Titan FX(タイタンFX)

ウィークリーレポート 2025年5月30日

週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円)

May 30, 2025

ドル円、米関税巡る不透明感強い

◆ドル円、トランプ関税を巡る不透明感から上値重い ◆ドル円、米雇用統計など重要指標相次ぐ ◆ユーロドル、方向感なくドルに振らされる展開

予想レンジ

ドル円 141.00-146.00 円 ユーロドル 1.1150-1.1600 ドル

6 月2 日週の展望

ドル円は、米関税政策を巡る不透明感が根強いことから上値の重い展開が想定される。米国際 貿易裁判所が4 月2 日の「解放の日」にトランプ米大統領が発表した相互関税を差し止めたこと を受けて、29 日の東京市場では株高・ドル高が進んだが、海外時間に入ると一転してドル売りが 優勢となった。トランプ政権が即日に控訴するなど一歩も引かない姿勢を示しており、最終的に は連邦最高裁判所の判断に委ねられる可能性があるが、判決が下されるまでには相当時間がかか りそうだ。また、裁判所の差し止めにどの程度まで拘束力があるのかどうかは現時点では不透明 であるうえ、鉄鋼・アルミニウム、自動車に賦課された関税には影響が及ばないため、仮に差し 止めとなったとしても関税問題を巡る懸念が払しょくされず、ドルを積極的に買いづらいだろう。 ドル円の上値を抑える要因としては、日銀の利上げ観測が再び意識されていることもある。日 銀が発表した4 月の全国消費者物価指数(CPI)に基づく基調的なインフレ率を捕捉するための指 標は刈込平均値・加重平均値・最頻値ともに前月から上昇する結果となった。植田日銀総裁が見 通し実現を前提に「継続して政策金利を引き上げる」と改めて述べたこともあり、再び日銀の早 期利上げ観測を囃す声が出始めているのは確かだ。 来週は6 月2 日に5 月ISM 製造業景況指数、6 月3 日に4 月JOLTS 求人件数、6 月4 日に5 月 ADP 雇用統計や5 月ISM 非製造業景況指数、6 月6 日には5 月雇用統計など米重要指標が相次ぐ。 今週は弱い指標が目立ったこともあり、指標結果には警戒が必要だろう。 ユーロドルは引き続き神経質な動きとなるだろう。根強いドル先安観が引き続き下値を支える ことになるが、欧州連合(EU)と米国との関税協議を巡る不透明感も根強く、上値も限られそう だ。米雇用統計をはじめ米重要指標の結果を受けたドルに振らされる展開が想定される。米指標 の他にも来週は6 月2 日に欧州各国の5 月製造業PMI 改定値、6 月3 日に5 月ユーロ圏HICP 速報 値、6 月5 日に5 月サービス部門PMI 改定値の発表が予定されている。

5 月26 日週の回顧

ドル円は荒い値動き。週前半に日銀総裁のタカ派発言を受けて142.12 円まで下げる場面があっ たが、財務省が国債発行計画を見直すとの思惑から本邦金利が低下すると買い戻しが優勢に。米 裁判所が米相互関税を違憲と判断すると買いが加速。一時146.28 円まで買い上げられた。ただ、 不透明感も根強く一巡後は一転して143.75 円売り込まれている。 ユーロドルは一進一退。米大統領がEU への50%関税賦課を従来通り7 月9 日までに期限を戻 したことで一時1.1419 ドルまで上げたが、ドル円が買い戻されると一転して売りが優勢に。一時 1.1210 ドルまで下げる場面があったが、その後は再び1.1385 ドルまで値を上げている。(了)

May 30, 2025

NZ ドル、中銀総裁は追加利下げに慎重姿勢

◆豪ドル、外部要因次第の展開が継続 ◆NZ ドル、RBNZ 総裁は追加利下げに慎重姿勢 ◆ZAR、SARB は新たなインフレ目標を検討

予想レンジ

豪ドル円 91.00-96.00 円 南ア・ランド円 7.90-8.35 円

6 月2 日週の展望

豪ドルは神経質な動きが予想される。来週は6 月3 日に1-3 月期経常収支や5 月19-20 日開催 分の豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨が公表されるほか、6 月4 日に1-3 月期国内総生産(GDP)、 6 月5 日に4 月貿易収支の発表が予定されている。RBA 議事要旨や四半期GDP などの重要イベント が控えているものの、足もとの豪ドル相場は豪ドル独自の材料で動くことは少なく、米関税政策 などを巡る市場全般のリスク志向に左右されている。来週も基本的には外部要因に振らされるこ とになるだろう。また、クロス円に関しては本邦財務省による国債発行計画の行方や長期金利の 動向にも注目が集まっており、円相場を動意づける材料として引き続き注意しておきたい。 隣国のニュージーランド(NZ)では、NZ 準備銀行(RBNZ)が市場予想通りに0.25%の利下げを 決定。RBNZ が示したフォワードガイダンスによると、年末までに金利は2.92%まで低下する見通 しとなっており、2 月時点の3.14%から下方修正された。新たな予測に基づくとRBNZ は年内にあ と1 回の利下げ余地を残していることになる。 ただ、ホークスビーRBNZ 総裁はその後の会見で「政策当局は必ずしも更なる引き下げに傾いて いるわけではなく、次回会合での方向性に明確なバイアスは持っていない」「金利は中立水準に近 い」などと述べており、追加利下げについては慎重な見方を示している。RBNZ による金融緩和サ イクルの終わりが近づいているのかどうか、今後は当局者の発言や経済指標の動向などを確認し ながら注意深く見極めていく必要があるだろう。 南アフリカ・ランド(ZAR)も神経質な動きが予想される。米関税政策を巡る不透明感から市場 全般のリスク選好の行方も定まっていないため、ZAR は来週以降も関連報道などに振らされる不 安定な展開となるだろう。 なお、南ア準備銀行(SARB)は今週の金融政策決定委員会(MPC)で0.25%の利下げを決定し た。SARB は成長・インフレ見通しを下方修正したほか、インフレ目標に関して現在の3-6%は「高 すぎると同時に範囲が広すぎる」として、現在の目標レンジ下限に相当する3%のインフレ目標 を掲げるシナリオも検討したことが明らかになった。このシナリオでは政策金利は現状のベース ラインのように7%を上回る水準を維持するのではなく6%弱に低下するとしており、今後設定さ れる新たなインフレ目標の下で追加緩和が進む可能性もありそうだ。

