ウィークリーレポート 2025年4月18日
週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円)
April 18, 2025
ドル円、日米財務相会談に警戒
◆ドル円、日米財務相会談に警戒 ◆ドル円、米地区連銀経済報告や4 月東京都区部CPI に注目 ◆ユーロドル、欧米通商協議や4 月ユーロ圏製造業・サービス業PMI 速報値に注目
予想レンジ
ドル円 139.00-144.00 円 ユーロドル 1.1100-1.1500 ドル
4 月21 日週の展望
ドル円は、来週予定されている加藤財務相とベッセント米財務長官による日米財務相会談での 為替協議に注目する展開となりそうだ。17 日に開催された赤沢経済再生相とベッセント米財務長 官、ラトニック米商務長官、グリア通商代表部(USTR)代表との第1 回日米貿易交渉では、為替 に関する議論はなく、赤沢経済再生相は「日米首脳会談で為替はベッセント米財務長官と加藤財 務相で議論すると記者会見で明らかにされており、米側はよく理解していると思う」と述べたほ か、月内の第2 回貿易交渉の開催を示唆した。加藤財務相は来週のG20 財務相・中央銀行総裁会 議や、IMF・世銀総会でベッセント米財務長官との日米財務相会談に臨む予定となっている。 来週、米国では23 日に米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される。5 月6-7 日のFOMC での追加利下げの可能性を見極めることになる。また、ブラックアウト期間を控えて、複数のFOMC メンバーの講演にも注目しておきたい。パウエルFRB 議長は、トランプ米政権の関税措置がスタ グフレーションを引き起こす可能性を指摘し、「明確な状況が判明するまで当面は様子を見る」考 えを示しているが、一方で、トランプ米大統領はパウエルFRB 議長に早期の利下げや退任を迫っ ており、今後の関連報道には警戒しておきたい。日本では、25 日に4 月東京都区部CPI が予定さ れている。4 月全国CPI の先行指標となっているが、政府の電気・ガス料金の補助金が3 月で終 了したこともあり、注目しておきたい。大幅に上昇していた場合、日銀の早期利上げ観測が高ま ることから円買い要因となるだろう。植田日銀総裁は、米国の関税政策による不確実性に警戒感 を示しつつも、「見通しが実現する確度を点検しながら適切に政策を判断していく」と述べている。 ユーロドルは、難航している欧米通商協議の行方に注目だが、景況感の悪化が懸念される中で、 ユーロ圏4 月の製造業・サービス業PMI 速報値を見極める展開となるだろう。今週の欧州中央銀 行(ECB)理事会声明文でも、「成長見通しは通商の緊張により悪化している」と言及された。
4 月14 日週の回顧
ドル円は、米中の貿易摩擦や日米貿易交渉への警戒感から141.62 円まで年初来安値を更新した が、日米貿易交渉で為替に関する議論がなかったことから一時143.08 円まで買い戻された。ユー ロドルは、ユーロ圏の景況感悪化懸念などを受けて1.1425 ドルから1.1264 ドルまで下落した。 ただ、その後は米長期金利の低下などにつれて下値を切り上げている。なお、ECB 理事会では、 市場予想通り6 会合連続での0.25%の利下げが決定され、声明文からは「景気抑制的」の文言が 削除された。ラガルドECB 総裁は、「強いユーロはインフレを押し下げる可能性。2%の目標を達 成するために必要なことは何でもやる決意」などと述べた。(了)
April 18, 2025
豪ドル、関税以外の報復措置に警戒
◆豪ドル、米中の関税引上げは落ち着くも別種の報復措置に警戒 ◆豪ドル、来月の選挙を前に与野党間の攻防に注目 ◆ZAR、中国との更なる通商拡大が今後の焦点に
予想レンジ
豪ドル円 86.00-92.00 円 南ア・ランド円 7.00-7.80 円
4 月21 日週の展望
豪ドルはリスク許容度に敏感であり、来週も関税に関する報道で上下を繰り返すことになる。 トランプ米政権による関税引き上げ後、多くの国の通貨は米国のリセッション懸念の高まりでド ル売りが進行した。ただ、豪ドルはリスク回避の動きで上値が重いほか、中国との通商面での関 係性が深く、米中両国の景気低迷懸念が重しとなっている。一方的なドル売りにはなりにくい。 米中間の関税は、米国が対中を145%、中国が対米を125%に引き上げたが、中国は米国が再度 関税を引き上げても対抗しないことを示唆した。しかし、今週、中国政府は国内航空会社に「ボ ーイング機の受取り停止」を指示したように、別の報復措置を講じ始めている。来週も関税以外 にも、対象品目などの遷移があれば豪ドルを動意づけることになるだろう。 豪州国内では、5 月3 日に迫る総選挙に関する報道にも注目。直近の市場調査では与党労働党 が辛うじて過半数を獲得する見通し。ただ、豪州もインフレ懸念の高まりや、政権の対米姿勢を 「弱腰」と野党・保守党は批判している。米政権の動向次第では情勢が変わる可能性もあること で注意が必要だ。なお、来週、豪州からは主だった経済指標の発表は予定されていない。 南アフリカ・ランド(ZAR)は上値が限定的となりそうだ。