ウィークリーレポート 2025年4月25日
週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円)
April 25, 2025
ドル円、日銀会合や日米貿易交渉に警戒
◆ドル円、日銀金融政策決定会合や第2 回日米貿易交渉に警戒 ◆米1-3 月期GDP 速報値、3 月PCE デフレーター、4 月雇用統計などに注目 ◆ユーロドル、欧米通商協議や4 月ユーロ圏HICP 速報値に注目
予想レンジ
ドル円 140.00-145.00 円 ユーロドル 1.1100-1.1500 ドル
4 月28 日週の展望
ドル円は、今週の日米財務相会談で為替目標への言及がなく、日米で緊密に協議することが確 認されたことを受けて、30 日から5 月1 日に予定されている日銀金融政策決定会合での金融政策 に注目する展開となりそうだ。市場では、トランプ関税の不確実性が払拭されない状況では、追 加利上げは見送られると見込まれている。ただ、今週米ワシントンで開催されたG20 財務相・中 央銀行総裁会議で、ベッセント米財務長官が植田日銀総裁に対して非公式に利上げを要請した可 能性もないとは言えず、追加利上げの可能性には警戒しておきたい。また、5 月1 日に予定され ている第2 回日米貿易交渉にも注目が集まる。 米国では、30 日に1-3 月期GDP 速報値が発表される。市場では、前期比年率0.4%と予想され ており、前期の2.4%からの減速が見込まれている。ただ、アトランタ連銀の予測モデル「GDP ナ ウ」では、現在、-2.2%。マイナス成長に転落した場合は、関税によるスタグフレーションへの 警戒感が高まることになるだろう。また、FRB がインフレ指標として注視しているPCE デフレー ターの3 月分も公表されるが、前年比2.2%と予想されており、2 月の2.5%からの伸び率鈍化が 見込まれている。さらに、週末5 月2 日には4 月の雇用統計が予定されているが、失業率予想は 4.2%と3 月と変わらずだが、非農業部門雇用者数は前月比12.3 万人と3 月の22.8 万人からの増 加幅減少が見込まれている。米国の物価や雇用情勢が予想通りだった場合、5 月6-7 日に開催さ れる米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、追加利下げ観測が高まりそうだ。CME グループが FF 金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示す追加利下げ時期は、6 月(4.00-25%)、 9 月(3.75-4.00%)、10 月(3.50-75%)となっている。 ユーロドルは、難航している欧米通商協議の行方に注目だが、年内の欧州中央銀行(ECB)理事 会での利下げ回数が2 回から3 回と予想される中で、ユーロ圏4 月の消費者物価指数(HICP)速 報値を見極める展開となるだろう。ECB はこれまで中立金利水準を1.75-2.25%としており、既に この上限に達しているが、当局は「概念的に重要だが政策決定には重要ではない」としている。
4 月21 日週の回顧
ドル円は、米中貿易戦争や日米財務相会談、FRB 議長解任などへの警戒感から139.89 円まで年 初来安値を更新したが、ベッセント米財務長官が「為替目標は議論しない」との見解を示したほ か、トランプ米大統領が対中関税の引下げを示唆。「FRB 議長解任の意図はない」とも発言すると 一時143.57 円まで買い戻された。なお、日米財務相会談では、為替目標への言及はなく、過度な 変動による経済への悪影響が再確認されるにとどまった。ユーロドルは、独政府が今年の成長見 通しをゼロに下方修正したこともあり1.1573 ドルから一時1.1308 ドルまで値を下げている。(了)
April 25, 2025
南ア、VAT 引き上げ撤回の影響注視
◆豪ドル、重要指標発表予定も関税相場は変わらず ◆豪ドル、週末の総選挙には警戒 ◆ZAR、VAT 引き上げ撤回で予算再編成などの政治的混迷が重し
予想レンジ
豪ドル円 88.00-93.00 円 南ア・ランド円 7.30-7.80 円
4 月28 日週の展望
豪ドルは、リスク許容度に敏感なため、来週も関税に関する報道で上下を繰り返すことになる。 今週に入り、トランプ米大統領は「対中関税は大幅に下がるだろう」と発言し、中国との関税合 戦を回避する姿勢を見せた。ただ、市場ではこの発言を完全に織込んではいない。対中赤字解消 や、米国への製造業回帰を目論んでいる米政府にとって、対中政策を弱腰の姿勢で臨むことは考 えにくい。仮に、対中政策で甘い対応を取った場合には、他国との交渉にも影響を与えることに もなり、今回の発言はあくまでも大幅に売られた米株や米債に対しての対策と受け止める市場参 加者が多いようだ。これまでも、トランプ大統領は対立軸を作ることで、支持率を獲得する方法 を繰り返してきている。バイデン政権という国内の対立軸への批判が賞味期限切れとなりつつあ る中で、中国という対立軸を失うことは難しい。リスク回避的な動きが継続されれば、豪ドルは 特に対円では重くなりそうだ。 