Titan FX(タイタンFX)

デイリーレポート 5月23日

May 23, 2025

【前日の為替概況】ユーロドル、4日ぶり反落ドル円は142.81円を底に144円台まで反発

22日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは4営業日ぶりに反落。終値は1.1281ドルと前営業日 NY終値(1.1331ドル)と比べて0.0050ドル程度のユーロ安水準となった。欧州時間発表の5月の仏・独・ ユーロ圏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を下回ったことを受けてユーロ売り・ド ル買いが進行。NYの取引時間帯に入ると、足もとで進んでいた米国の「トリプル安(株安・債券安・通 貨安)」を巻き戻す動きが活発化し、2時30分前に一時1.1256ドルと日通し安値を更新した。

米議会下院はこの日、トランプ米大統領の看板政策である大型減税を盛り込んだ法案を可決。米財政悪 化を巡る懸念から米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.6247%前後と2月12日以来の高水 準を付けたものの、NY終盤には4.52%台まで低下した。

ドル円は4日ぶりに反発。終値は144.01円と前営業日NY終値(143.68円)と比べて33銭程度のドル 高水準だった。日本時間夕刻に一時142.81円と7日以来の安値を付けたものの、同日の安値142.42円や 6日の安値142.36円がサポートとして働くと買い戻しが進んだ。21日(日本時間22日)の日米財務相会 談で「為替水準に関する議論」が見送られたことを受けて、円安是正の思惑が後退したことも相場を下支 えした。NY市場では5月米PMI速報値が予想より強い内容だったことが伝わり、円売り・ドル買いが優 勢に。米国株相場や米国債相場の持ち直しとともにドル買い戻しも優勢となり、2時30分前に一時144.33 円付近まで値を上げた。もっとも、東京時間につけた日通し高値144.40円がレジスタンスとして意識さ れると143.90円付近まで押し戻された。

なお、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議はこの日、「不確実性の高まりが世界経済や金融に 影響を与えるとの認識を共有」「2017年5月の為替相場コミットメントを再確認」とした共同声明を採択 して閉幕した。

ユーロ円は続落。終値は162.45円と前営業日NY終値(162.79円)と比べて34銭程度のユーロ安水準。 日本時間夕刻に一時161.81円まで売られた影響が残ったものの、NY市場に限れば下値の堅さが目立った。 ドル円の持ち直しに伴う円売り・ユーロ買いが出て、4時30分前に162.60円付近まで下げ幅を縮めた。

【本日の東京為替見通し】ドル高是正棚上げはトリプル安の影響もあるか、週末は日米関税協議

本日の東京時間でドル円は、中長期的なドル売りトレンドは継続されるものの、昨日の下げ幅をすべて 取り戻したことで、週末を前にした調整相場になりやすそうだ。ただ、政治的イベントを控えていること もあり、報道次第で再び急激に相場展開が変わるリスクがあることには警戒したい。

昨日は日米財務相会談で「為替水準に関する議論」が見送られたことで、一定のドル買い・円売りが出 た。ただ、米国が貿易不均衡解消を目指しているなかで、日本だけでなく韓国、台湾などは交渉のもち札 が少なく、不均衡解消を為替で行う(ドル高是正)という考えを拭い去ることはできないだろう。仮に、 一国の通貨だけでのドル高是正を行う場合でも、他通貨へ波及するなど問題が複雑化することで、アジア 数カ国の間で同時に是正を発表する可能性が高い。

また、ドル高是正を進める場合でも、現行の米トリプル安を促すのはタイミングが悪いこと、日本は7 月に参議院選挙、韓国は6月3日に大統領選挙を控えていることで、トリプル安に歯止めがかかり、両国 の選挙が終わるまで、もしくはある程度の見通しがつくまでは、ドル高是正の公表を棚上げするのかもし れない。一部では参院選前にはなるが、6月15-17日にカナダ・カナナスキスで予定されているG7サミ ットで合意されるとの憶測もある。

日本時間の24日に行われる第3回目の日米関税協議だが、赤沢経済再生相は「早期に合意することを 優先するあまり日本の国益を損なうものであってはならない」と述べ、ラトニック米商務長官も「日本と 韓国との交渉締結は早くはないだろう」と発言していることで、週末に合意を期待するのは難しそうだ。

ただ、警戒は怠らないようにしたい。市場では、先週の米韓関税交渉では、鄭仁教・韓国通商交渉本部長 が「グリア米通商代表部(USTR)代表との協議で為替は取り上げられなかった」と述べたこともあるよう に、赤沢氏も同様のコメントを述べることになるとの予想が多い。

なお、昨日はトリプル安の巻き戻しが入ったとはいうものの、引き続き米債の動きには注目したい。ト ランプ米大統領による大型の税制・歳出法案(「big,beautifulbill」)が昨日下院で共和党議員2人が 民主党議員とともに反対したが、賛成215票、反対214票で可決された。今後上院に送られ、上院は法案 の条項を承認または変更する機会を得ることになる。この法案が通過すれば、米国の債務は5.2兆ドル増 加し、来年度には財政赤字が約6000億ドル増加すると推定されている。同法案が今後の米債市場の動向 に否が応でも影響を与えることになるだろう。

