Titan FX(タイタンFX)

デイリーレポート 5月30日

May 29, 2025

【前日の為替概況】ドル円、4日ぶり反落米関税政策の先行きに関する不透明感が根強い

29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反落。終値は144.21円と前営業日NY終 値(144.84円)と比べて63銭程度のドル安水準だった。米関税政策の先行きに関して不透明感が根強い こともあり、アジア時間に進んだドル買いの動きが巻き戻された。この日発表された米経済指標が全般に さえない結果となったことも相場の重しとなり、米長期金利の低下とともに3時過ぎには143.96円まで 下押しした。

なお、トランプ米政権は米国際貿易裁判所によるトランプ関税の一部差し止め命令に対して即日控訴。 NY時間の午後には連邦巡回控訴裁判所がトランプ政権の申請を受けて、米国際貿易裁判所の差し止め命 令を一時停止する判断を下したと伝わった。

ユーロドルは3営業日ぶりに反発。終値は1.1370ドルと前営業日NY終値(1.1292ドル)と比べて 0.0078ドル程度のユーロ高水準となった。全般にドルの売り戻しが強まった流れに沿って、一時1.1385 ドルまで上値を伸ばした。また、NY時間にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がトランプ米大統領 と会談を行ったとの報道が伝わったが、FRB議長が「政策軌道は最新のデータと見通し次第」と説明した ことに対し、米大統領は「金利を引き下げないのは間違い」と従来の主張を繰り返したようだ。

ユーロ円は4日続伸。終値は163.92円と前営業日NY終値(163.55円)と比べて37銭程度のユーロ高 水準だった。ドル円の失速につれて163.35円まで売りに押される場面があったものの、ユーロドルが上 昇した影響も受けたため、その後は164.03円付近まで反発。もっとも、164円台の定着に失敗すると163 円台後半でのもみ合いに転じた。

【本日の東京為替見通し】ドル円、日米のインフレ指標を見極める展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、全国5月の消費者物価指数の先行指標となる5月東京都区部CPI を見極め、今夜発表される米4月PCEデフレーターを待つ展開となる。

昨日のドル円は、米国際貿易裁判所(共和党政権指名判事3名対民主党政権6名)によるトランプ関税 の一部差し止め命令を受けて146.28円まで上昇したが、トランプ米政権が即日控訴し、連邦巡回控訴裁 判所が差し止め命令を一時停止する判断を下したことなどで、144円割れまで反落している。今後もトラ ンプ関税に関するヘッドラインに警戒しておきたい。

差し止め命令に関しては、連邦最高裁判所(共和党政権指名6名対民主党政権3名)の判断に委ねられ ることも考えられる。

8時30分に発表される5月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)は、前年比+3.5% と予想されており、4月の同比+3.4%からの上昇が見込まれている。全国5月のコアCPI(生鮮食品を除 く)の先行指標となるため、予想通りに上昇していた場合は、日銀の早期利上げ観測が高まることになる。 翌日物金利スワップ(OIS)市場が織り込む日銀の追加利上げ時期は、先日の日銀金融政策決定会合で のハト派的据え置きを受けて、今年10月以降まで先延ばしされている。

昨日、トランプ米大統領が就任後初めてパウエルFRB議長と会談し、改めて利下げを要請した。先日、 植田日銀総裁は「足もとの物価上昇、ユーロ圏や米国より高くなっている」と述べたが、日本のインフレ 率は最高で、政策金利は最低となっている。

《総合消費者物価指数》 《政策金利》

・日本銀行(BOJ):+3.5% 0.50%

・米連邦準備理事会(FRB):+2.3% 4.25-50%

・欧州中央銀行(ECB): +2.2% 2.40%

・イングランド銀行(BOE):+3.5% 4.25%

・カナダ銀行(BOC):+1.7% 2.75%

・豪準備銀行(RBA):+2.4% 3.85%

・NZ 準備銀行(RBNZ):+2.5%(Q4) 3.25%

ちなみに、今夜発表される4 月の米PCE デフレーターは前年比+2.2%と予想されており、3 月の同比 +2.3%からの伸び率の鈍化が見込まれている。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視して いる指標がインフレ目標2%に接近しつつあることで、明朝に予定されているデイリー米サンフランシス コ連銀総裁の講演での言及に注目することになる。

