デイリーレポート 7月8日
July 8, 2025
【前日の為替概況】ドル円、反発して146円台に上昇ユーロドルは一時1.16ドル台に下落
7日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は146.05円と前営業日NY終値(144.47円)と 比べて1円58銭程度のドル高水準だった。連休明けのNY勢参入後も欧州時間からの流れを引き継いで買 いが先行した。米10年債利回りが4.39%台まで上昇幅を拡大したことをながめ、一時146.24円まで本 日高値を更新。その後は米長期金利の上昇が一服したこともあって高値圏でのもみ合いに転じた。
なお、トランプ米大統領はこの日、自身のSNSで日本に対して送付したとする書簡を公開。「8月1日 から25%の関税を賦課する」「自動車やアルミニウム・鉄鋼などの分野別関税と今回の関税は別の扱いと する」などと記されていたほか、報復措置をとればさらに税率を上乗せるとの姿勢も示した。また、米ホ ワイトハウスのレビット大統領報道官はその後に「米大統領は本日午後に各国との交渉期限を7月9日か ら8月1日に延期するための大統領令に署名する」と明らかにした。
ユーロドルは反落。終値は1.1709ドルと前営業日NY終値(1.1778ドル)と比べて0.0069ドル程度の ユーロ安水準だった。米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが進んだ影響を受けた。3日安値の1.1718 ドルに面合わせしたところでいったん下げ止まる場面もあったものの、戻りの鈍さを確認すると1.1687 ドルまで下げ幅を拡大。引けにかけても戻りの鈍い動きが続いた。
ユーロ円は反発。終値は171.03円と前営業日NY終値(170.17円)と比べて86銭程度のユーロ高水準 だった。ドル円の上昇につれて円売り・ユーロ買いが進み、一時171.32円まで昨年7月以来の高値を更 新した。米大統領による書簡公表後には米国株式相場が下げ幅を拡大したが、米株安に対する反応は限ら れた。
【本日の東京為替見通し】ドル円はトリプル安の様相、豪ドルはタカ派的利下げに要警戒か
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ相互関税率25%の発表を受けたトリプル安の進展を見 極めることになる。
トランプ米大統領は、日本に対する相互関税率を基本税率10%に15%の上乗せ分を加えた25%に引き 上げると発表した。4月に発表されていた24%を1%上回ったものの、先週トランプ米大統領が警告して いた30-35%や税率の上限の60-70%は下回った。これで、日本に対する関税率は、自動車・部品に対し て25%、鉄鋼・アルミニウムに対して50%、その他には25%の相互関税が課されることになった。
一方で、トランプ米大統領は、日本の企業が米国内で製品を製造する決定を下すのであれば、関税は賦 課しない考えを表明している。レビット大統領報道官は「米大統領は本日午後に各国との交渉期限を7 月9日から8月1日に延期するための大統領令に署名する」と述べている。ベッセント米財務長官も、ト ランプ米大統領の手紙は最後通告ではなく、8月1日の発効までに関税交渉の余地はある、と述べている。 トランプ米大統領による相互関税率の発表を受けてドルは全面高の展開となり、ドル円も146円台まで 上昇し、日本企業の米国預託証券(ADR)も下落、長期債も財政拡大への警戒感から売られていたことで、 トリプル安(円安・日本株安・日本国債安)の様相を呈している。
ドル円は一目均衡表の雲の上限145.55円や90日移動平均線145.51円を上抜けてきており、シカゴIMM 筋の円の買い持ちポジションの手仕舞いを誘発して、ドル高・円安トレンドを形成していくのか否かを見 極めていくことになる。
昨年の7月のドル円は、シカゴIMM筋の過去最大規模の円の売り持ちポジションなどから、161.95円 まで上昇していたものの、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入や日銀の利上げにより、140円台ま で反落していた。今年7月も、トランプ関税がシカゴIMM筋のポジションの手仕舞いに繋がるのか否かに 注目しておきたい。
13時30分に発表される豪準備銀行(RBA)の政策金利は、6年ぶりとなる2会合連続の利下げで3.60% に引き下げられることが見込まれている。しかし、RBAはインフレの見通しに慎重なスタンスを示してお り、直近の四半期経済・インフレ予測によると、RBAが重視している消費者物価指数のトリム平均は予測 期間内(2027年前半まで)にインフレ目標(2-3%)中央値である2.5%へ鈍化することはないとの見方 を示している。
本日のリスクシナリオは、確率は低いものの据え置きの場合、そして、予想通りに利下げの場合も、声 明文でタカ派的な見解が示された場合となる。トランプ米大統領が相互関税を発表したことを受けて、ド ルは全面高の展開、豪ドルは弱含みに推移しており、声明文次第では、豪ドル/ドルの下落に拍車がかか る可能性に警戒しておきたい。一方、現在の金利先物市場は今回も含めて年内に3回程度の利下げ(※ 3.10%)をすでに織り込んでおり、予想通りに利下げが実施されたとしても豪ドル売りに繋がらない可能 性にも留意しておきたい。
【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 5 月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前2 兆9400 億円の黒字/季節調整済2 兆5806 億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:5172 億円の赤字)
○14:00 ◇ 6 月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数45.0/先行き判断指数45.3)
<海外>
○10:30 ◇ 6 月豪NAB 企業景況感指数
○13:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表(予想:3.60%に引き下げ)
○15:00 ◇ 5 月独貿易収支(予想:155 億ユーロの黒字)
○15:45 ◇ 5 月仏貿易収支(予想:82.50 億ユーロの赤字)
○15:45 ◇ 5 月仏経常収支
○21:00 ◎ 5 月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比2.5%)
○23:00 ◇ 6 月カナダIvey 購買部協会景気指数
○23:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○9 日02:00 ◎ 米財務省、3 年債入札
○9 日04:00 ◇ 5 月米消費者信用残高(予想:110.0 億ドル
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
7日06:30トランプ米大統領
「(イーロンマスク氏による)第3政党を立ち上げるなんて 馬鹿げている」
「今後数日以内に貿易に関する書簡を送る予定だ」
「今週中にもガザ合意が成立する可能性がある」 「ゼレンスキー・ウクライナ大統領との電話会談は良か った、プーチン露大統領には失望」
7日11:28
「BRICSの反米政策に同調する国には10%の追加関税 が課される」
8日01:20
「日本に貿易に関する書簡を送付した」
「日本からの輸入品に25%関税賦課へ」
8日03:21
「南アフリカからの輸入品に30%の関税を賦課」
7日14:47マクルーフ・アイルランド中央銀行総裁
「ユーロがドルの代替となる準備はできていない」
8日00:19ナバロ米大統領上級顧問
「パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の金利据え置 きは深刻な悪影響をもたらしている」
「FRBにはパウエル議長のスタンスに対する抵抗での介 入を求める」
※時間は日本時間
【日足一目均衡表分析】
<ドル円=雲上抜けの持続力が問われる>
大陽線引け。下げても144.23 円までと4 日安値144.18 円
がサポートとなって切り返すと、日足・一目均衡表の雲を上
抜いて146.24 円まで上昇した。
本日、雲上限は145.55 円に位置。同水準がサポートにな
るようだと、先月23 日の上影をたどる動きが期待される。
ただし、雲上限を割り込むと雲下限144.76 円に向けた下押
しもあり得る。
レジスタンス1 147.09(6/23 上影の1/2 戻し)
前日終値 146.05
サポート1 145.55(日足一目均衡表・雲の上限)
サポート2 144.76(日足一目均衡表・雲の下限)