今週に入りアフリカ民族会議(ANC) が付加価値税(VAT)の引き上げを断念したとの一部報道が流れ、民主同盟(DA)の国民統一政府 (GNU)離脱が回避されるという期待感からZAR が買い戻される場面もあった。ただ、VAT 引き上 げの撤回はまだ正式には決定されておらず、来週もVAT をめぐる政治的な動向から目が離せない。 また、国外要因では、引き続き米政権による関税が注目される。南アと米国の関係が改善され る可能性は極めて低く、90 日間の延期解除後は南アへの30%の上乗せ関税が科されることになり そうな状況に変わりはない。そのため、南アはこの数週間、更に親中路線を明確に示している。 先週11 日には、貿易産業相が中国の商務相とオンライン会談を行い、両国間で経済と貿易の協力 関係を強めた。また、今週は「一つの中国」政策にコミットするため、南アは台湾に対し、連絡 事務所を行政の首都プレトリアからヨハネスブルクに移転するよう伝えた。対米よりも対中の貿 易拡大の道筋が見えた場合にはZAR の支えになりそうだ。なお、来週の経済指標では、23 日に3 月CPI、24 日には3 月PPI が発表される予定。
4 月14 日週の回顧
豪ドルはほぼ横ばい。米国のリセッション懸念でドル売りが豪ドルを支えるものの、米中の関 税合戦でリスク回避の動きが豪ドルの抑えになった。対ドル、対円とも神経質に動いたが値幅は 限られた。なお、豪準備銀行(RBA)議事録は再利下げを示唆する内容だったが、金利市場ではす でに5 月の利下げをほぼ織り込んでおり、豪ドルの反応は限られた。ZAR は小高い動き。VAT 引き 上げが中止されるとの一部報道が流れると買い圧力が強まる場面があった。しかし、中国のボー イング機受取停止指示などを受けて株式市場が軟調に動くと上値を抑えた。(了)
週間展望・回顧(ポンド、加ドル)
April 18, 2025
加ドル、米関税の影響を見極め
◆経済データへの注目度は低く、関税相場が継続 ◆ポンド、3 月CPI の伸びが鈍化するも今後のインフレ圧力の高まりに警戒 ◆加ドル、米関税の影響を見極め
予想レンジ
ポンド円 186.00-192.00 円 加ドル円 101.00-105.00 円
4 月21 日週の展望
米関税が引き続き金融相場全体のメインテーマであることに変わりはない。今週、「株安・債券 安・ドル安」といった「米国トリプル売り」はいったん落ち着いたが、関税の不確実性は払しょ くされておらず、トランプ米政権の政策や経済の先行きへの不安は残されたまま。関税関連のヘ ッドラインによる神経質な動きとなる「関税相場」は続きそうだ。 来週、英国内では4 月製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値や3 月小売売上 高などの発表が予定されている。今週発表された、3 月の雇用者数は7.8 万人減となった。4 月か らの企業に対する大幅な税負担の引き上げを前に、企業の人員削減が進んだことが示された。一 方、12-2 月の3 カ月平均給与(除ボーナス)は5.9%と前回から伸びが加速し、インフレ圧力の 兆候を判断する上でイングランド銀行(英銀行、BOE)が注視している民間部門の賃金上昇率も 5.9%と高い水準を維持した。また、3 月消費者物価指数(CPI)は前年比2.6%と前月から伸びが 予想以上に鈍化し3 カ月ぶりの低水準となったが、4 月以降は公共料金の値上げや雇用主に対す る増税でインフレが加速するとの見方が出ている。トランプ関税、保険料・最低賃金の引き上げ などと続くなか市場の過去データへの注目度は低くなっている。 トランプ関税が世界の金融市場に混乱を与えるなか、英政権は米政権との貿易交渉に自信を示 している。ヴァンス米副大統領は今週、「英国と貿易協定が成立する可能性は非常に高い」との見 解を示した。英政府は、輸入のパスタやジュースなどの食品やプラスチック、園芸用品など計89 品目の関税を2027 年7 月までゼロにし、トランプ米政権の関税措置で影響を受ける輸出企業に対 して融資枠を200 億ポンド拡大する支援策を講じると発表している。 加ドルは、全般ドルの重い動きが継続するなか対ドルで底堅い動きとなるも、関税の加経済へ の悪影響や米加関税合戦のエスカレートへの警戒感で買い戻しは限られている。カナダ中銀(BOC) は今週の会合で政策金利を2.75%に据え置いた。据え置きは昨年4 月以来と1 年ぶり。BOC は、 「関税の影響を見極めるために状況が一段と明確になるまで慎重に政策決定を進める」意向を示 すも、米関税で「深刻な景気後退の可能性」に言及。「景気が大幅に悪化した場合は積極的な緩和 策に踏み切る」ことを示唆した。来週は加国内で加ドルの動意につながりそうな指標発表は予定 されておらず、関税関連のヘッドラインやドル、円の動きに左右されそうだ。
4 月14 日週の回顧
先週の「米国売り」はいったん落ち着くも、ドルの重い動きが継続。ポンドドルは強弱まちま ちの英雇用・物価データへの反応は限られ、昨年10 月以来の高値となる1.33 ドル手前まで上昇 するなど底堅い動きとなった。ドル/加ドルは、加3 月CPI が予想以上に伸びが鈍化したが、1.38 加ドル台を中心にやや加ドルの買い戻しに傾いた。対円ではリスク回避の円買いは一服するも、 ポンド円は189 円半ば、加ドル円は104 円近辺で戻りが抑えられた。(了)