デイリーレポート 4月17日
April 17, 2025
【前日の為替概況】ドル円、反落し一時141.65円と昨年9月以来の安値更新ユーロドルは反発
16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は141.88円と前営業日NY終値(143.21円) と比べて1円33銭程度のドル安水準だった。日米関税交渉を明日17日に控える中、しばらくは大きな方 向感が出なかった。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言が伝わると米国株相場の下落と ともにリスク回避の円買いが優勢となり、4時30分前に一時141.65円と昨年9月以来の安値を付けた。
市場関係者からは「CTA(商品投資顧問)の売りが観測された」との声も聞かれた。
パウエルFRB議長はこの日の講演で「米政権の関税措置による経済への影響は予想を大幅に上回る」と 述べた一方、景気の下支えにつながる早期の利下げには慎重な考えを改めて示した。「いざとなればパウ エル議長が緩和に動く」という期待感(パウエル・プット)がはく落すると、ダウ平均は970ドル超下落 し、ナスダック総合は4%超下げる場面があった。
ユーロドルは3営業日ぶりに反発。終値は1.1399ドルと前営業日NY終値(1.1282ドル)と比べて0.0117 ドル程度のユーロ高水準となった。明日17日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前に様子見ムードが強 く、しばらくは狭い範囲内での推移にとどまった。
ただ、パウエルFRB議長が早期利下げに慎重な姿勢を改めて示すと、米国株相場が大幅に下落したほか、 米長期金利が低下幅を拡大。全般ドル売りが優勢となり、4時30分前に一時1.1413ドルと日通し高値を 更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.17まで低下した。
ユーロ円は3日ぶりに小反発。終値は161.67円と前営業日NY終値(161.57円)と比べて10銭程度の ユーロ高水準。24時過ぎに一時162.28円と日通し高値を付けたものの、引けにかけては伸び悩んだ。パ ウエルFRB議長の発言をきっかけに米国株が下げ幅を拡大したことなどが相場の重し。4時30分前には 161.56円付近まで下押しした。
【本日の東京為替見通し】ドル円、日米貿易交渉からの報道を見極めていく展開
本日の東京外国為替市場のドル円は、本日午前6時から開催されている日米貿易交渉からの報道を見極 めていくことになる。また、3月貿易統計で対米貿易黒字幅にも注目したい。
8時50分発表の3月貿易統計(通関ベース)は、季節調整前4853億円の黒字/季節調整済2510億円 の赤字が予想されている。対米貿易黒字の数字と、トランプ米政権が相互関税率24%を算出した計算方 法で、2024年の46%(÷2=約24%)からの増減を確認しておきたい。なお1-2月の対米貿易黒字は1 兆3957億円、米国への輸出金額は3兆4440億円だったので、トランプ方式では40.5%となっている。
ところで先週の米国債の売り手(※4/11:米10年債利回りが4.59%まで急上昇)は、中国や本邦機関 投資家ではないかとの噂があった。そのため、本日公表される「対外対内証券売買契約等の状況」で中長 期債投資の金額を確認しておきたい。
日米貿易交渉では、日本側が赤沢経済再生相、米国側はベッセント米財務長官やラトニック米商務長官、 グリア通商代表部(USTR)代表に加えてトランプ米大統領も出席している。ベッセント財務長官は、「関 税、非関税障壁、補助金、そして『為替問題』などの協議」を示唆していた。一方、トランプ米大統領は 「関税、軍事支援の費用、貿易の公平性について交渉する」と述べていた。同大統領から既に、「日本の 代表との間で大きな進展があった」との発言が伝わっている。
ミラン米大統領経済諮問委員会CEA委員長の論文のシナリオに従うと、対日相互関税24%や自動車関 税25%を減免する代わりに、非関税障壁(※車検制度など)や補助金(※輸出還付金など)の撤廃が要 求されそうだ。また、防衛費の増額(※安全保障政策を連携させた「保護レント理論」)、ドル安・円高を 受け入れるというバーターが想定される。
ドル安・円高への米国側の圧力が確認された場合、161.95円を頭とする「ヘッド・アンド・ショルダ ー」のネック・ラインが位置する(140.25円~139.58円~139.06円)の攻防に警戒しておきたい。
10時30分発表の3月豪雇用統計(予想:失業率4.2%/新規雇用者数4.00万人)では、5月19-20日 の豪準備銀行(RBA)理事会での利下げの可能性を見極めることになる。4月理事会の議事要旨では、「5 月の会合はインフレや賃金、労働市場、経済活動の動向に関する追加データ、最新の経済予測、そして世 界貿易政策の今後の展開に関する追加情報を得た上で、金融政策設定を見直す適切なタイミング」との見 解が示されていた。
【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 3 月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前4853 億円の黒字、季節調整済2510 億円の赤字)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:30 ◎ 中川順子日銀審議委員、あいさつ
<海外>
○08:00 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表(予想:2.75%で据え置き)
○10:30 ◎ 3 月豪雇用統計(予想:失業率4.2%/新規雇用者数4.00 万人)
○15:00 ◇ 3 月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲0.1%)
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:42.50%で据え置き)
○21:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:2.40%に引き下げ)
○21:30 ◇ 2 月対カナダ証券投資
○21:30 ◎ 3 月米住宅着工件数(予想:142.0 万件、前月比▲5.4%)
◎ 建設許可件数(予想:145.0 万件、前月比▲0.6%)
○21:30 ◎ 4 月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:2.0)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.5 万件/187.2 万人)
○21:45 ☆ ラガルドECB 総裁、定例記者会見
○18 日00:45 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○日米通商協議(米ワシントン)
○米債券市場は短縮取引(聖金曜日の前営業日)
○ノルウェー、メキシコ(聖木曜日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
16日10:26赤沢経済再生相
「米国との関税交渉は、準備ができている」
「何が一番国益に資するか効果的か考え抜いて交渉す る」
「交渉分野についてのコメントは控える」
16日12:37トランプ米大統領
「インフレは下がっている」
「あらゆる製品の価格は下がっていく見込み」
16日19:26
「日本との協議、自分が出席する」
「軍事支援の費用と貿易の公平性が協議の一部」
「日本との協議、何かが解決できることを願う」
16日16:33中国外務省
「米国に脅迫と恐喝をやめるよう強く求める」
「米国が対話を通じて問題を解決したいのであれば、圧 力をかけるのをやめるべきだ」
16日22:45カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「米国の貿易政策の大きな転換と関税の予測不可能性 は、不確実性を高め、経済成長の見通しを低下させ、イ ンフレ期待を押し上げている」
「不確実性が蔓延しているため、カナダおよび世界の GDP成長率とインフレ率を予測することは非常に困難」
「4月金融政策報告書(MPR)では、米貿易政策の異な る道筋を探る2つのシナリオを提示する」
「最初のシナリオでは、不確実性は高いものの、関税の 規模は限定的。カナダの成長率は一時的に鈍化し、イ ンフレ率は目標の2%前後で推移」
「2つ目のシナリオでは、長期にわたる貿易戦争により、 カナダ経済は今年景気後退に陥り、来年にはインフレ率 が一時的に3%を超えると想定」
16日23:06シェインバウム・メキシコ大統領
「米国に対して国境での安全協力に関する外交メモを送 った」
16日23:47マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総 裁
「我々は慎重に対応している」
「カナダ経済は好調なスタートを切った」
「我々の目標は物価安定の確保」
「状況は依然として不透明」
17日01:04ハマック米クリーブランド連銀総裁
「もし成長が鈍化しインフレが和らげば、FRBは利下げ を行うこともあり得るし、その際は迅速に対応する可能 性もある」
「現在の引き締め的な金融政策はインフレを抑制するた めに必要だ」
「政策の忍耐がFRBに経済データをさらに集める余裕を 与える」
「現時点では政策を据え置くことに強い合理性がある」
「年初は経済が力強く始まったが、最近の指標はまちま ちだ」
「インフレ率を2%に戻すには、まだやるべきことが残っ ている」
「金融環境は引き締まっている」
「最近の市場ストレスはやや特異なものだった」
「FRBは大きな不確実性の中で、データを評価する時間 的余裕がある立場にある」
「関税が経済に与える影響を見極めるには時間がかか るだろう」
17日02:33パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「安定した価格と強い労働市場の両立は不可欠である」
「より明確な情報を待つために、慎重に行動する立場に ある」
「不確実性と下振れリスクが高まっているにもかかわら ず、米経済は堅調」
「関税の経済的影響は予想よりも大きい可能性が高い」
「FRBの責務に緊張が生じるシナリオに陥る可能性があ る」
「インフレに及ぼす影響が比較的長期化する可能性もあ る」
「関税は、我々の予想を上回る水準」
「経済減速に伴い失業率は上昇する可能性が高い」
「貿易政策の影響で目標達成が遠ざかる可能性が高 い」
「準備金は依然として潤沢だと考えている」
「ドルを国外に供給する準備は万端」
「市場は多くの不確実性、つまりボラティリティに苦しん でいる」
「市場のボラティリティはおそらく継続するだろう」
「市場は秩序を維持しつつ想定通りの機能果たしてい る」
※時間は日本時間
【日足一目均衡表分析】
<ドル円=5 日線前後の攻防から下値を探る動きに>
陰線引け。143.23 円に位置していた5 日移動平均線前後の
攻防から下値を探る動きになった。
141.65 円まで昨年9 月以来の安値を更新している。本日
142.71 円前後へ低下して推移する5 日線付近が引き続き重そ
う。下値を広げる展開を想定する。
レジスタンス1 142.71(5 日移動平均線)
前日終値 141.88
サポート1 140.93(2024/9/16 高値)
サポート2 140.45(2024/9/18 安値)

