デイリーレポート 7月14日
July 14, 2025
【前日の為替概況】ドル円、147円半ばまで3日ぶり反発ユーロドルは3日続落
11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反発。終値は147.43円と前営業日NY終 値(146.26円)と比べて1円17銭程度のドル高水準だった。NY勢の参入後は米長期金利の上昇とともに 上値を試す動きとなった。23時過ぎには一時147.52円まで上昇。引けにかけても米10年債利回りが 4.42%台まで上昇幅を拡大する中で底堅く推移した。
ユーロドルは3日続落。終値は1.1689ドルと前営業日NY終値(1.1701ドル)と比べて0.0012ドル程 度のユーロ安水準だった。シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事が「インフレが持続的に下振れす るリスクはない」「追加利下げのハードルはとても高い」などの見解を示すと、ECBの利下げ局面が終わ りに近づいているとの見方が改めて意識され、22時30分過ぎには一時1.1714ドルまで本日高値を更新 した。ただ、米長期金利の上昇によるドル買い圧力が強まったことから買いは続かず、その後は上値が重 くなった。
ユーロ円は3営業日ぶりに反発。終値は172.30円と前営業日NY終値(171.14円)と比べて1円16銭 程度のユーロ高水準だった。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが進み、一時172.42円と昨年7 月以来の高値を更新した。
また、カナダドル円もしっかり。全般に円売りが進んだ流れに沿ったほか、この日発表された6月カナ ダ雇用統計が強い結果となったことも材料視され、一時107.85円まで買いが入った。
【本日の東京為替見通し】円高に傾きにくいが、関税懸念加速でドル売り再燃には警戒
本日、日米で為替の動意につながりそうな指標発表やイベントは予定されていない。先週の流れを引き 継ぎ、本日の東京タイムではドル高・円安の圧力を受けやすい。足もとでは米早期利下げ思惑が後退し、 関税の懸念で日銀による追加利上げ期待は高まらず、ドル円の下方向への警戒感は和らいでいる。
トランプ米政権は貿易相手国に新たな関税率を通告しているが、米国売りは観測されず、先週は高関税 賦課を示唆した国の通貨が売られる展開となった。日本にも25%の関税率を賦課するとしており、足も とでは円高に傾きにくい。関税の引き上げが日銀の利上げに影響し、日本の貿易赤字も拡大するとの観測 が高まることで、関税の警戒感が円売りにつながりやすくなっている。
また、20日投開票の参院選は、与党が参院での過半数を維持できるかが焦点となっている。今回争わ れる議席の過半数は63議席で、与党側は50議席を確保すれば全体の過半数を維持することになるが、50 議席を割り込めば政策運営が厳しくなり、財政拡張的な野党の意向が取り込まれることで国債利回りに上 昇圧力が加わる可能性が高い。日銀としては、利回りの上昇に拍車をかけることになる利上げが難しくな るため、利上げ観測の後退が円安を促す可能性がある。
なお、米国が各国に通告している新たな関税率は適用が8月1日とされた。「相互関税」の上乗せ一時 停止期限の7月9日が交渉期限と目されていたものが、1カ月弱延長されたと楽観的に受け止めている面 がある。しかしながら、今後高関税賦課を通告した各国との交渉が難航し、相手国も米国への報復措置を 強める姿勢を示せば、米政権の関税方針による米経済の失速懸念が高まり「米国売り」が再燃する可能性 は残される。今後も関税関連のヘッドラインに注目する相場が続きそうだ。
【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 5 月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比▲1.5%/前年比3.4%)
○13:30 ◇ 5 月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 5 月設備稼働率
○13:30 ◇ 5 月第三次産業活動指数(予想:前月比0.1%)
<海外>
○09:00 ◎ 4-6 月期シンガポール国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.6%)
○未定 ◎ 6 月中国貿易収支(予想:1090.0 億ドルの黒字)
○15:30 ◇ 6 月スイス生産者輸入価格
○16:30 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○19:30 ◎ 6 月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比2.50%)
○21:30 ◇ 5 月カナダ卸売売上高
○24:00 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、議会証言
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
11日08:48グールズビー米シカゴ連銀総裁
「関税の影響は、驚くほど少ない」
「政府債務を安くするために利下げすべきだという議論 は理解できない」
「連邦準備制度(FRB)の構造は贅沢なものではない」
「関税がインフレを押し上げているという証拠は多くな い」
「関税による混乱や曖昧さが続いているため、FRBとし てはその解消が必要」
11日09:01ルラ・ブラジル大統領
「BRICSはトランプ大統領が怒る理由にはならない」
「先進国に従属することにうんざりしている」
「トランプ大統領が米国とブラジルの強固な関係を妨げ ている」
「経済界のリーダーたちが政府と歩調を合わせることを 望む」
11日09:57米当局者
「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に対する製品の 関税免除は維持する」
11日17:11シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理 事
「追加利下げのハードルはとても高い」
「インフレが持続的に下振れするリスクはない」
「ユーロ高が価格に影響を及ぼすという懸念は誇張され ている」
「更なる利下げには大幅なインフレ率の変動が必要」
「欧州中央銀行(ECB)はより柔軟になってきている」
※時間は日本時間
【日足一目均衡表分析】
<ドル円=目先の節目を上抜け、しっかりした足型形成>
大陽線引け。9 日に伸び悩んで上ひげを形成した際の高値
147.18 円を上抜けて上昇した。しっかりした足型を形成して
いる。
足もとの動向を示唆する一目均衡表・転換線145.42 円も
しばらく切り上がりが続く見込み。伸び悩んで長い上ひげを
つけた6 月23 日の高値148.03 円の上抜けを試す展開が期待
できる。
レジスタンス2 148.65(5/12 高値)
レジスタンス1 148.03(6/23 高値)
前日終値 147.43
サポート1 146.54(ピボット・サポート1)

<ユーロドル=基準・転換線の接近レンジへ収れんする流れ>
小陰線引け。9 日に1.1755 ドルでピークアウトした一目均
衡表・転換線を下回る水準でじり安だった。下値を探りつつ、
一目・基準線1.1601 ドル前後が下げ渋りのポイントになる
か見定める局面。同線付近の底堅さを確認しつつ、基準線と
転換線の接近が予想される1.16 ドル半ばレンジに収れんし
やすい流れが想定できる。
レジスタンス1 1.1731(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.1689
サポート1 1.1601(日足一目均衡表・基準線)

<ユーロ円=5 日線の上昇ともなう堅調推移が続くか>
大陽線引け。一時170.81 円と、一目均衡表・転換線に近
づいたところから反転・上伸して、昨年7 月以来の高値を
172.42 円まで更新した。目先のすう勢を示す5 日移動平均線
(本日171.71 円前後)の上昇をともなう堅調な推移が続く
か。同線付近から下押して昨日の上昇幅を縮小するような調
整があっても、今後も切り上がりが予想される転換線170.73
円が支えになってくるとみる。
レジスタンス1 172.83(2024/7/17 高値)
前日終値 172.30
サポート1 170.81(7/11 安値)

<豪ドル円=低下中の200 日線に近づいても深押しは回避へ>
下影陽線引け。96 円割れとなる場面もあったが下げ渋り、
底堅さを示す下ひげをともなう足型を形成した。2 月以来の
97 円台を回復している。低下中の200 日移動平均線95.81 円
に近づくような調整の下押しも想定しておきたいが、同線を
上抜けてくる見込みの一目均衡表・転換線95.59 円が支えと
なり深押しは回避できるだろう。
レジスタンス1 97.33(2/12 高値)
前日終値 96.96
サポート1 95.98(7/11 安値)

