Titan FX(タイタンFX)

デイリーレポート 5月29日

May 29, 2025

【前日の為替概況】ドル円、3日続伸米景気減速への過度な不安が和らぐ

28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。終値は144.84円と前営業日NY終値(144.33 円)と比べて51銭程度のドル高水準だった。昨日に公表された米経済指標が良好な結果となったことも あり、米景気減速への過度な不安が和らぐ中でドル買いが進んだ。欧州時間に144.00円付近で下値の堅 さを確認すると、米長期金利の上昇も相場の後押しとなり、1時前には145.08円と20日以来の高値を更 新。その後も高値圏で底堅く推移した。

なお、5月6日-7日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、貿易・関税政策による不 確実性やインフレの上振れリスクに言及したうえで、「インフレと経済活動の見通しがより明確になるま で待つのが適切」との見解が示された。ただ、目新しさを欠いたこともあって相場への影響は限られた。

ユーロドルは続落。終値は1.1292ドルと前営業日NY終値(1.1328ドル)と比べて0.0036ドル程度の ユーロ安水準となった。全般にドル買いが強まった流れに沿って、1時前には1.1284ドルまで売りに押 された。引けにかけても戻りの鈍い動きが続き、1.1290ドル前後でのもみ合いとなった。

ユーロ円は小幅に3日続伸。終値は163.55円と前営業日NY終値(163.54円)と比べて1銭程度のユ ーロ高水準だった。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが進み、一時163.91円まで値を上げた。 もっとも、ユーロドルが下落した影響も同時に受けたため、一方的に上昇する展開とはならず、昨日高値 の163.94円手前では伸び悩んだ。

【本日の東京為替見通し】ドル円、日米10年債利回り動向を見極めながら上値を模索する展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、日米10年債利回りを見極めながら上値を模索する展開が予想さ れる。

ニューヨーク市場のドル円は、米10年債利回りの上昇を受けて145円台まで上値を広げている。

本日は、米中が追加関税115%引き下げ合意を受けた12日の高値148.65円から27日の安値142.12円 までの下落幅の半値戻し145.39円や一目均衡表・基準線145.31円を念頭に置きながら買い戻しの射程 を見めることになる。

米10年債利回り上昇の背景としては、昨日、ウィリアムズ米NY連銀総裁が東京での講演で「インフレ が目標から乖離し始めた際に中央銀行は、比較的強力に対応しなければならない」と述べたこと、米連邦 公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、トランプ関税によりインフレが予想以上に持続するリスクが警戒さ れていたことなどが挙げられる。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッ チ」では、年内の利下げは9月と12月の2回となっているが、明日はFRBがインフレ指標として注視し ている4月のPCEデフレーターが発表される。

本邦10年物国債の利回りも高止まりしているが、背景には、昨日実施された40年利付国債入札で、応 札倍率2.21倍が2024年7月以来の低水準になるなど低調だったことが挙げられる。トランプ関税を巡 る不確実性や参議院選に向けた政府支出拡張懸念など、市場の警戒感は消えていない。

昨日公表された日本銀行の2024年度決算では、保有する国債を時価でみた評価損が過去最大の28兆 6246億円だった。植田日銀総裁は、かつて、「金利全般が1%上昇した場合、日銀が保有する国債の評価 損は約40兆円程度発生する」と述べていた。国債価格の下落は、約半分を保有する日銀だけでなく、機 関投資家の含み損を拡大させていくことになる。

不確実性の源泉となっている通商交渉に関するイベントとしては、本日は、欧州連合(EU)のシェフチ ョビッチ欧州委員(貿易・経済安全保障担当)と、ラトニック米商務長官およびグリア通商代表部(USTR) 代表が通商協議を行い、明日は、赤沢経済再生相とベッセント米財務長官が第4回日米通商交渉を行うこ とになっている。

米国とEU、日本との通商交渉に向けて、トランプ米大統領がSNSなどに、交渉が決裂した場合の関税 発動前倒しなどを投稿する可能性には警戒しておきたい。

【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間

<国内>

○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

○14:00 ◇ 5 月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:31.8)