5 月26 日週の回顧

豪ドルは対ドル・対円でともに方向感を欠いた。ドルや円相場など外部要因に振らされる展開 となったが、週を通じて方向感は定まらず、神経質に上下に振れた。ZAR は底堅い展開となり、 対ドルでは昨年12 月以来のZAR 高水準を更新。対円でも値幅は限られたものの、徐々に下値を切 り上げる動きとなった。(了)

週間展望・回顧(ポンド、加ドル)

May 30, 2025

ポンド、貿易協定に関する英米協議を注視

◆ポンド、貿易協定に関する英米協議を注視 ◆加ドル、BOC会合や5月雇用統計に注目 ◆加ドル、裁判所判断へのトランプ政権の対応に注意

予想レンジ

ポンド円 192.00-197.00 円 加ドル円 102.50-106.50 円

6月2日週の展望

ポンドは、英米貿易協定に関する報道を注視しながらの取引となりそうだ。来週前半にパリで経済協力開発機構(OECD)の閣僚級会合が開かれる。英国からはレイノルズ・ビジネス貿易相が出席し、米国側代表と関税削減の発効時期について話し合うもよう。今月初めに英米が締結した協定では、英国製自動車の輸出について、年間10万台までの関税を27.5%から10%に引き下げるとされた。また米国は、英国からの鉄鋼・アルミニウムに対する25%関税の撤廃も約束。しかし実際に発効はされておらず、英自動車、鉄鋼メーカーは混乱している状況だ。 英国側の懸念材料としては、米国内の事情で協定通りの恩恵を受けられるか不透明感が高まってきたこと。米国の国際貿易裁判所は今週、トランプ関税の多くの部分を違法と判定し、大統領権限を越えたと判断した関税の差し止めを命じた。ただし、この裁定は別の通商法で課された「自動車や鉄鋼・アルミニウム」への関税には影響しない。トランプ米大統領が推す大規模な減税法案は、その財源の1つとして関税収入が念頭に置かれている。司法判断を巡るトランプ政権の対応は今後注目だが、裁判所命令の範囲外の「自動車などへの関税」は、財源確保のために維持しておきたいところ。レイノルズ貿易相の交渉は難しくなることが予想される。 なお、英国からの経済指標は5月購買担当者景気指数(PMI)が予定されているものの、改定値であるため、速報値から大きく振れない限りは相場の動意に繋がらないだろう。 加ドルも、前述した米国際貿易裁判所の決定を受けたトランプ政権の動きに注意を払っておきたい。薬物の流入を理由とした中国やメキシコ、カナダへの追加関税の差し止め命令は、加ドルにとってポジティブ。だが、政策の核としてきた関税を停止させられたトランプ米大統領が、次に何を言い出すか分からないという不安は市場に根強く存在している。 6月4日のカナダ中銀(BOC)会合も注目材料。4月消費者物価指数(CPI)のコア指数が加速したことで、早期利下げ見込みが大きく後退。短期金融市場では、BOCは0.25%追加利下げを9月まで待つ(6、7月会合は据え置き)という見方も広まってきた。市場予想が分かれており、結果に対する加ドルの動きも値幅を伴った荒い動きとなりそうだ。また週末の6月6日には、5月雇用統計が発表予定。こちらは前回6.9%まで悪化した失業率の動向がポイントの1つとなる。

5月26日週の回顧

ポンド円は19円半ばを底に買いが先行し、196円前半まで上昇。財務省の国債発行見直し検討報道やトランプ関税の差し止めが伝わると上値を伸ばした。ただ、一巡後は194円前半まで上げ幅を縮めた。加ドル円も103円半ばから105円半ばまで上昇後、104円台で伸び悩んだ。 ポンドドルは2022年2月以来の高値を週初に更新するも、1.36ドルの手前で頭を抑えられた。トランプ関税への裁判所判断でドル高が全般進んだ場面では、1.34ドル前半まで下押した。加ドルは対ドルで、1.36加ドル後半から1.38加ドル半ばまで加ドル安に振れた。(了)