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May 19, 2025
16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに小反発。終値は145.70円と前営業日NY 終値(145.67円)と比べて3銭程度のドル高水準だった。5月米ミシガン大学消費者態度指数速報値は 50.8と予想の53.4を下回ったものの、同時に発表された1年先の期待インフレ率が7.3%上昇、5-10 年先が4.6%上昇といずれも予想を上回ったことから全般ドル買いが先行した。アジア時間に付けた 145.72円を上抜けると、1時過ぎに一時146.10円まで上値を伸ばした。主要通貨に対するドルの値動き を示すドルインデックスは一時101.26まで上昇した。
ただ、引けにかけては伸び悩む展開に。米関税措置を巡る3回目の日米交渉を来週に控えて、円安是正 議論への思惑が広がる中、146円台では戻り売りなどが出たようだ。米格付け会社ムーディーズが米国の 信用格付けを「AAA」から「AA1」に引き下げたことも相場の重し。
ユーロドルは反落。終値は1.1163ドルと前営業日NY終値(1.1187ドル)と比べて0.0024ドル程度の ユーロ安水準となった。米ミシガン大学が発表した期待インフレ率が予想を上回ったことを受けて全般 ドル買いが優勢となった。米長期金利が上昇に転じたこともドル買いを促し、前日の安値1.1170ドルを 下抜けて一時1.1131ドルまで値を下げた。
ただ、引けにかけては1.1166ドル付近まで下げ渋った。ムーディーズによる米国格下げがドル売りを 促した。
ユーロ円は続落。終値は162.64円と前営業日NY終値(162.97円)と比べて33銭程度のユーロ安水準。
独DAXが史上最高値を更新するなど、欧州株相場が堅調に推移したことを受けて、欧州市場では一時 163.11円と日通し高値を付けた。ただ、NY市場に入るとユーロドルの下落につれた売りが出たため、 162.53円付近まで下押しした。
本日の東京時間でドル円は、引き続き上値が重い展開になると予想される。先週は、ドル高・円安是正 議論への思惑が高まると、ドル円の上値が重くなった。その後、「米政府は貿易交渉の一部としてドル安 を模索してはいない」との一部報道が伝わると、ドルを買い戻すが動きがあったものの値動きは限定的だ った。更に16日には、台湾政府高官が「米国との貿易協議には、為替は含まれていない」と発言、鄭仁 教・韓国通商交渉本部長も「グリア米通商代表部(USTR)代表との協議で為替は取り上げられなかった」 と述べた。日本とともにドル高・自国通貨安是正が考えられる台湾・韓国両国が、為替協議を否定したの にもかかわらず、ドル円は買いで反応することもほぼなく、上値の重いセンチメントが示されている。
今週市場が注目するのは、20-22日にカナダのバンフで開かれる主要7カ国(G7)財務相・中央銀行 総裁会議。加藤財務相が「ベッセント米財務長官と来週のG7会合の場で為替協議を検討」と発言したこ とで、より注目度が増している。ただ、仮にドル高是正などについて話し合いが持たれた場合でも、日米 両財務相が公式にドル高是正を発表するのは時期尚早か。
先週に韓国企画財政部の報道官が「米韓通商交渉で為替について協議した」とも発言したが、前述のよ うに韓国通商交渉本部長はUSTR代表との為替についての協議は否定した。基軸通貨としてのドルの権威 が失墜しないように、ドル高是正が行われる場合も慎重に期す必要がある。ドル高是正を公表する場合は、 日米両国間だけでの発表ではなく、他国とも歩調を合わせて発表される可能性が高そうだ。なお、本日か ら日経新聞ではプラザ合意40年の特集記事がはじまっている。同紙の特集がドル高是正への地ならしと いう側面があるとの憶測もあり、今週のG7財務相・中央銀行総裁会議だけでなく、6月15-17日にカナ ダ・カナナスキスで予定されているG7サミットへ向けて、ドル高是正への思惑は拭えないだろう。
他の注目点としては、先週末のNY引けを前に米格付け会社ムーディーズが米国の信用格付けを「AAA」 から「AA1」に引き下げたことの影響を見定める必要がある。格付け会社の発表は、これまでも金曜日の NY引け間際ということもあり、発表された時間はサプライズではなかった。ただ、週末を前に流動性が 枯渇していることで、パニック的な動きにならないように、敢えて反応を控えた債券市場参加者もいるこ とが予想される。為替市場は早朝のオセアニア市場で小幅にドル安が進んだが、本日の時間外相場で米債 を売ることになるのかを確認する必要がありそうだ。
円以外では、ユーロの値動きにも注目。週末に行われた東欧ルーマニアでの、やり直しとなった大統領 選の決選投票では、親EU、親北大西洋条約機構(NATO)路線のダン候補の当選が確実になりつつある。第 1回投票では1位だった野党の極右政党、ルーマニア人統一同盟のシミオン党首が敗北を認めれば、欧州 圏の安定につながることでユーロの支えになりそうだ。
<国内>
○13:30 ◇ 3 月第三次産業活動指数(予想:前月比▲0.2%)
<海外>
○07:45 ◎ 1-3 月期ニュージーランド(NZ)卸売物価指数(PPI)
○11:00 ◎ 4 月中国鉱工業生産(予想:前年比5.7%)
○11:00 ◎ 4 月中国小売売上高(予想:前年比5.9%)
○18:00 ☆ 4 月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.2%)
○18:00 ☆ 4 月ユーロ圏HICP コア改定値(予想:前年比2.7%)
○18:30 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○21:30 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、あいさつ
○21:45 ◎ ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長、討論会に参加
○21:45 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○23:00 ◎ 4 月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲1.0%)
○20 日02:15 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、討論会に参加
○20 日02:30 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、質疑応答
○トルコ(青年とスポーツの日)、カナダ(ビクトリア・デー)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
16日08:44加藤財務相
「米韓協議についてはノーコメント」
「前回の協議で合意した点に基づき、ベッセント米財務 相と為替問題について協議」
16日09:45植田日銀総裁
「中央銀行の独立性は、物価安定実現のため重要」
「利上げ過程で赤字が発生しても、長期的には収益が 出てくる」
16日10:39赤沢経済再生相
「米国との次回閣僚協議の準備を進めている」
「昨日の関税タスクフォース会合では今後の交渉進め方 を議論した」
「農業を犠牲にした米国との通商合意はあり得ない」
「米関税措置、今後も新しいもの出てくること想定される 状況」
「1-3月期個人消費には米関税措置の影響出ているよ うにはみえない、今後統計など幅広く注意していく」
「米の日米貿易協定見直し報道、承知しているがコメン トしない」
「米関税措置、日米貿易協定との整合性に重大な懸念 があるとは従来から申し上げている」
16日11:43台湾行政院副院長
「米国との貿易協議には、為替は含まれていない」
16日13:07中村日銀審議委員
「金融政策については、当面は現状維持が適当」
「現時点では米国の関税政策の影響が広く懸念され、 企業業績や設備投資、賃上げの状況等を丁寧に把握し ていく必要がある」
「不確実性が極めて高くなっているので、経済の回復状 況に応じた慎重な金融政策運営が適当である」
16日14:16カザークス・ラトビア中銀総裁
「利下げを急ぐ必要はない」
「次回会合を巡る市場の織り込みは比較的適切」
「見通し通りならば、中立金利に接近していく」
「貿易を巡る緊張度合いは、緩和していく見通し」
「浅く短いリセッション(景気後退)に陥るリスクは残され ている」
16日15:02ビルロワドガロー仏中銀総裁
「通貨戦争に陥っているとは思わない」
16日15:17鄭仁教・韓国通商交渉本部長
「グリア米通商代表部(USTR)代表との協議で為替は取 り上げられなかった」
16日16:21ベッセント米財務長官
「対米直接投資誘致で異例の成果」
16日20:23シュレーゲル・スイス国立銀行(SNB)総裁
「スイスでリセッションは予想していない」
「我々は物価の安定を脅かすフランの過大評価を抑え るためだけに行動した」
「スイスは為替操作国ではない」
16日21:51トランプ米大統領
「今後数週間で関税率を設定する」
※時間は日本時間
極小陽線引け。145 円割れの水準で下げ一巡後は146 円台
に切り返すも定着できず。引けにかけて一目均衡表・転換線
付近まで値を戻すと、ほぼ十字線の足形で引けた。
3 日連続陰線の後での十字線となり、現在は攻防の分岐点
にあることを念頭に置くべき局面。雲が抵抗となった点を踏
まえると、16 日安値144.92 円を割り込むと基準線に向けた
下押しも想定される。仮に戻しても雲下限が重そうだ。
レジスタンス1 146.46(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 145.70
サポート1 144.92(5/16 安値)
サポート2 144.27(日足一目均衡表・基準線)

