Titan FX(タイタンFX)

デイリーレポート 6月11日

June 11, 2025

##【前日の為替概況】ドル円、反発も145円台は維持できずユーロ円が4日続伸

10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は144.87円と前営業日NY終値(144.57円) と比べて30銭程度のドル高水準だった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.43%台まで低下 したことを受けて一時144.45円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値144.40円が 目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米10年債利回りが低下幅を縮小したことも相場を 下支えし、1時30分過ぎには145.04円付近まで持ち直した。

市場では「ロンドンで開催されている米中貿易協議の成り行きを見極めたいとの思惑が広がる中、警戒 感よりは期待感の方がやや優勢となっており、リスク・オンの円売りも散見された」との声が聞かれた。 なお、ラトニック米商務長官は「中国との協議は非常にうまく行っている」と述べ、「必要なら協議は明 日11日まで続く可能性がある」と話した。

ユーロドルは小幅ながら続伸。終値は1.1425ドルと前営業日NY終値(1.1422ドル)と比べて0.0003 ドル程度のユーロ高水準となった。欧州市場序盤には一時1.1373ドルと日通し安値を付けたものの、6 日の安値1.1372ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ ドル売りも入り、22時過ぎには1.1448ドルと日通し高値を付けた。

ただ、6日の高値1.1457ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米長期金利が低下 幅を縮めたことも相場の重し。

ユーロ円は4日続伸。終値は165.51円と前営業日NY終値(165.12円)と比べて39銭程度のユーロ高 水準。ドル円の持ち直しにつれた買いが入ったほか、米中貿易摩擦の緩和期待から米国株相場が小幅に上 昇したことが相場の支援材料となった。4時過ぎには一時165.64円と日通し高値を付けた。

【本日の東京為替見通し】引き続き米中協議に注目、米政権の針小棒大がドル円急騰リスク

本日の東京時間でのドル円は、米中閣僚級協議の進展期待で底堅さを維持しそうだ。英ロンドンで協議 が行われているため、アジア時間には交渉についての報道が伝わりにくい。ただ、交渉が完全に決裂する シナリオは少ないことが、ドル円の支えになる。

米中交渉の進展内容を精査する必要もある。仮に中国がレアアース輸出制限の緩和を示した場合でも、 5月の関税強化合戦前の水準に戻っただけだ。中国を標的にした他の関税方針を米国が撤回しない限り、 中国も妥協しないだろう。しかし僅かな進展でも針小棒大なトランプ政権が成果を誇張し、ドル円が急騰 するような場面もあり得る。内容を吟味せずドル買いを仕掛けると、高値掴みになるリスクもありそうだ。

米中協議は明日11日まで再延長する可能性が高まっているが、これはサプライズではない。中国の貿 易交渉官である何中国副首相は先週末に「13日まで英国を訪問し『中米経済貿易メカニズム』会議に出 席する」と公表していることで、中国側は交渉が簡単に終わらないことをはじめから示唆していた。米国 側はベッセント米財務長官が11日の議会証言を控えて帰国の途を辿ることで、今後はラトニック米商務 長官とグリア米通商(USTR)代表が交渉を担当することになる。

トランプ政権は5月にウクライナと鉱物資源協定に署名して同投資基金を設立し、ウクライナ産のレア アース獲得を目指していたが、ロシアとの和平交渉が決裂したことでレアアースを中国から輸入せざるを 得ない。交渉を焦っているのはトランプ政権というのは明白だ。また、昨日はメキシコとの「鉄鋼関税の 引き下げと輸入上限に関して合意に近づいている」との一部報道も伝わっているが、4週間後の7月9日 に交渉期限を控えているトランプ政権は、他国との交渉合意にも焦燥感を感じているようだ。

米中協議以外にはロサンゼルスのデモに対して、トランプ大統領が州兵を派遣したことが米国では更に 問題が拡大している。ロサンゼルスのデモは不法移民の取り締まりに対してのものだったが、現在米国で 拡大しているデモは、州兵派遣に対するものになっている。すでに多くの州で逮捕者が出ているが、州知 事の要請がない中での州兵派遣は1965年以来になる。日本と違い州の主権が強いことで、民主党の基盤 が強いブルーステート(青い州)でのデモ拡大が、今後の米政局と経済へ影響を徐々に与えていくことに なるかもしれない。

なお、本日は本邦から5月企業物価指数が発表される。今年に入り前年比では+4%を上回っていた同指 数だが、+3.5%まで低下する予想になっている。市場の反応は限られそうだが、同時に発表される輸入物 価指数とともに、同指標の結果には目を向けておきたい。

【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間

<国内>

○08:50 ◇ 5 月企業物価指数(予想:前月比0.2%/前年比3.5%)

○未定 ◇ 6 月月例経済報告

<海外>

○12:15 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演

○18:30 ◎ レーンECB 専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演

○20:00 ◇ MBA 住宅ローン申請指数

○21:00 ◎ チポローネECB 専務理事、講演

○21:00 ◇ 4 月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.1%)

○21:30 ◇ 4 月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比2.0%)

○21:30 ☆ 5 月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比2.4%)

☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比2.9%)