来週は豪州国内では、30 日に3 月消費者物価指数(CPI)と1-3 月期CPI、5 月1 日に3 月貿 易収支、5 月2 日に3 月小売売上高、1-3 月期小売売上高、1-3 月期卸売物価指数(PPI)など、 通常であれば注目度が高い経済指標の発表が相次ぐ。ただ、豪州だけでなく世界中が米国の相互 関税の影響により、今後のインフレ動向が不透明であり、第1 四半期のインフレ指標等で反応す るのは難しいかもしれない。また、週末の5 月3 日には豪州の総選挙が行われる。直近の市場調 査では与党・労働党が僅差ながらリードしている。ただ、接戦になり、いずれの政党も単独で政 権樹立ができなければ、少数政党との連立が求められることになる。 南アフリカ・ランド(ZAR)は上値が限定的となりそうだ。ここ最近は、国内要因よりも国外要 因で左右する相場展開が続いてきた。ただ来週は、ゴドンワナ南ア財務相が5 月1 日に予定され ていた付加価値税(VAT)引き上げを突如撤回したことで、南アの予算問題と財務相の責任問題が 注目される。予算はVAT の引き上げ撤回により、これまで予定されていた支出の調整が不可避。 国民統一政府(GNU)は対応に追われることになるだろう。VAT 引き上げ撤回で民主同盟(DA)の 連立離脱は回避される見通しだが、GNU 内の予算再考で政治的混乱が続くだろう。なお、来週の 経済指標では、29 日に貿易収支、30 日に3 月月次財政収支が発表される予定。
4 月21 日週の回顧
豪ドルは対ドルではほぼ横ばい、対円では小幅高。豪ドル円は週前半にドル円の下げに連れて 90 円を割り込んだ。ただ、トランプ政権が対中関税の引き下げを示唆したほか、「パウエルFRB 議長を解任する計画がない」と発表し、米トリプル安回避のための発言が伝わると買い戻された。 ZAR は堅調。米国の中国への圧力緩和により、リスク選好の動きがZAR を支えた。3 月のCPI は 2020 年6 月のコロナウイルス・パンデミック以来となる水準まで低下したが、市場の反応は限ら れた。また24 日にはVAT 引き上げが撤回された。(了)
週間展望・回顧(ポンド、加ドル)
April 25, 2025
ポンド、関税相場のなか底堅い動きか
◆ポンド、米関税の影響が比較的に低く底堅く推移 ◆加ドル、米大統領がカナダ製自動車の関税引き上げを示唆 ◆加ドル、28 日のカナダ下院総選挙に注目
予想レンジ
ポンド円 187.50-193.00 円 加ドル円 101.00-105.00 円
4 月28 日週の展望
来週、英国内では注目の指標は予定されていない。ポンドは引き続き米関税関連のヘッドライ ンで上下するドルや円に左右される動きが見込まれる。関税相場の継続で市場のボラティリティ は高いままだが、市場では「米国での混乱を背景にポンドは市場変動から利益を得る好位置にあ る」と言う声も聞かれている。ほかの国と比べて英国は米関税の影響が比較的に低いエクスポー ジャーであることが要因として取り上げられている。 米関税をめぐり、リーブス英財務相は「米国との貿易協定締結は急いでいない」とし、「食品基 準で譲歩することはない」と明言した。米政権は英国に牛肉などの農産物の輸入規制緩和のほか、 製品に対する関税やその他の非関税障壁の削減を求め、自動車関税を10%から2.5%に引き下げ るように求めていると報じられた。米政権は英国からの輸入品に10%、自動車や鉄鋼などの主要 分野に25%と一律関税を課しているが、英国が米国の要求を全て受け入れた場合に、この一律関 税の引き下げや撤回を決めるかどうかは不透明だ。 来週、加国内では2 月GDP の発表が予定されている。カナダ中銀(BOC)は先週の会合で「米国 の関税措置の影響を見極めたい」とし、8 会合ぶりに政策金利の据え置きを決定したが、「経済が 大幅に悪化した場合は積極的な緩和策を取る準備ができている」とした。経済データが景気の悪 化を示す内容となれば、次回の6 月会合で利下げを再開するだけではなく0.50%と大幅利下げに 踏み切る可能性もある。トランプ米大統領は今週、カナダ製自動車に対する25%の関税を引き上 げる可能性に言及しており、関連のヘッドラインにも注目。 また、加ドルの動きに影響は限られると想定されるが、28 日には下院の総選挙が予定されてい る。世論調査によると、野党保守党は年明けに支持率で与党自由党を20 ポイントリードしていた が、最近では「対トランプ」で期待が高まる自由党に後れを取っている。関税政策などを巡って トランプ米政権との関係が冷え込むなか、金融の専門家で国際派のカーニー首相の人気が高まっ ている。3 月に首相に就任した後、最初の外遊先に英仏を選ぶなど対米依存の脱却に動く姿をア ピール。米国依存を減らして経済を再構築する必要性を訴えている。「トランプ米大統領に対抗で きる候補者選び」に有権者の関心が集まるなか、今週の世論調査では自由党の支持率が約44%、 保守党が約36%と、自由党が343 議席の過半数を獲得すると見込まれている。
4 月21 日週の回顧
今週はドル売りが一服。トランプ米大統領がパウエルFRB 議長の解任を否定し、対中関税の引 き下げを匂わせるなど強硬方針が軟化したことを受けて、米国の「トリプル安(株安・債券安・ 通貨安)」に巻き戻しが入った。ポンドドルは1.32 ドル前半まで上値を切り下げ、ドル/加ドル は1.39 加ドル台までドル高に振れた。対円ではドル円の切り