上影小陰線引け。前日に続いて一目均衡表・転換線付近で
は上値が重く、1.1131 ドルまで下押して雲の上限に迫った。
雲の上限は本日1.1115 ドルに位置、週半ばには1.1140 ド
ル前後に上昇見込み。本日は雲の上限を念頭に置いた取引か。
割り込むと12 日に付けた直近安値1.1065 ドルへの続落が見
込まれる。一方で底堅さを見せるようならば転換線超えを試
す展開もあるだろう。
レジスタンス1 1.1222(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.1163
サポート1 1.1065(5/12 安値)

陰線引け。163 円台前半の一目均衡表・基準線が抵抗とし
て意識されると、162 円台半ばまで下押し。3 手連続の陰線引
けとなった。
日足チャート上に三羽烏が出現しており、節目の162 円を
割り込むと次の目処は200 日移動平均線161.46 円だろう。
同線を明確に割り込むと下押しは深くなる公算である。仮に
戻しても基準線が上値を抑えそうだ。
レジスタンス1 163.10(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 162.64
サポート1 161.46(200 日移動平均線)

極小陰線引け。前日下落の流れを引き継いで下押したが93
円割れ水準では下げ渋った。3 手連続の陰線引け。
ほぼ十字線に近い足形を付けたことで、下げの一服か再開
かを見極める局面といえる。本日92.60 円台に切り上がった
一目均衡表・基準線を割り込むと、雲の上限91.69 円に向け
た続落が想定される。ただし、転換線93.93 円を回復する場
合は切り返す動きも想定しておきたい。
レジスタンス1 93.93(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 93.28
サポート1 91.69(日足一目均衡表・雲の上限)

