Titan FX(タイタンFX)

デイリーレポート 6月12日

June 12, 2025

##【前日の為替概況】ドル円、145.46円を高値に一時144円前半まで失速ユーロドルは3日続伸

11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は144.56円と前営業日NY終値(144.87円) と比べて31銭程度のドル安水準だった。トランプ米大統領が自身のSNSに「習近平中国国家主席と私が 最終承認すれば中国との合意は完了」「中国からレアアース(希土類)が前倒しで供給される」と投稿す ると、米中貿易摩擦の緩和期待から円売り・ドル買いが先行。21時過ぎに一時145.46円と日通し高値を 更新した。

ただ、米労働省が発表した5月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.1%/前年比2.4%と前月比で予想 を下回り、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.1%/前年比2.8%と予想よりも弱い内容だった ことが分かると一転円買い・ドル売りが優勢に。21時30分過ぎに144.33円と日通し安値を更新した。

そのあとは145.18円付近まで下げ渋る場面もあったが、買い戻し一巡後は再び上値が重くなった。「米 政府は中東地域との緊張が高まる中、兵士の扶養家族の自主的な退去を許可した」「中国のレアアース輸 出規制緩和は6カ月の期間限定」との一部報道を受けて、米国株相場が失速したことも相場の重し。3時 過ぎには144.33円付近まで押し戻された。

ユーロドルは3日続伸。終値は1.1487ドルと前営業日NY終値(1.1425ドル)と比べて0.0062ドル程 度のユーロ高水準となった。欧州中央銀行(ECB)による利下げ局面が終わりに近づいているとの見方が 強まる中、5月米CPIが予想より弱い内容となったことが分かるとユーロ買い・ドル売りが優勢となった。 3時過ぎには一時1.1500ドルと4月22日以来の高値を更新した。

ユーロ円は5日続伸。終値は166.08円と前営業日NY終値(165.51円)と比べて57銭程度のユーロ高 水準。ECBの利下げ観測が足もとで後退する中、ユーロドルの上昇につれた買いが入った。23時過ぎには 一時166.42円と昨年10月31日以来の高値を付けた。ただ、ドル円の下落につれた売りが出ると伸び悩 んだ。

【本日の東京為替見通し】ドル円、上値限定か米中交渉への期待感から失望感への変化に警戒

本日の東京時間でのドル円は、上値が限られそうだ。上値を抑える要因は、昨日発表された米インフレ 指標の低下と米中閣僚級会談が失望感へと変わる可能性が挙げられる。

昨日発表された5月米CPIがヘッドライン、コアともに市場予想を下振れたことは、短期的にドルの上 値を抑える要因にはなる。ただ、本日は同月の卸売物価指数(PPI)の発表を控えていることもあり、過 度にドルベアになるのも難しいかもしれない。また、米小売最大手ウォルマートのレイニー最高財務責任 者(CFO)は、輸入品の関税の影響で早ければ5月、確実に6月には店頭で価格が上昇する可能性を示唆し ている。インフレ上昇が数値として出てくるのは、6月の指標以後になりそうだ。

2日間にわたり英ロンドンで行われた米中閣僚級会談は、「ジュネーブ合意」履行の枠組みで一致した。 この発言を受けて市場は一時リスク選好の動きを見せたが、一部ではこの会談の成果が不透明なことを指 摘している。ラトニック米商務長官も報道機関のロンドン合意条件に関する詳細についてコメントを応じ ていない。先進国首脳会議(G7サミット)を前に、トランプ政権が大きな進展がないにもかかわらず合 意をしたことを強調したとも言える。

そもそも「ジュネーブ合意」自体が、米国の対中関税は145%から30%に、中国は125%から10%に 90日間下げる決定以外は、玉虫色の内容となっていた。昨日トランプ米大統領は上述の30%関税に、特 定製品への25%関税を含めて中国に対する米国の関税は合計55%になるとSNSに投稿したが、この関税 率もホワイトハウス当局者は後に新しいものではないことを認めている。

