デイリーレポート 6月20日
June 20, 2025
【前日の為替概況】ユーロドル上昇中東巡る過度な警戒後退、有事のドル買い巻き戻す動き
19日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは上昇。終値は1.1495ドルと前営業日NY終値(1.1480 ドル)と比べて0.0015ドル程度のユーロ高水準だった。イスラエルとイランの軍事衝突を巡り米国の軍 事介入が警戒される中、「有事のドル買い」が優勢になると一時1.1455ドル付近まで値を下げたものの、 東京午後に付けた日通し安値1.1446ドルが目先サポートとして意識されると下げ渋った。
レビット米ホワイトハウス報道官が「トランプ米大統領はイラン攻撃について2週間以内に決定する」 「トランプ氏はイランとの外交が依然として選択肢であると信じている」と述べ、一定の猶予があること を示唆すると、中東情勢を巡る過度な警戒が後退。「有事のドル買い」を巻き戻す動きが広がった。4時 30分過ぎには一時1.1500ドルと日通し高値を更新した。
なお、本日は米国市場がジューンティーンスで休場となったため、市場参加者は少なく商いは低調だっ た。
ドル円は反発。終値は145.45円と前営業日NY終値(145.13円)と比べて32銭程度のドル高水準だっ た。欧州市場では、中東情勢の緊迫化を背景に「株安・原油高・ドル高」の様相が強まり、一時145.77 円と5月29日以来の高値を付けた。
ただ、節目の146.00円や同日の高値146.28円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。レビッ ト米ホワイトハウス報道官の発言を受けて、中東情勢を巡る過度な懸念が和らいだことも相場の重しとな り、4時30分過ぎに145.35円付近まで下押しした。
ユーロ円は3営業日ぶりに反発。終値は167.16円と前営業日NY終値(166.62円)と比べて54銭程度 のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた買いが入ると一時167.32円と日通し高値を付けたものの、17日 に付けた昨年7月以来の高値167.61円がレジスタンスとして意識されると166.82円付近まで伸び悩んだ。 ただ、引けにかけてはユーロドルの上昇に伴う買いが入り167円台前半まで持ち直した。
【本日の東京為替見通し】】ドル円、米軍によるイラン空爆の可能性に要警戒か
本日の東京外国為替市場のドル円は、日本の5月の消費者物価指数(CPI)を見極めた後は、米軍によ るイラン空爆の可能性に警戒していく展開が予想される。
ドル円の一目均衡表でのテクニカル分析では、攻防の分岐点である雲の上限145.55円付近での推移と なっており、明確に上抜けていくのか、それとも抵抗帯として上値を抑えるのかを見極めていくことにな る。昨日、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が「トランプ米大統領はイラン攻撃計画を承認 した」と報じ、一部報道では、米当局者の話として「米国は、近日中(inthecomingdays)にイラン攻 撃を準備している」と報じられたことで、空爆が開始された場合の相場動向に備えることになる。
トランプ米大統領は、昨日、「何をするべきかいくつか考えを持っているが、最終決定はしていない。 私は期限の1秒前に決断を下すのが好きだ」と述べた。そして、レビット米ホワイトハウス報道官が「ト ランプ米大統領はイラン攻撃について2週間以内に決定する。トランプ氏はイランとの外交が依然として 選択肢であると信じている」とも述べている。
トランプ米大統領は、6月11日に「2週間以内に各国に関税率を通告する」とも述べており、2週間と いう時間軸の下で、トランプ関税と中東有事に備えていくことになる。
1991年1月の湾岸戦争では、17日の新月の暗闇に乗じて、アメリカ軍を主力とする多国籍軍がイラク に空爆を開始した時は、ドル円は138円の高値から132円まで下落し、127円台まで続落した後、2月28 日の戦闘終了時に132円台まで戻していた。
米軍による軍事紛争への介入は、必ずしも「有事のドル買い」とはならないことも念頭に置き、今月の 新月25日に向けて、日柄や値動きの再現の可能性には警戒しておきたい。
8時30分に発表される5月の全国コア消費者物価指数(CPI:生鮮食品を除く)は、前年比+3.6%と予 想されており、4月の同比+3.5%からの伸び率上昇が見込まれている。
