Titan FX(タイタンFX)

デイリーレポート 6月2日

June 2, 2025

##【前日の為替概況】ドル円、続落米中貿易摩擦の再燃を懸念

30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は144.02円と前営業日NY終値(144.21円) と比べて19銭程度のドル安水準だった。トランプ米大統領が「中国は米国との合意に違反した」と発言 し、中国に対して厳しい措置を取る可能性を示唆すると、米中貿易摩擦が再燃するとの懸念から143.48 円付近まで売りに押された。ただ、アジア時間につけた安値143.44円が目先のサポートとして意識され ると次第に買い戻しが強まり、24時前には144.44円まで反発。その後は米10年債利回りの上昇が続か なかったほか、米政権の関税政策に対する不透明感が根強いこともあって再び伸び悩み、143円台後半か ら144.00円近辺でのもみ合いに転じた。

なお、トランプ米大統領は中国が合意にどのように違反したのか、中国に対してどのような措置を取る のかなどの詳細については言及していない。

ユーロドルは反落。終値は1.1347ドルと前営業日NY終値(1.1370ドル)と比べて0.0023ドル程度の ユーロ安水準となった。トランプ米大統領の発言を受けてドル売りが一時進んだ場面では1.1350ドル台 まで上昇。その後にいったんは1.1313ドルの本日安値をつけたが、米政策の先行き不透明感を手掛かり にしたドル売りが相場を支え、2時30分過ぎには1.1367ドル付近まで切り返した。

ユーロ円は5営業日ぶりに反落。終値は163.46円と前営業日NY終値(163.92円)と比べて46銭程度 のユーロ安水準だった。アジア時間からリスクオフの流れが続き、米大統領の発言が伝わった直後には 162.81円まで下押しした。ただ、その後はドル円と同じく一転して買い戻しが優勢となり、163.80円台 まで反発。24時以降は163.20円台まで再び押し戻されるなど荒い値動きとなった。

【本日の東京為替見通し】ドル円、トランプ政策不安で上値は重いか

本日の東京市場ではドル円の動意につながりそうな経済指標の発表や注目のイベントは予定されてお らず、日本株や日米長期金利の動向に睨んだ動きが見込まれる。

なお、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事の講演が予定されているが、講演内容が相場の動きに影 響を与える可能性は低いか。同氏は4月下旬にインタビューで、関税が7月より前に経済に大きな影響を 与えるとは考えていないと強調し、トランプ米政権の関税政策によるインフレへの影響は一時的なもの にとどまる可能性が高いとの見解を示している。

東京タイムで注目材料は乏しいが、トランプ米政権の政策に対する不安で、ドル円は上値の重い動きを 予想する。トランプ米大統領は先週末に輸入される鉄鋼とアルミニウムに課す追加関税を2倍の50%に 引き上げる計画を表明し、4日から実施されると見込み。鉄鋼関税の引き上げは貿易戦争をさらに激化さ せる可能性がある。

また、トランプ大統領は中国が相互関税引き下げのほか重要鉱物の取引に関する合意に違反したと主 張し、中国に厳しい措置を取る可能性を示唆。トランプ氏は投稿で、自身が中国に一時課した超高率の追 加関税によって「中国は深刻な経済危機に陥った」と指摘し、中国を「救済」するために大幅に関税を引 き下げたと説明した。未だに信用力の発言を繰り返しており、トランプ米政権の信認は大きく低下してい る。

先月末に4回目の日米関税交渉が行われ、赤沢再生相は「合意に向けた議論が進展している」と語った が、「進展」の具体的な中身については言及せず、6月中旬に予定される日米首脳会談の前に改めて閣僚 間で協議する意向を明らかにした。日米協議での円安是正への警戒感が払しょくされていないこともド ル円の重し。ただ、ドルにも売り疲れも出ているもようで、一途にドル売りが加速する地合いにもなりに くく、ドル円の神経質な動きが続くか。

【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間

<国内>

○08:50 ◇ 1-3 月期の法人企業統計調査(法人季報、ソフトウェアを含む設備投資額、予想:前年比3.8%)

<海外>

○09:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演

○15:00 ◇ 5 月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比横ばい)

○15:30 ◇ 4 月スイス小売売上高

○16:00 ◎ 1-3 月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比0.3%/前年比1.6%)

○16:00 ◇ 5 月トルコ製造業購買担当者景気指数(PMI)

○16:30 ◇ 5 月スイス製造業PMI(予想:48.0)

○16:50 ◎ 5 月仏製造業PMI 改定値(予想:49.5)

○16:55 ◎ 5 月独製造業PMI 改定値(予想:48.8)

○17:00 ◎ 5 月ユーロ圏製造業PMI 改定値(予想:49.4)

○17:30 ◎ 5 月英製造業PMI 改定値(予想:45.1)

○17:30 ◇ 4 月英消費者信用残高(予想:11 億ポンド)

○17:30 ◇ 4 月英マネーサプライM4

○22:45 ◎ 5 月米製造業PMI 改定値(予想:52.2)

○23:00 ☆ 5 月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:49.3)

○23:00 ◇ 4 月米建設支出(予想:前月比0.3%)