本日は本邦から経済指標では、4月の全国消費者物価指数(CPI)が公表される。通常は、インフレ指 標の中でも最も注目度の高い同指標だが、トランプ関税の影響が今後のインフレ率に急激な変化をもたら す可能性があることで、同月の指標での市場の反応は限られるか。昨日野口日銀審議委員が「しばらくは むやみに動かず現状注視していくのが基本」と講演で述べたように、今後のインフレ進行度合いを見定め るまでは、日銀の政策変更も難しいだろう。

【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間

<国内>

○08:30 ☆ 4 月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比3.4%)

○08:30 ☆ 4 月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比3.0%)

○赤沢亮正経済再生相が訪米(3 回目の日米関税協議)

<海外>

○08:01 ◇ 5 月英消費者信頼感指数(Gfk 調査、予想:▲22)

○14:00 ◎ 4 月シンガポールCPI(予想:前年比0.8%)

○15:00 ☆ 1-3 月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済、予想:前期比0.2%/前年同期比▲0.2%)

○15:00 ☆ 1-3 月期独GDP 改定値(季節調整前、予想:前年同期比▲0.4%)

○15:00 ◎ 4 月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.3%/前年比4.5%)

○15:00 ◎ 4 月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.1%/前年比4.4%)

○15:45 ◇ 5 月仏消費者信頼感指数(予想:93)

○17:30 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演

○21:00 ◇ 4 月メキシコ貿易収支(予想:1.15 億ドルの黒字)

○21:30 ◎ 3 月カナダ小売売上高(予想:前月比0.7%/自動車を除く前月比▲0.1%)

○22:35 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、シュミッド米カンザスシティ連銀総裁、講演

○23:00 ☆ 4 月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲4.0%/69.5 万件)

○24 日01:00 ◎ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、講演

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

22日06:21ジョンソン米下院議長

「トランプ税制改革法案は本日21日夜または明日22日 午前に採決」

「メモリアルデー前に税制改革法案は成立すると確信」 22日07:08米財務省

「前回の会談と同様に為替の水準については議論され なかった」

「現時点でのドル円はファンダメンタルズを反映している との認識を再確認」

「為替レートは市場で決定されるべきとの共通認識を再 確認」

22日08:28加藤財務相

「G7では米関税措置の不確実性を減らしていくことなど を議論」

「米財務長官との協議では為替は市場で決まることを確 認」

「為替の過度な変動は経済に悪影響との認識も共有」

「米財務長官と為替水準については議論していない」

23日05:23

「G7では課題に関してかなり突っ込んだ議論ができた」

「共同声明にある以上の議論があったわけではない」

「G7は2017年の為替コミットメントを再確認」

22日10:35野口日銀審議委員

「今後も物価の基調が2%近傍で安定しつつあることを 慎重に見極めつつ、政策金利を調整していく」

「その調整においては、ほふく前進的なアプローチが重 要と考える」

「政策金利を一段階引き上げるごとに相応の時間をか けてその経済への影響を確認」

「2026年4月以降の国債購入方針はより長期的な視点 から検討する必要」

「バランスシートの縮小は十分な時間をかけて進めてい くことが可能であり、それが市場の安定にとっても望まし い」

「金融政策運営の基本スタンスは『上下リスクを含む経 済状況の進展を注意深く確認しつつ、慎重に政策調整 を進めていく』というものになるはず」

22日14:51

「国債買い入れの規模縮小は、ある程度当然」

「来年度以降の国債購入は、従来計画と大きく変えるこ とはおそらくない」

「しばらくはむやみに動かず現状注視していくのが基本」

「(経済・物価の見通し)思っていやより早く元の軌道に 戻る可能性もある」

22日12:52三村財務官

「日米間で為替水準の議論はしていない」

「為替相場はマーケットによって決定される」

「過度の変動や無秩序な動きは望ましくないとの認識を 再確認」

22日16:21ヴァルガ・ハンガリー中銀総裁

「関税交渉は依然として大きな不確実性に包まれてい る」

「労働市場の逼迫感が徐々に緩和し始めている」

「インフレとの闘いはまだ終わっていない」

「インフレ目標を達成するには、インフレ期待をしっかり と固定する必要」

22日17:36カラハン・トルコ中銀総裁

「主要な政策手段は1週間レポ金利であり、必要に応じ てバンドも活用」

「現在インフレリスクは上向き」

「中銀は政策金利を上回る資金供給も柔軟に実施可 能」

「最近の金融引き締めは利下げサイクル中に実施され たため、効果はより大きくなる」

「金融引き締めの影響で今後経済成長の減速がより顕 著になる見通し」

「成長鈍化はインフレ抑制を後押しする」

「年末のインフレ率は30%前後になるだろう」

「インフレは我々の想定通りに低下する見込み」

22日17:37アクチャイ・トルコ中銀副総裁

「外貨準備は最近の市場の混乱後、落ち着いた時期に 増加し始めており、今後も積み増しを続ける見通し」

「金融緩和への転換はデータ重視で判断し、速さについ ては断言できない」

22日17:42ブイチッチ・クロアチア中銀総裁

「ユーロ圏の成長はプラスだが低水準」

「2025年末にはインフレ目標の2%近くに到達する見通 し」

22日17:45ハウザー豪準備銀行(RBA)副総裁

「豪輸出業者は中国の需要の強さに引き続き自信を持 っている」

「中国企業による値引きでオーストラリア国内での競争 が一層激化する可能性」

22日20:15欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(4月 17日分)