<ユーロドル=下値が意識されやすい局面か>
陰線引け。1.18 ドルを前に上値の重さを確認すると、日
足・一目均衡表の転換線1.1710 ドルを割り込んで先月27 日
以来となる1.1687 ドルまで下落した。
連騰が9 でストップすると、その後は1.18 ドルが重くな
るなど、目先は下値模索の動きが先行しやすいと見る。昨日
安値を割り込むと、21 日線1.1628 ドルや日足・一目均衡表
の基準線1.1593 ドルが試されそうだ。
レジスタンス1 1.1742(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.1709
サポート1 1.1628(21 日移動平均線)

<ユーロ円=昨年7 月以来の171 円台に上伸>
陽線引け。3 日高値を上抜けると171.32 円まで上昇して昨
年7 月以来の高値水準となった。
短期的な趨勢を示す5 日移動平均線は上向きを維持してお
り、上昇トレンドにあることを示唆。本日も上値が意識され
やすいと見る。昨日高値を上抜くと、節目の172 円を意識し
た展開が見込まれる。仮に下押しても本日170.42 円付近に
ある 5 日線がサポートとなろう。
レジスタンス1 171.88(2024/7/19 高値)
前日終値 171.03
サポート1 170.42(5 日移動平均線)

<豪ドル円=転換線横ばい見通し、方向感出にくいか>
小陽線引け。94.24 円まで下押すも節目の94 円を前に下げ
渋ると、95.05 円まで切り返したが一時的となるなど、方向
感が定まらなかった。
日足・一目均衡表の転換線は、今週中は94.67 円で横ばい
の見通し。短期的には方向感模索の動きが続くことが予想さ
れる。昨日高値のほか3 日高値95.37 円が上値を抑え、昨日
安値のほか1 日安値93.97 円が下値を支える中、次の動きを
待つことになるか。
レジスタンス1 95.37(7/3 高値)
前日終値 94.81
サポート1 93.97(7/1 安値)