また、トランプ大統領が「貿易協定の一環として中国が米国にレアアースを前払いで供給する」とも述 べたが、この条件は6カ月間の暫定的なライセンスのみを発行することに同意したと米ウォール・ストリ ート・ジャーナル紙は報じている。この条件では、中国は6カ月ごとに特定のライセンス発行の決定を再 検討できるようになり、米国企業のサプライチェーンに不確実性が生じることになる。トランプ政権の発 表だけでは合意したものが誇張されていることや、都合よく利用していることもあり、中国側の発表や報 道を今後はより注意して目を通しておく必要があるだろう。2大経済大国がお互い交渉を続けること自体 はマイナスではないが、ロンドン合意の内容を精査すると期待感から失望感へと変化するリスクには警戒 しておきたい。

なお中国は米国との交渉を進めつつも、昨日アフリカ53カ国と「中国アフリカ協力フォーラム」の閣 僚会議を開き、中国がアフリカ諸国から輸入する製品の関税をゼロにすると発表した。トランプ政権が世 界中を敵に回している状況下で、中国政府は着々と輸出入のパートナー拡大の成果をあげている。中国が 通商問題で米国に対して妥協はせず、いずれは「USパッシング」の政策を進める可能性も高まりそうだ。

本日は本邦からは4-6月期法人企業景気予測調査、対外対内証券売買契約等の状況などが発表される。

ここ最近は本邦の経済指標での市場の反応は鈍いことで、引き続き米中の関税に関する報道を警戒する一 日になりそうだ。

【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間

<国内>

○08:50 ◇ 4-6 月期法人企業景気予測調査

○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

<海外>

○08:01 ◇ 5 月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:▲3)

○15:00 ☆ 4 月英国内総生産(GDP、予想:前月比▲0.1%)

○15:00 ◎ 4 月英鉱工業生産(予想:前月比▲0.5%/前年比▲0.2%)

○15:00 ◎ 4 月英製造業生産高(予想:前月比▲0.7%)

○15:00 ◇ 4 月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:207.00 億ポンドの赤字/44.75 億ポンドの赤字)

○16:00 ◇ 4 月トルコ鉱工業生産

○16:00 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演

○16:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演

○16:00 ◎ シムカス・リトアニア中銀総裁、講演

○16:15 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演

○18:00 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演

○19:30 ◎ 5 月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比3.00%)

○21:00 ◎ デギンドスECB 副総裁、講演

○21:00 ◎ 4 月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比3.5%)

○21:30 ◎ 5 月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比2.6%)

◎ 食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.1%)

○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:24.2 万件/191.0 万人)