「今回の会合で利下げを行うと前倒しと受け取られる可 能性があると指摘」

「ユーロ高や原油・ガス価格の下落、不確実性の高まり は短期的なインフレ見通しをさらに下押しする要因」

「中長期的にはインフレに対する上振れリスクも指摘」

「貿易ショックが短期を超えてインフレ要因となる可能性 が高いとする意見」

「インフレ率が中期的に目標へ戻るとの自信が高まって いるものの、政策判断は経済・金融データに基づき慎重 に進める姿勢が強調」

「メンバーは、中期的にインフレ率が目標水準に戻ると の自信を強めた」

「短期的にはディスインフレ圧力が優勢となる見通し」

「一部のメンバーは0.50%の利下げでも安心できたと指 摘」

「現行サイクルの最終地点が中立金利水準だと受け止 められることは避けたいと考えていた」

「ユーロは安全資産通貨へと変化しつつあるようだ」

22日20:32赤沢再生相

「日米協議で23-25日にワシントンを訪問する」

「引き続き一連の関税措置の見直し求める」

「米側の出席閣僚は現在調整中」

「4回目の閣僚協議含め進め方については予断もたな い」

22日21:40トランプ米大統領

「ビッグ・ビューティフル・ビル(BigBeautifulBill)がまもな く私のデスクに届けられるだろう」

23日02:20レビット米ホワイトハウス報道官

「トランプ米大統領はカナダでのG7会合に出席する」

「ガソリン価格は引き続き下落すると予想」

23日04:12マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総 裁

「G7の議論、関税に関する対話改善に焦点を当てた」

「G7の話し合いは総じて建設的だった」

23日05:21植田日銀総裁

「市場の動向はよく注意してみていく」

「短期的な金利の動向にはコメント差し控える」

※時間は日本時間

【日足一目均衡表分析】

<ドル円=144 円前半の基準線を念頭に置いた取引>

下影陽線引け。144 円前半の一目均衡表・基準線を超えた ところから失速し、142 円後半まで下落。もっとも一巡後は 再び144 円台を回復し、4 手ぶりの陽線引け。 基準線は144.20 円台に位置し、昨日に上下した水準では あるが、同線を暫く睨みながらの取引か。144.60 円台の21 日線をクリアに超えていくようだと、低下中の転換線や雲の 下限が控える145.60 円台も意識されそうだ。

レジスタンス1 144.66(21 日移動平均線)
前日終値 144.01
サポート1 142.81(5/22 安値)
サポート2 141.97(4/29 安値)

<ユーロドル=転換線から5/20 安値が支持帯か見極め>

陰線引け。1.13 ドル半ばで頭を抑えられ、1.13 ドル前半 の一目均衡表・基準線を下回って売り圧力を強めた。1.12 ド ル半ばで低下一服も、4 手ぶりの陰線引け。 基準線は昨日と同じ1.1319 ドルに位置し、目先のめどと して意識はしておきたい。下押すようだと1.1220 ドル台ま で上昇してきた転換線から20 日安値1.1218 ドル辺りが支持 帯となるかを見極めることになる。

レジスタンス1 1.1363(5/21 高値)
前日終値 1.1281
サポート1 1.1218(5/20 安値)

<ユーロ円=161 円台には重要な線が複数控える>

陰線引け。163 円半ばの一目均衡表・転換線が抵抗となり、 再び売りが優勢となった。161 円後半を底に162 円台に持ち 直すも、2 手連続の陰線引け。 昨日安値の下には161.40 円台に200 日線、161.30 円台に は雲の上限、161.10 円台に90 日線が位置している。支持と なり得る重要な線が下に控えており、突っ込み売りは避けた ほうが良さそうだ。

レジスタンス1 163.41(5/22 高値)
前日終値 162.45
サポート1 161.38(日足一目均衡表・雲の上限)

<豪ドル円=雲の上限を意識した展開か>

小陰線引け。21 日に続いて93 円手前での上値の重さを確 認すると、91.99 円まで下落して一目均衡表・雲の上限に迫 った。 本日も雲の上限は91.69 円に位置、同水準を巡る攻防の行 方に注目したい。割り込むと89 円後半の雲の下限まで目標 値が乏しいため、まずは心理的節目91.00 円が試されよう。 雲の上限で下げ渋るようなら、2 日連続で上伸を阻んだ93 円 乗せを試すことも考えられる。

レジスタンス1 92.94(5/21 高値)
前日終値 92.32
サポート1 91.69(日足一目均衡表・雲の上限)