デイリーレポート 7月11日
July 11, 2025
【前日の為替概況】ドル円、米10年債利回り4.37%台で146.79円まで上昇するも一時的
0日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は146.26円と前営業日NY終値(146.33円) と比べて7銭程度のドル安水準だった。前週分の米新規失業保険申請件数が市場予想より強い結果となり、 米10年債利回りが4.37%台まで上昇すると146.79円まで上値を伸ばした。ただ、その後は米長期金利 が徐々に上昇幅を縮小した影響で146.10円台まで押し戻された。
なお、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事は「7月の利下げは検討可能」「金利をめぐる私見は政治 的なものではない」などの見解を示したほか、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つムサ レム米セントルイス連銀総裁は「インフレにはいくぶんの上振れリスクがある」「関税がインフレ率を上 昇させると予想」と述べた。
ユーロドルは続落。終値は1.1701ドルと前営業日NY終値(1.1720ドル)と比べて0.0019ドル程度の ユーロ安水準だった。NY勢の参入後は米長期金利の上昇とともに売りに押される展開となり、23時30 分前に1.1663ドルまで下押し。今週の初めからサポートとして意識されてきた1.1680-90ドルの支持帯 を下抜けた。もっとも、一巡後は米金利が上昇一服となったことで1.1700ドル前後まで下げ渋った。
ユーロ円は続落。終値は171.14円と前営業日NY終値(171.50円)と比べて36銭程度のユーロ安水準 だった。ユーロドルの下落やドル円の伸び悩みなどにつれて円買い・ユーロ売りが進み、一時170.94 円 まで値を下げた。
【本日の東京為替見通し】ドル円、米10年債利回りや日経平均株価を睨んでの相場展開か
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りや日経平均株価の動向を睨みながらの相場展開 が予想される。
昨日のドル円は、9日の米10年債利回りの4.41%台までの上昇に連れた高値147.18円から、4.33%台 までの低下に連れた安値145.76円まで下押ししたものの、支持帯となっている一目均衡表・雲の上限 145.55円が機能して下げ渋る展開となっている。本日も、米10年債利回りの動向を睨みつつ、雲の上限 を念頭に置きながら相場に臨んでいきたい。
トランプ米政権の看板政策である「大規模な減税・歳出法案」は、超党派機関の米議会予算局(CBO) の試算によれば、米財政赤字を今後10年間に3.3兆ドル膨らませる見込みとなっている。しかし、ベッ セント米財務長官が、米金融機関に米国債を購入させるために補完的レバレッジ比率(SLR)を緩和する ことを示唆したことで、トリプル安(ドル安・株安・債券安)の引き金となりやすい米国債の下値不安が 和らいでいることが確認できた。
一方で、米国債にとっての懸念材料は、2011年8月5日の米格付け機関スタンダード&プアーズ(S&P) による米国債格下げショックの再現となることであり、警戒を怠らずに夏相場に臨んでいきたい。今夜発 表される米国6月の財政赤字は110億ドルと予想されており、昨年6月の709.65億ドルの赤字からの赤 字幅の減少が見込まれている。背景には、トランプ関税による歳入増があると思われるため、確認してお きたい。
ベッセント米財務長官は、2025年の関税収入が通年で3000億ドルを超えるとの見通しを示しているが、 関税を負担しているのは、輸出国ではなく輸入国(輸入業者や消費者)である。ノーベル経済学賞の経済 学者ジョセフ・スティグリッツ氏やポール・クルーグマン氏が「愚挙」と断じるトランプ関税は、いよい よ来月1日から本格的に発動されることになる。米国の貿易赤字削減を目指したトランプ関税だが、今年 1-5月の貿易赤字は5223.75億ドルとなっており、昨年のバイデン政権時の1-5月の貿易赤字3473.40億 ドルから50%程度増えている。
昨日はハト派のウォラーFRB理事が「7月FOMCの利下げは検討可能」と述べたが、7月利下げに言及し ているのは、ボウマンFRB副議長との二人だけである。先日のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ) 紙は、次期FRB議長候補にハセット米国家経済会議(NEC)委員長が浮上したと報じ、トランプ米大統領 も米連邦準備理事会(FRB)の金融政策を巡り2度ほど会談を行ったとのことである。FRBの金融政策を 巡るリスクシナリオは、次期FRB議長にFRBに対して利下げ圧力をかけ続けているハセットNEC委員長が 指名され、影のFRB議長としてパウエルFRB議長をレームダック化させることとなる。
【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○15:00 ◇ 6 月独卸売物価指数(WPI)
○15:00 ☆ 5 月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%)
○15:00 ◎ 5 月英鉱工業生産(予想:前月比▲0.1%/前年比0.2%)
○15:00 ◎ 5 月英製造業生産高(予想:前月比▲0.1%)
○15:00 ◇ 5 月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:210.00 億ポンドの赤字/46.05 億ポンドの赤字)
○15:45 ◇ 6 月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.3%/前年比0.9%)
○16:00 ◇ 6 月スイスSECO 消費者信頼感指数(予想:▲35.0)
○16:00 ◇ 5 月トルコ経常収支(予想:9.0 億ドルの赤字)
○17:00 ◎ パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:40 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○20:30 ◎ チポローネECB 専務理事、講演
○21:00 ◇ 5 月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比▲0.1%)
○21:30 ◇ 5 月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲1.7%)
○21:30 ☆ 6 月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化ゼロ/失業率7.1%)
○12 日01:00 ◎ 6 月ロシアCPI(予想:前月比0.2%)
○12 日03:00 ◎ 6 月米月次財政収支(予想:335 億ドルの赤字)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
10日08:04ルラ・ブラジル大統領
「ブラジルはアメリカに対して相互主義法を用いて対応 する」
10日09:31トランプ米大統領
「8月1日より銅に対して50%の関税を課すことを発表」
「この50%の関税はバイデン政権の軽率な行動と愚か さを覆すもの」
「アメリカは再び圧倒的な銅産業を築き上げるだろう」
「今こそ我々の黄金時代だ」
10日14:49ビルロワドガロー仏中銀総裁
「今年のフランスのGDPは0.6%と見込んでいる」
「成長率は低調だが、フランスにとってはポジティブ」
10日16:22中国商務省
「米国とは、経済・貿易分野における懸念事項について 協議を継続している」
「米国と中国が歩み寄り、対話と意思疎通を強化し続け ることを期待」
10日23:04ムサレム米セントルイス連銀総裁
「インフレにはいくぶんの上振れリスクがある」
「米経済は良い状況にあり、完全雇用かそれに近い状 態にある」
「金融政策は適度に制限的」
「関税がインフレ率を上昇させると予想」
「過去3カ月間のインフレのトレンドはポジティブだった」
11日03:14ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「現在の政策金利はなお非常に抑制的」
「7月の利下げは検討可能」
「金利をめぐる私見は政治的なものではない」
11日03:43デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「インフレは緩和しつつある」
「金融政策は依然として引き締め的」
「2025年に2回の利下げが実施される可能性が高い」
※時間は日本時間
【日足一目均衡表分析】
<ドル円=十字線出現で方向感模索か>
陰線引け。日足・一目均衡表の雲上限を前に下げ渋り、上
げても節目147 円を前に重いなど、方向感が定まらなかった。
上下に影の長い十字線を付けたことで、目先は昨日の攻防
のポイントをどちらにブレイクするか見極めることになる
か。上値は節目の147 円、下値は前述の雲上限145.55 円の
どちらかを突破するまでの間、十字線が示す方向感模索の展
開が見込まれる。
レジスタンス2 148.03(6/23 高値)
レジスタンス1 147.00(心理的節目)
前日終値 146.26
サポート1 145.55(日足一目均衡表・雲の上限)