予想通りならば、日銀の早期利上げ観測を高めることになるが、今週の日銀金融政策決定会合や植田日 銀総裁の見解では、トランプ関税への不確実性を理由に、政策金利の据え置きを決定しており、円債市場 や円相場への影響は軽微なのかもしれない。日本の5月のインフレ率が予想通りに上昇していた場合は、 15時40分から予定されている植田日銀総裁の挨拶に注目することになる。
【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:30 ☆ 5 月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比3.6%)
○08:30 ☆ 5 月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比3.2%)
○08:50 ☆ 4 月30-5 月1 日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
○15:40 ◎ 植田和男日銀総裁、あいさつ
<海外>
○15:00 ◇ 5 月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲0.3%)
○15:00 ◎ 5 月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.5%/前年比1.7%)
○15:00 ◎ 5 月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比▲0.7%/前年比1.8%)
○15:45 ◇ 6 月仏企業景況感指数(予想:96)
○17:30 ◎ 5 月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.0%)
○21:30 ◎ 4 月カナダ小売売上高(予想:前月比0.4%/自動車を除く前月比▲0.2%)
○21:30 ◇ 5 月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比横ばい)
○21:30 ◇ 5 月カナダ原料価格指数
○21:30 ◎ 6 月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:▲1.0)
○23:00 ◎ 5 月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.1%)
○23:00 ◎ 6 月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲14.5)
○ニュージーランド(マタリキ)、スウェーデン(夏至祭)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
19日06:58プーチン露大統領
「NATOの防衛費増額には意味がない」
「NATOの再軍備をロシアへの脅威とは見なしていない」
「ロシアがNATOを攻撃する意図があるという話はナン センスだ」
「ウクライナ問題についてはゼレンスキー大統領を含め 誰とでも会う用意」
「ウクライナとの次回会談は6月22日以降に行われる 可能性」
「ウクライナとの和平原則に基づく本格的な協議に応じ る用意」
「トランプ大統領との会談は有益だろうが、十分な準備 が必要」
「イランはロシアに武器の提供を求めていない」
19日16:35スイス国立銀行(中央銀行、SNB)声明
「必要に応じて外国為替市場において引き続き積極的 な対応をとる用意がある」
「SNBは引き続き状況を注視し、必要に応じて金融政策 を調整することで、中期的にインフレ率が物価安定と整 合する範囲内にとどまるよう努める」
「スイスの経済見通しは依然として不透明」
「インフレ圧力は前四半期と比較して低下」
「3月と比較すると新たなインフレ予測は短期的には低 下。中期的には3月とほぼ変わらない」
19日17:08ノルゲバンク(ノルウェー中銀)声明
「経済が現在の予測通りに推移すれば2025年中に政策 金利はさらに引き下げられる」
「引き締め的な金融政策は依然として必要であるものの、 政策金利の慎重な正常化を開始することが適切である と判断」
「3月以降の基調的なインフレ率は予想よりもやや速い ペースで低下しており、今後1年間のインフレ見通しは 従来の予想よりもやや低いインフレ率を示している」
「政策金利の予測は2025年末に4%をわずかに下回り、 2028年末には約3%に低下すると見込まれている」
19日17:24シュレーゲル・スイス国立銀行(中央銀行、 SNB)総裁
「マイナス金利含め、いかなる措置も排除できない」
「インフレ率がマイナスになる可能性は否定できない」
19日20:03英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
「MPC6人が据え置き支持、3人が0.25%引き下げ主張」