<海外>

○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表(予想:2.50%に引き下げ)

○10:00 ◇ 5 月ANZ 企業信頼感

○10:30 ◇ 1-3 月期豪民間設備投資(予想:前期比0.5%)

○16:00 ◇ 4 月トルコ貿易収支(予想:120 億ドルの赤字)

○18:30 ◇ 4 月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比横ばい)

○21:30 ◇ 1-3 月期カナダ経常収支(予想:32.5 億カナダドルの赤字)

○21:30 ☆ 1-3 月期米国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比年率▲0.3%)

○21:30 ◎ 1-3 月期米個人消費(改定値、予想:前期比1.7%)

○21:30 ◎ 1-3 月期米コアPCE(改定値、予想:前期比3.5%)

○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.0 万件/189.4 万人)

○21:30 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演

○未定 ☆ 南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:7.25%に引き下げ)

○23:00 ◎ 4 月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比▲1.0%/前年比2.6%)

○23:40 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、質疑応答

○30 日01:00 ◇ EIA 週間在庫統計

○30 日02:00 ◎ 米財務省、7 年債入札

○30 日03:00 ◎ クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演

○30 日04:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演

○30 日05:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演

○赤沢経済再生相が訪米(6 月1 日まで)

○スイス、ノルウェー、スウェーデン(キリスト昇天祭)、休場

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

28日09:01植田日銀総裁(衆議院財務金融委員会)

「米中関税の合意は前向きな動き」

「関税政策が内外経済に及ぼす影響、様々な不確実性 残る」

「日米間含めて通商交渉は進行中、引き続き不確実性 高い」

「超長期金利の上昇は、注意してみていきたい」

「経済への影響は超長期より中期・短期の変動大きい」

「超長期金利の上昇が中期金利に及ぶ可能性に留意」

28日09:08ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁

「非常に持続的なインフレを容認したくない」

「インフレが目標から乖離し始めた際には、比較的強力 に対応することがそれを防ぐ方法だ」

「インフレ期待しっかり抑えられていること極めて重要」

28日09:17加藤財務相

「最近の国債利回り上昇の背後にある市場の懸念を認 識している」

「債券市場の動向を注視している」

28日11:00ニュージーランド準備銀行(RBNZ)声明

「コアインフレ率は低下している」

「金利見通し、今後少なくとも0.25%利下げあると示唆」

「インフレ率は目標レンジ内にあり、委員会は中期的な 物価安定を維持するため、国内外の動向に十分対応で きる体制」

「現状はインフレ率が中期的に1~3%の目標レンジの 中央値に戻ることを支持する環境」

「輸出価格の見通しに下振れリスクがあると指摘」

「米国による関税引き上げにより経済成長の回復が鈍 化する見通し」

「関税政策がニュージーランド経済にどのような影響を 及ぼすかについて不確実性が高い」

28日12:19ホークスビー・ニュージーランド準備銀行 (RBNZ)総裁

「政策金利は大幅に引き下げてきており、その効果はま だ経済全体に十分に浸透していないと認識」

「今後の金融政策については、経済指標や状況の変化 に応じて判断する方針」

「次回会合での方向性に明確なバイアスは持ってない」

「世界経済や貿易政策の不透明感が高い中、リスクを 慎重に見極めていく必要」

28日12:28コンウェイNZ準備銀行(RBNZ)チーフエコ ノミスト

「政策金利が3.25%となり、中立ゾーンに入った」

28日16:32日銀

「3月末の国債評価損は28兆6246億円、昨年3月末 は9兆4337億円」

「保有国債の評価損、2004年度以降で最大」

「3月末のETF評価益は32兆8712億円、昨年3月末 は37兆3120億円」

「24年度の為替差損は908億円、23年度は1兆3021 億円の差益」

29日00:56クノット・オランダ中銀総裁

「短期の成長・インフレには下向きのリスクがある」

「中期的なインフレ見通しはより不透明になっている」

29日03:00米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨 (5月6日-7日分)