【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間

<国内>

○08:30 ◎ 4 月完全失業率(予想:2.5%)

○08:30 ◎ 4 月有効求人倍率(予想:1.26 倍)

○08:30 ◎ 5 月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合、予想:前年比3.5%)

○08:50 ◎ 4 月鉱工業生産速報(予想:前月比▲1.4%/前年比0.1%)

○08:50 ◇ 4 月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比3.1%)

○14:00 ◇ 4 月新設住宅着工戸数(予想:前年比▲18.3%)

○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)

<海外>

○09:25 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、あいさつ

○10:30 ◎ 4 月豪小売売上高(予想:前月比0.3%)

○10:30 ◎ 4 月豪住宅建設許可件数(予想:前月比3.0%)

○15:00 ◎ 4 月独小売売上高(予想:前月比0.2%/前年比▲1.8%)

○15:00 ◎ 1-3 月期スウェーデン国内総生産(GDP、予想:前期比0.1%)

○16:00 ◇ 5 月スイスKOF 景気先行指数(予想:98.4)

○16:00 ◎ 1-3 月期トルコGDP(予想:前年比2.3%)

○16:00 ◇ 4 月トルコ失業率

○16:30 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演

○17:30 ◎ パネッタ伊中銀総裁、講演

○19:30 ☆ 1-3 月期インドGDP(予想:前年同期比6.7%)

○21:00 ◎ 5 月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.1%/前年比2.0%)

○21:00 ◎ 4 月南アフリカ貿易収支(予想:178 億ランドの黒字)

○21:00 ☆ 1-3 月期ブラジルGDP(予想:前期比1.4%/前年同期比3.2%)

○21:00 ◇ 4 月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.55%)

○21:30 ☆ 3 月カナダGDP(予想:前月比0.1%/前年比1.6%)

☆ 1-3 月期カナダGDP(予想:前期比1.7%)

○21:30 ◎ 4 月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.2%)

◎ 4 月米個人所得(予想:前月比0.3%)

☆ 4 月米PCE デフレーター(予想:前年比2.2%)

☆ 4 月米PCE コアデフレーター(予想:前月比0.1%/前年比2.5%)

○21:30 ◇ 4 月米卸売在庫(予想:前月比0.4%)

○22:45 ◎ 5 月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:45.0)

○23:00 ◎ 5 月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:51.0)

○31 日05:45 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

29日07:01ホークスビー・ニュージーランド準備銀行 (RBNZ)総裁

「変化に対応する体制は整っている」

「金利は中立水準に近い」

29日14:31加藤財務相

「足下の市場で超長期金利が大きく上昇した」

「市場を意識した財政運営が求められている」

「経済の再生を図りながら、財政の健全化を目指す」

「G-7会議では、関税に関して建設的な議論が行われ た」

「ベッセント米財務長官と為替水準に関して議論しなか った」

29日14:45赤沢経済再生相

「日米双方の利益となる合意実現に向けて協議する」

「引き続き米関税措置の見直しを求める」

「米裁判所の判断の協議への影響は予断を持って答え ることは控える」

29日21:21ハセット米大統領経済諮問委員会(CEA) 委員長

「関税に関する裁判所の決定は覆されるだろう」

「トランプ政権は関税について様々な選択肢を持ってい る」

「関税への裁判所判断は貿易協定に影響しない」

「今後数週間でさらなる貿易協定の締結を見込む」

29日22:17南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)声 明

「2025年のCPIは3.2%と予測、前回の3.6%から下方 修正」

「基礎的なインフレは抑制されている」

「ランドを巡る環境は3月から落ち着いた」

「1人のメンバーが50bpの利下げを主張」

29日22:38石破首相(日米首脳電話会談後に)

