 回る見込み」

「基本シナリオは景気後退ではないが、信頼感の低下、 物価上昇、家計資産への打撃は成長の減速を示唆」

「金融環境は引き締まっているが、最近のボラティリティ で市場の機能不全は見られない」

「成長鈍化とインフレ上昇のリスクが顕在化し始め、FRB の二つの責務目標の間で緊張が高まっている」

「インフレ期待は依然として安定しており、FRBはそれを 維持する必要がある」

「FRBが関税による物価上昇を無視できると想定するの は危険であり、一部の影響が持続する可能性がある」

「インフレ期待が安定している限り、金融政策にはバラン スのとれたアプローチを取る」

10日01:40バーキン米リッチモンド連銀総裁

「経済の最大の構成要素である消費者を最も注視」

「消費者が買い控えを決断する瞬間が近づいているか どうかは懸念すべきだが、今のところそのような事態は 起きていない」

「消費者支出に最も影響を与えるのは仕事があるかどう か、2番目は信頼感、3番目は資産効果」

「株式市場の調整は消費者の買い控えにつながるもの ではない」

※時間は日本時間

【日足一目均衡表分析】

<ドル円=基準線付近の底堅さ維持できるか見定めたい>

下影大陽線引け。昨年10 月以来の安値144.00 円まで下振 れる動きが先行した。しかし突っ込み気味に売り込まれた同 水準から流動性の乏しさもあって大きく反発し、147.76 円で NY を引けている。目先の抵抗だった一目均衡表・転換線・基 準線を上回った。昨日147.61 円で引けた両線のうち、本日 147.25 円へ切り下がった転換線はまだ低下が続く見込み。下 押し局面での支えになりにくいかもしれない。だが、横ばい が続く公算の基準線の状態は底堅さ維持への期待を高める 一因。さらに戻りを試すことができるか見定めたい。

レジスタンス2 149.28(4/3 高値)
レジスタンス1 148.70(3/31 安値)
前日終値 147.76
サポート1 146.64(4/9 レンジ61.8%水準)

<ユーロドル=転換線を追うようにじり高推移できるか注視>

上影小陰線引け。上昇傾向の一目均衡表・転換線・基準線 の状態が示唆する上向きの動きが先行して一時1.1095 ドル と、先週末4 日以来の1.11 ドル回復に迫った。しかし年初 来の高値圏である同水準では相応の売り圧力にさらされ 1.09 ドル半ばへ押し戻された。ただ、基準線が本日1.0939 ドルへ上昇しており、下支えとなるポイントの切り上がりと して好感できる。転換線1.0961 ドルの動きを追うようにじ り高推移できるか注視したい。

レジスタンス1 1.1026(4/9 レンジ61.8%水準)
前日終値 1.0949
サポート1 1.0882(4/7 安値)

<ポンド円=基準線・転換線・雲の下限が抵抗>

下影大陽線引け。一時184.39 円と、昨年9 月以来の安値 を更新する動きが先行した。その後は他の円絡みの通貨ペア 同様に大きく戻し、189 円半ばでNY の取引を終えている。し かし一目均衡表・転換線190.08 円や基準線190.18 円、雲の 下限190.15 円といった抵抗が並ぶ190 円前半は相応の抵抗 になりそう。いったん押し返される展開も想定し、下押し局 面での粘りの有無を確認したい。

レジスタンス1 190.18(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 189.42
サポート1 187.75(4/9 レンジ61.8%水準)

<NZ ドル円=伸び悩む可能性も視野に入れ臨みたい>

下影大陽線引け。底堅さを示す下ひげをともなう足型を形 成して上昇し、83.44 円で引けている。だが、一目均衡表・ 基準線83.59 円をまだ上回っていない。一目・転換線83.29 円の低下傾向継続も考慮すれば伸び悩む可能性を視野に入 れて臨みたい。

レジスタンス1 84.10(4/2-9 下落幅の61.8%戻し)
前日終値 83.44
サポート1 82.27(4/9 レンジ61.8%水準)