○23:15 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演

○24:00 ◇ 5 月メキシコ製造業PMI

○3 日01:45 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演

○3 日02:00 ◎ パウエルFRB 議長、講演

○ニュージーランド(国王誕生日)、中国(端午節)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

30日07:09ベッセント米財務長官

「日本の代表団が明日私のオフィスを訪れる」

「中国との通商交渉は停滞しているが、今後数週間に進 展を見込んでいる」

「欧州連合(EU)との交渉進展も見込んでいる」

「今年度の財政赤字は昨年度よりも縮小する見通し」

「2028年までに、米債務のGDP比での安定を見込む」

「財政規律重視のタカ派に共感している」

30日08:24デイリー米サンフランシスコ連銀総裁

「インフレ抑制を継続するには、緩やかに制限的な金融 引き締め政策が必要」

「労働市場が堅調を維持しインフレが低下すれば、今年 2回の利下げは理にかなっているだろうが、起こり得るリ スクの範囲は広い」

「雇用市場の弱体化も懸念している」

30日09:07植田日銀総裁

「企業による積極的な賃金・価格設定行動が続いている ことを認識」

「物価見通しの下方修正は、関税の景気への影響など を織り込む」

30日09:20

「国債市場の動向は、しっかり点検して6月中間評価に 繋げたい」

「短期金利操作は、目標達成のために行う」

「保有国債の含み損は収益には影響与えない」

30日09:32

「ETF、複数の原則満たすような処分方法を見つける」

「ETFの分配金収入、利上げに伴う収益のマイナスを打 ち消す1つの要素」

「ETF分配金収入なければ日銀財務は下押される」

「財務状況によって、日銀の政策が左右されることはな い」

30日09:11トランプ米大統領

「米連邦最高裁が米国際貿易裁判所の判断を覆すと期 待している」

30日09:27

「米国際貿易裁は、切実に必要な関税を巡り米国に不 利な判決下した」

「米国際貿易裁の判決は非常に間違っており、非常に 政治的だ」

「米大統領は、経済的・財政的損害を与えている者から 米国を守る権限を与えられるべき」

30日21:11

「中国は米国との合意に違反した」

30日09:29ローガン米ダラス連銀総裁

「関税は少なくとも一時的にインフレ押上げの可能性」

「高いインフレ期待が定着すれば、是正にコストがかか る」

30日10:22赤沢再生相

「ベセント財務長官などと関税に関して協議することにな る」

「これまでの協議や経済安保上の協力協議することにな る」

「一連の関税措置は遺憾であるとの立場守りながら一 致点を見いだしたい」

「2週連続の電話会談で石破トランプ両首脳の信頼関係 積みあがってきているのを念頭に協議」

「米判決、日本と同様三審制の国なので確定的な裁判 でない」

「サミット前の日米首脳会談、可能性ゼロでないが時間 的には相当タイト」

30日13:06テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委 員

「より緩和的な金融政策路線を取る必要があった」

「急速なインフレ一時的な要因によるもの」

「リスクは下振れシナリオに積み上がっている」

「経済見通しについてかなり懸念している」

「米国の関税が輸入に与える影響は2025年を通じて拡 大する」

※時間は日本時間

【日足一目均衡表分析】

<ドル円=雲下限前後の底堅さ維持しつつ推移>

下影小陰線引け。一時143.44 円と、一目均衡表・雲の下限 143.76 円を下回る場面もあった。 5 月29 日に一時上振れたことに対する反動のような動き ともいえたが、大きく下落が進む展開とはならなかった。や がて切り上がっていく雲の下限前後の底堅さを維持しつつ、 上値が一目・基準線145.31 円付近にとどまりやすい限られ たレンジでしばらく推移するとみる。

レジスタンス1 144.86(5/29-30 下落幅の半値戻し)
前日終値 144.02
サポート1 143.44(5/30 安値)
サポート2 142.97(ピボット・サポート2)

<ユーロドル=転換線に沿った下押しを予想>

小陰線引け。1.14 ドル手前で戻りの鈍い状態が続いている。 下落を一気に強めるような展開ではないが、一目均衡表・遅 行スパンが同指標付近のローソク足終値を下回って売り示 唆の状態となっている点が気になる。緩やかな低下が見込ま れる一目・転換線1.1315 ドルの動きに沿って下押すことに なるか。

レジスタンス1 1.1419(5/26 高値)
前日終値 1.1347
サポート1 1.1273(ピボット・サポート2)

<ユーロ円=基準線を再び下抜けても転換線が支えに>

下影陰線引け。一目均衡表・基準線163.15 円を割り込んで も戻しており、同線を下回る水準での底堅さを維持している。 やや戻りが頭打ちの感もあり、再び基準線を下抜ける場面も 想定しておきたい。しかし今後の上昇が見込まれる一目・転 換線162.68 円のサポートが次第に効いてきて、上向きへ転 じる流れが期待できる。

レジスタンス1 164.03(5/30 高値)
前日終値 163.46
サポート1 162.68(日足一目均衡表・転換線)

<豪ドル円=転換線付近の底堅さ維持しつつ推移するか>

下影小陰線引け。92.02 円まで下振れる場面があったもの の、一目均衡表・転換線92.76 円付近へ戻す格好で週の取引 を終えた。上昇余地を残す転換線付近の底堅さを維持しつつ 推移する展開が続くか。ただ、93.46 円前後で低下中の90 日 移動平均線付近では動きが滞るかもしれない。

レジスタンス1 93.46(90 日移動平均線)
前日終値 92.66
サポート1 92.02(5/30 安値)