「スタッフのインフレ予測は、3月の会合で準備された予 測よりも高くなった」

「経済活動は引き続き堅調なペースで拡大し、労働市場 も引き続き堅調」

「インフレ率はやや高止まりしていることを示している」

「これまでに発表された関税引き上げは予想よりも大幅 に規模が大きく、範囲も広範であったと評価」

「貿易政策の進展ならびに関連する経済効果の規模、 範囲、時期、持続性について、相当な不確実性が存在 する」

「主に関税引き上げの潜在的な影響を反映して、雇用と 経済活動に対する下振れリスク、およびインフレに対す る上振れリスクが高まっていると判断」

「インフレ率は2022年のピーク以降大幅に緩和したも のの、委員会の2%の長期目標と比較すると依然として やや高い水準にある」

「インフレと経済活動の見通しがより明確になるまで待 つのが適切」

「一連の政府政策変更の純経済効果がより明確になる までは、慎重なアプローチを取ることが適切であるとの 認識で一致」

「今後入手するデータ、変化する見通し、そしてリスクの バランスを慎重に評価することで合意」

※時間は日本時間

【日足一目均衡表分析】

<ドル円=拡張的レンジを軸に振れつつも戻り試す展開想定>

陽線引け。低下傾向中の一目均衡表・転換線144.11 円や 同・雲の下限143.91 円を追うように下押しが先行した。一時 143.85 円まで下落している。 しかし同水準から持ち直し、20 日以来の145 円台回復を果 たす場面もあった。本日143.84 円に低下した転換線や、雲の 下限143.83 円を再び追うような展開は回避できそう。ここ からは、上昇余地を残す一目・基準線145.31 円と、低下傾向 の転換線と雲の下限に挟まれた拡張的なレンジを軸にやや 荒っぽく振れつつも、上値の基準線前後をめどに戻りを試す 展開が想定しやすい。

レジスタンス2 146.10(5/16 高値)
レジスタンス1 145.55(5/19 高値)
前日終値 144.84
サポート1 144.10(ピボット・サポート1)

<ユーロドル=遅行スパンの下放れ今のところ回避>

小陰線引け。一目均衡表・遅行スパンは同指標付近のロー ソク足(実線)を下回る売り示唆の状態が続いている。しか し実線からの大きな下放れは今のところ回避。相場は上昇傾 向の一目・転換線を維持する一定の底堅さを保った状態にあ る。転換線の動きに沿った戻りも期待できそう。転換線を割 り込んで、低下余地を残す一目・基準線1.1245 ドルに近づく 流れとなっても、緩やかな低下にとどまりそうな同線の動き に沿う比較的落ち着いた推移にとどまると予想される。

レジスタンス1 1.1352(5/26-28 下落幅の半値戻し)
前日終値 1.1292
サポート1 1.1218(5/20 安値)

<ユーロ円=下押すも、基準線付近で下げ渋る>

極小陽線引け。一時163.08 円へ下押したものの、一目均衡 表・基準線163.15 円を多少割り込んだだけの同水準で下げ 渋った。戻りは前日高値163.94 円の手前にとどまり気迷い 気味の足型を形成したが、基準線を再び割り込んで下押しが 進んでも、一目・転換線162.52 円がサポートとして控えてお り、一定の底堅さは維持できそうだ。

レジスタンス1 164.07(5/15 高値)
前日終値 163.55
サポート1 162.52(日足一目均衡表・転換線)

<豪ドル円=転換・基準線交差するレンジで方向性を見極め>

小陽線引け。一目均衡表・転換線92.75 円が同・基準線を 下回り売り示唆となるなかでも、底打ちした基準線へ近づく ような底堅さを維持した。本日93.10 円へ切り上がった基準 線前後の推移が続くか。基準線への連れ高か、転換線方向へ 下押すか、両線が交差したレンジ付近で見極める局面となる。

レジスタンス1 93.85(5/20 高値)
前日終値 93.10
サポート1 92.45(5/23-28 上昇幅の半値押し)