<ユーロドル=5 日線を下回る水準から持ち直す>
陽線引け。朝方は、目先のすう勢を示す5 日移動平均線を
下回って推移する場面もあったが持ち直し、1.14 ドル近辺で
NY を引けている。5 日線は本日1.1356 ドル前後へ上昇して
推移。下押しがあっても同線前後で下げ渋り、上値を試す流
れを予想する。
レジスタンス1 1.1473(4/11 高値=年初来高値)
前日終値 1.1399
サポート1 1.1316(ピボット・サポート1)

<ユーロ円=200 日線上回る水準に売り圧力>
上影小陽線引け。162.28 円まで戻したものの、200 日移動
平均線を上回る同水準から押し返され、161.67 円でNY の取
引を終えた。200 日線は本日161.76 円前後で推移。低下中の
同線を上回る水準では引き続き相応の売り圧力にさらされ
そう。同線を攻略するのは、切り上がりが見込まれる一目均
衡表・転換線160.93 円が上昇を強めてからとみる。
レジスタンス1 162.28(4/16 高値)
前日終値 161.67
サポート1 160.93(日足一目均衡表・転換線)

<豪ドル円=底打ちする公算の転換線は底堅さを示唆>
陰線引け。一目均衡表・転換線を上回り、戻りを試す展開
となっていたが、一目・基準線90.90 円前後が重い。90 円割
れを意識させる場面もあった。しかし低下中の転換線を追う
ような下落までには至っていない。転換線は本日88.73 円へ
低下したところで底打ちして90 円台へ戻してくる公算。同
線の動向が示唆する底堅い推移が期待できる。
レジスタンス1 91.21(4/16 高値)
前日終値 90.37
サポート1 89.57(4/14 安値)