「消費者物価上昇率、年内は概ね現状水準で推移し、 来年には目標水準に向けて低下すると予想」
「金融政策の更なる引き締め解除に向けては、段階的 かつ慎重なアプローチが依然として適切」
「金融政策はあらかじめ定められた道筋に沿っているわ けではない」
「中期的にインフレ率が2%の目標に持続的に回帰する ことに対するリスクがさらに解消されるまで、金融政策は 十分な期間、引き締め的な姿勢を維持する必要がある」
「中東紛争の激化に伴ってエネルギー価格が上昇。委 員会はこれらの動向と英国経済への潜在的な影響につ いて引き続き注視していく」
「委員会は経済・地政学環境における予測不可能性が 高まる状況に引き続き留意し、経済に対するリスク評価 を継続的に更新していく」
19日20:13トルコ中銀声明
「委員会は金融引き締めの遅行効果を考慮しながら、基 調的なインフレ傾向の低下を確保し、中期的に5%のイ ンフレ目標を達成するために必要な金融・金融環境を整 備するよう、政策決定を行う」
「インフレの持続的な低下によって物価安定が達成され るまで、金融引き締めスタンスは維持される」
「委員会はインフレ見通しを重視しつつ、会合ごとに慎 重に政策金利を調整する」
「地政学的動向と世界貿易における保護主義の高まり がディスインフレプロセスに及ぼす潜在的な影響注視」 19日23:30ロンバルデリ・イングランド銀行(英中銀、 BOE)副総裁
「サービスインフレは非常に堅調であることが判明」
「英労働市場の弱まりは、5月に予想していた通り」
20日02:38レビット米ホワイトハウス報道官
「トランプ米大統領はイラン攻撃について2週間以内に 決定する」
「トランプ米大統領はイランとの外交が依然として選択 肢であると信じている」
[(戦争反対の有権者)トランプ米大統領を信頼してほし い」
※時間は日本時間
【日足一目均衡表分析】
<ドル円=雲の上限145.55 円前後の攻防>
小陽線引け。一目均衡表・雲の上限145.55 円前後の攻防
となっている。
一目・転換線144.29 円が同・基準線144.20 円を上回りサ
インが1 つ点灯するなか、雲を明確に上抜けさらに買いサイ
ンが増加することになるか。地合いを強めて146 円台へ乗せ
る展開が期待できる。下押しに転じた局面でも雲の下限
144.89 円が支えとなり、押し目が深くなっても上昇が続く見
込みの転換線や、底打ちしたと考えられる基準線がサポート
になるだろう。
レジスタンス1 146.35(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 145.45
サポート1 144.89(日足一目均衡表・雲の下限)
サポート2 144.29(日足一目均衡表・転換線)

<ユーロドル=転換線失速前にレンジ切り上げることできるか>
上下影小陽線引け。1.1446 ドルまで下落が先行した。1.14
ドル前半で上昇中の21 日移動平均線を試す様相となったが
下げ渋り、一目均衡表・転換線1.1502 ドル手前まで戻して
NY を引けている。上昇余地を残す転換線の推移に沿った戻り
を期待するが、同線は現状からすれば来週24 日にも1.1539
ドル前後で頭打ちとなる公算。同線から早々に上放れて足も
とのレンジ上限を広げる流れを示せなければ、転換線の失速
とともに下値を探る展開へ舞い戻ることになる。
レジスタンス1 1.1580(6/17 高値)
前日終値 1.1495
サポート1 1.1426(ピボット・サポート2)

<ユーロ円=底割れ回避して167 円台回復、高値うかがう>
下影陽線引け。5 日移動平均線を割り込み、166.04 円まで
下振れが先行した。しかし上昇中の一目均衡表・転換線
166.08 円をわずかに下回っただけで急速に戻す格好となり
底割れは回避。167 円台を回復している。転換線は本日166.12
円へ小幅に上昇して引き続き底割れ回避に寄与しそう。
167.03 円前後で上昇傾向を維持する5 日線の推移が示唆する
上向きの流れが続き、17 日につけた年初来高値167.61 円を
うかがう展開とみる。
レジスタンス1 168.01(2024/7/26 高値)
前日終値 167.16
サポート1 166.36(ピボット・サポート1)

<豪ドル円=主要指標は買い示唆、もみ合い放れ上方向か>
下影小陰線引け。94 円レンジを中心にもみ合った。雲を上
回る相場推移で、転換線は基準線の上に位置し、遅行スパン
も同指標付近のローソク足を上回っており一目均衡表の主
要指標は軒並み買い示唆。もみ合い放れは上方向と予想する。
レジスタンス1 94.84(6/17 高値)
前日終値 94.27
サポート1 93.58(日足一目均衡表・転換線)