「米国の関税措置に関する日米協議について意見交 換」

「必要ならサミット前に訪米する可能性も」

29日23:54グールズビー米シカゴ連銀総裁

「合意などによって関税が回避されれば、金利が下がる 状況に戻る可能性がある」

30日00:04ベイリー英中銀(BOE)総裁

「貿易と金融サービスにおけるEUとのより緊密な連携 を期待」

「非関税障壁の削減によって、我が国の金融市場の開 放性を高めることにはメリットがある」

「マネー・マーケット・ファンドの耐性強化に向けて、英国 とEUの中央銀行間の緊密な協力が継続されることを 期待」

「英国とEU間の貿易再建に向けた現英国政府の取り 組みは歓迎すべき一歩」

30日02:37レビット米ホワイトハウス報道官

「トランプ米大統領は、パウエル米FRB議長に対し金利 を引き下げないのは間違いだと言った」

「貿易政策のほかの手段を検討中」

「大統領は関税に関してほかの権限を持っている」

「米国の貿易政策は継続する」

※時間は日本時間

【日足一目均衡表分析】

<ドル円=基準線・転換線レンジから戻り試すも押し戻される>

上影陰線引け。わずかだが上昇余地を残す一目均衡表・基 準線145.31 円を上抜く格好で、146.28 円まで上昇が先行し た。しかし押し戻され、一目・転換線144.20 円近辺でNY を 引けている。 転換線と、基準線に挟まれたレンジを軸とした荒っぽい動 き。上値を試して押し戻された反動でさらに下値を探る流れ も想定でき、一目・雲の下限143.76 円の下抜けを試す展開も 視野に入れて臨みたい。

レジスタンス2 145.67(ピボット・レジスタンス1)
レジスタンス1 145.12(5/29 レンジ半値水準)
前日終値 144.84
サポート1 143.08(5/26 高値)

<ユーロドル=回復した転換線は強い支えにならない可能性>

下影陽線引け。下振れ先行で19 日以来、10 日ぶりの安値 1.1210 ドルまで一時下落が進んだ。しかし持ち直し、一目・ 遅行スパンは同指標付近のローソク足終値(実線)を下回っ ているものの実線から大きく下放れたまま引ける事態は回 避している。気になるのは回復した一目・転換線は本日 1.1315 ドルへ切り上がったところで頭打ちとなる可能性が ある点。下押し局面で強い支えにならない可能性があり、不 安定な推移は続きやすいとみる。

レジスタンス1 1.1440(4/23 高値)
前日終値 1.1370
サポート1 1.1298(5/29 レンジ半値水準)

<ポンド円=転換線からの下放れは回避できるか>

上影陰線引け。一時196.32 円と14 日以来、2 週間ぶり以 上となる196 円台回復が先行した。しかし押し戻され、本日 朝方は194.58 円前後で推移する5 日移動平均線を下回る動 きとなっている。ただ、下値に控える上昇傾向の一目均衡表・ 転換線194.11 円付近から大きく下放れるような展開は回避 できるとみる。

レジスタンス1 195.31(5/29 レンジ半値水準)
前日終値 194.55
サポート1 193.59(5/22-29 上昇幅の61.8%押し)

<NZ ドル円=レンジ上限が切り上がり転換線は上昇傾向に>

上影陰線引け。87.01 円まで上昇が先行した。押し戻され たが足もとのレンジ上限が切り上がった影響で、一目均衡 表・転換線は現水準85.81 円から今後上昇傾向をたどる公算。 緩やかながら一目・基準線85.97 円とともに切り上がってい く流れが見込まれ、底堅い推移を示唆している。

レジスタンス1 87.01(5/29 高値)
前日終値 86.03
サポート 1 85.19(5/27安値)