<ユーロドル=21 日線を割れると基準線が視野に>
陰線引け。日足・一目均衡表の転換線付近で上昇が一服す
ると、先月26 日以来となる1.1663 ドルまで下落した。
足元で支持となっていた1.1680 ドルレベルを割り込んだ
ことで、本日は下値余地が広がるか注目したい。昨日サポー
トとなった21 日移動平均線1.1659 ドルを下抜けると、基準
線1.1601 ドルを目指す動きが想定される。
レジスタンス1 1.1790(7/7 高値)
前日終値 1.1701
サポート1 1.1601(日足一目均衡表・基準線)

<ポンド円=5 日線を巡る攻防に注目>
小陰線引け。199 円台での上値の重さを確認すると、198.38
円まで下落。戻りも鈍く198.60 円で引けた。9 日に約1 年ぶ
り高値を見た後で2 手連続の陰線引け。
短期的なすう勢を示す5 日移動平均線は198.77 円付近に
位置。同線が抵抗として意識される場合は調整局面入りの可
能性が出てきそうだ。日足・一目均衡表の転換線197.60 円
が支持となるか注目したい。
レジスタンス1 199.83(7/9 高値)
前日終値 198.60
サポート1 197.60(日足一目均衡表・転換線)

<NZ ドル円=200 日線がサポート、89 円が見えてくるか>
陽線引け。200 日移動平均線で下値の堅さを確認すると、
88.26 円まで上昇して9 日高値88.34 円に接近。1 月以来と
なる88 円台に乗せて引けた。
一目均衡表では三役好転が点灯しているほか、21 日線も上
向きを維持しており、200 日線をバックに買いで挑みたい局
面。9 日高値を明確に超えると89 円が視野に入りそうだ。
レジスタンス1 89.28(1/24 高値)
前日終値 88.25
サポート1 87.43(200 日移動平均線)