○23:30 ◇ EIA 週間在庫統計

○12 日01:00 ◎ 5 月ロシアCPI(予想:前月比0.4%)

○12 日02:00 ◎ 米財務省、10 年債入札

○12 日03:00 ◎ 5 月米月次財政収支(予想:3145 億ドルの赤字)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

10日09:25赤沢経済再生相

「協議の道筋は五里霧中、最終的に決めるのはトランプ 大統領」

「(関税協議で)最終的に一致点見いだせるか、見えて いるとは言えない」

「G7サミットに同行するか、予断を持って答えられない」

10日10:41植田日銀総裁

「利下げで経済を追加的に刺激する余地は限られてい る」

「基調的な物価上昇率はまだ2%に少し距離がある」

「基調的な物価が2%で推移していくように、緩和環境を 維持している」

「基調的な物価が2%に近づく確度が高まれば、引き続 き利上げ」

10日16:25ビルロワドガロー仏中銀総裁

「市場のボラティリティはドルへの信認に影響を及ぼす 可能性」

「ECBは政策の正常化に成功した」

「政策とインフレは現在、好ましいゾーンにある」

「好ましいゾーンにあるからといってECBが静的であると いう意味ではない」

「ECBは必要に応じて引き続き機動的に対応する」

10日20:04イラン議会

「米国はテヘランとの核協議に本気ではなく、自らの要 求を押し付けようとしている」

「テヘランのウラン濃縮は交渉の余地がなく、米国のそ のような要求は拒否されるべきだ」

「米国との協議は戦略的な罠であるため、十分に警戒す るように」

10日20:28レーン・フィンランド中銀総裁

「ECBはインフレ水準に満足してはならず、物価上昇率 が目標を大幅に下回るなどのリスクに留意すべき」

「来年はインフレ率が2%を下回ると予想されるため、ゼ ロ金利制約に向けて下がらないよう留意する必要があ る」

「インフレ期待が目標付近でしっかり維持されるようにす る必要がある」

10日22:40ブイチッチ・クロアチア中銀総裁

「米国の関税がディスフレ要因かインフレ要因かは不 明」

「9月までに関税に関するより明確な情報が得られること を期待」

「ECBは金利に関する立場を巡り非常に良好な状況に ある」

11日01:50トランプ米大統領

「14日のパレード、抗議者は誰であれ武力で鎮圧する」

11日04:00ラトニック米商務長官

「中国との協議は非常にうまく行っている」

「中国との協議は必要であれば明日まで続く可能性」

「中国との協議を完結させるよう努める」

※時間は日本時間

【日足一目均衡表分析】

<ドル円=基準線や雲の上限が上値のポイント>

陽線引け。145 円前半で上値を試すも、日足一目・基準線 には届かず失速。もっとも、昨日まで144.30 円台に位置し ていた同・転換線の手前では支えられた。 転換線は本日から143.80 円台まで水準を切り下げる。144 円半ばの雲下限を下回って推移するようだと、同線付近まで の下押しは想定しておきたい。上値は基準線や145.60 円の 雲上限がポイント。雲を超えると上昇に勢いが付きそうだ。

レジスタンス1 145.60(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 144.87
サポート1 143.84(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 142.53(6/5 安値)

<ユーロドル=上向き転換線は1.14 ドル台まで上昇>

小陽線引け。1.13 ドル後半で弱含む場面でも、6 日安値付 近では下げ止まった。1.14 ドル半ばの同日高値には届かなか ったが、2 手連続の陽線引け。 日足一目・転換線は本日1.1404 ドルまで水準を上げ、週 末にかけて上昇見込み。同線の方向性に沿った取引は継続だ が、6 日安値を割り込むようだと更なる下押しリスクには要 警戒。上値は1.15 ドル手前の5 日高値がポイントとなる。

レジスタンス1 1.1495(6/5 高値)
前日終値 1.1425
サポート1 1.1372(6/6 安値)

<ポンド円=高値更新も陰線引け、転換線が支持となるか>

陰線引け。大幅に続伸した6 日の高値を上抜けるも、196 円半ばで頭を抑えられた。日足一目・転換線の手前では支え られて下げ幅を縮めたが、2 手連続の陰線引け。 上下にヒゲを作った気迷い相場であるが、高値を更新しな がら陰線引けは気になるところ。転換線は本日も194.59 円 に位置して支持水準として意識されるが、下抜けるようだと 193 円半ばの基準線辺りまでの下げは想定しておきたい。

レジスタンス1 196.45(6/10 高値)
前日終値 195.59
サポート1 194.59(日足一目均衡表・転換線)

<NZ ドル円=200 日線を巡る攻防に注目>

陽線引け。前日安値の手前の87 円前半で下値を固め、1 月 末以来の高値圏となる87.70 円台まで上昇した。4 手連続の 陽線引けで、終値水準は200 日線を僅かに超えている。 200 日線は本日87.63 円に位置し、同線を巡る攻防を注目。 レンジを上向きにシフトしてきており、上値余地を探る展開 となるか。ただ、調整売りに押されて9 日安値を割り込んだ 場合は、86 円半ばの転換線が意識されるだろう。

レジスタンス1 88.25(1/28 高値)
前日終値 87.66
サポート 1 87.07(6/9安値)