○13 日02:00 ◎ 米財務省、30 年債入札

○ロシア(ロシアの日)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

11日08:07李成鋼中国商務次官

「ロンドンでの米国との会談、深い意見交換に及んだ」

「コミュニケーションは合理的かつ率直だった」

「両国はジュネーブ会談のコンセンサスについて合意」

「ここでの進展が両国の信頼拡大につながることを期 待」

「協議が世界経済の発展に寄与することを期待」

11日08:17ラトニック米商務長官

「米中協議ではジュネーブ合意実施の枠組みで合意」

「トランプ米大統領が承認すれば実施へ」

「レアアースを巡る問題は解決されると見込む」

12日00:13

「中国はフェンタニルの供給停止は議題に上っていな い」

「関税水準は変更されない」

「我々の指導者たちは、この交渉が前向きなものになる ことを望んでいる」

「中国は常に輸出規制の撤廃を望んでいる」

「米国と中国は前向きな見方をしている」

「中国との関係は良好だ」

11日16:10イーロン・マスク氏

「先週のトランプ大統領に関する自分の投稿を一部後悔 している」

11日16:14中国外務省報道官

「ロンドンでの米中協議に関して提供できる情報はない」

11日17:07カザークス・ラトビア中銀総裁

「2%のインフレ維持には微調整のために追加利下げが 必要となる可能性が高い」

「市場があと1回程度の利下げを織り込むのはベースラ インから外れていない」

「利下げの微調整は経済の展開次第で大きく左右」

「現時点では緩和的な領域に入る段階ではない」

11日19:40トランプ米大統領

「イランとの協議について自信が薄れている」 11日21:08

「中国との取引が成立した」

「レアアースは中国から前倒しで供給される」

「中国の貿易開放に向け習・中国国家主席と取り組んで いく」

11日20:41リーブス英財務相

「財政規律は交渉の余地がない」

「各省庁の予算総額は実質で年2.3%増加する」

「春に設定した支出枠に従って予算を配分する」

11日23:02ベッセント米財務長官

「トランプ政権の影響でインフレ率は大幅に改善」

「物価上昇抑制はトランプ政権の政策によるものと評 価」

「中国が合意を順守すれば、中国とのリバランスは可 能」

12日05:19

「米政権はドルの準備通貨としての地位維持にコミット」

12日03:12ビルロワドガロー仏中銀総裁

「ECBの状況は良好」

「とはいえ、政策が安定しているわけではない」

※時間は日本時間

【日足一目均衡表分析】

<ドル円=11 日安値に並ぶ雲の下限を睨みながらの値動き>

陰線引け。145 円台で上値を試すも、日足一目・基準線を 超えたところで上昇力が削がれた。145 円を割り込むと、 144.30 円台まで下げ足を速める場面があった。 一目・雲の下限は昨日安値に並ぶ144.33 円まで水準を切 り下げ。目先は同水準を睨みながらの値動きか。下抜けた場 合は、144 円割れに控える転換線が意識される。反発するよ うだと、昨日届かなかった雲上限が抵抗となるか注目。

レジスタンス1 145.60(日足一目均衡表・雲の上限))
前日終値 144.56
サポート1 143.92(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 142.98(ピボット・ターニングポイント)

<ユーロドル=4/22 以来の高値更新、年初来高値が視野に>

陽線引け。日足一目・転換線を割り込んだところから切り 返し、4 月22 日以来の高値となる1.15 ドルまで上昇した。 一巡後の下押しも限られ、3 手連続の陽線引け。 転換線は本日は1.1421 ドルに位置するも、昨日高値を超 えると水準を切り上げてくる。4 月につけた年初来高値 1.1573 ドルが視野に入ってきており、昨日抜けきれなかった 1.15 ドルを巡る攻防が注目されそうだ。

レジスタンス1 1.1573(4/21 高値=年初来高値)
前日終値 1.1487
サポート1 1.1405(6/11 安値)

<ユーロ円=5 日続伸し、昨年10/31 以来の高値更新>

陽線引け。下押しも165.40 円割れまでに留まり、約7 カ 月ぶりの166 円台乗せに成功。昨年10 月31 日以来の高値と なる166.42 円まで上値を伸ばした。5 手連続の陽線引け。 着実に下値を切り上げており、日足一目の主要線の向きな ども上昇トレンドの継続を示唆。もっとも5 日続伸した後な だけに、ある程度の揺り戻しは念頭に入れておきたい。昨日 安値を割り込むと、164.60 円台の転換線辺りが次の買い場か。

レジスタンス1 166.99(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 166.08
サポート1 165.39(6/11 安値)

<豪ドル円=基準線から転換線が支持帯となるか見極め>

陰線引け。前日高値を上抜けるも94.70 円台で頭を抑えら れ、94 円割れまで失速した。日足一目・基準線が意識されて 下げ渋るも、5 手ぶりの陰線引け。 基準線は93.60 円台で横ばい、上向きの転換線が本日は 93.41 円に位置している。両線が支持帯として働くかを見極 める展開か。ただ下抜けたとしても、93.20 円台には90 日線 と21 日線が控えており、93 円台には注視すべき水準が多い。

レジスタンス1 94.75(6/11 高値)
前日終値 94.00
サポート1 93.41(日足一目均衡表・転換線)