デイリーレポート 8月1日
August 1, 2025
【前日の為替概況】ドル円、大幅続伸150.84円と約4か月ぶり高値更新ユーロドルは小反発
31日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は150.75円と前営業日NY終値(149.51円) と比べて1円24銭程度のドル高水準だった。植田和男日銀総裁の会見を受けて、「日銀は追加利上げを急 いでいない」との見方が広がる中、NY勢参入後も円売りの流れが続いた。米連邦準備理事会(FRB)が金 融政策を判断するうえで重視している6月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で、変動が 激しい食品とエネルギーを除くコア・デフレーターが前年比で予想を上回り、4-6月期米雇用コスト指 数の伸び率も予想を上回ると、米インフレ圧力の根強さが意識されてドル買いも進んだ。5時過ぎには一 時150.84円と3月28日以来約4カ月ぶりの高値を更新した。
ユーロドルは6営業日ぶりに小反発。終値は1.1415ドルと前営業日NY終値(1.1405ドル)と比べて 0.0010ドル程度のユーロ高水準となった。米利下げ観測の後退や米経済指標の上振れを受けてユーロ売 り・ドル買いが先行。22時30分前に一時1.1406ドル付近まで値を下げた。
ただ、オセアニア時間に付けた日通し安値1.1404ドルや前日の安値1.1401ドルが目先サポートとして 働くと持ち直した。市場では「月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買 いのフローが観測された」との声も聞かれた。もっとも、フィキシング通過後は再び上値が重くなった。 ユーロ円は4日ぶりに反発。終値は172.08円と前営業日NY終値(170.51円)と比べて1円57銭程度 のユーロ高水準。植田日銀総裁が早期利上げに慎重な姿勢を示したことを受けて、円全面安の展開となっ た。4時過ぎには一時172.34円と日通し高値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時199.52円、豪ドル円は97.00円、NZドル円は 88.90円、カナダドル円は108.94円、スイスフラン円は185.73円まで値を上げた。
メキシコペソ円はトランプ米大統領が「メキシコとの関税ディールを90日間延長する」と述べたこと も相場の支援材料となり、一時8.03円と昨年8月1日以来約1年ぶりの高値を更新した。
【本日の東京為替見通し】ドル円、上値が重い展開か今夜の米7月雇用統計への警戒感から
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される米7月雇用統計への警戒感から上値が重い展開が 予想される。
ドル円は昨日、パウエルFRB議長の利下げに慎重なスタンス、植田日銀総裁の利上げに慎重なスタンス を受けて、攻防の分岐点であった200日移動平均線を上抜けて150円台後半まで上昇した。昨年の7月末 にパウエルFRB議長のハト派的な見解と植田日銀総裁のタカ派的な見解でドル売り・円買いに拍車がかか ると、150円を割り込んで翌月に141.70円まで下落していた。そして過去最大規模に膨らんでいたIMM シカゴ筋の円のネット売りポジションは、ネット買いポジションに転換した。
今後の懸念材料としては、赤沢経済再生相との日米関税合意の席で、円安に懸念を表明していたトラン プ米大統領による円安牽制発言となる。円安の要因を日銀の低金利だと指摘しているベッセント米財務長 官は、日米関税合意について、「トランプ大統領が日本の実行状況に不満であれば、関税率は自動車も含 めて25%に逆戻りする」と述べており、円安の進行により対日関税が15%から25%に引き上げられる可 能性には警戒しておきたい。
米連邦公開市場委員会(FOMC)では、1993年12月以来となる2名のFRB理事の反対票が投じられての 金融政策の据え置きが決定された。1993年12月のFOMCでは、グリーンスパン第13代FRB議長らの多数 派による政策金利3.0%での据え置きが決定されたが、その後の展開は、6.0%までの利上げを余儀なく されたため、利上げを主張した2名(エンジェルFRB理事とリンゼーFRB理事)が正しかった。
今回利下げを主張したウォラーFRB理事やボウマンFRB副議長は、労働市場への懸念を理由にしており、 今夜の米7月雇用統計への注目度合いが高まっている。米7月雇用統計の予想は、失業率が4.2%で6月 の4.1%から上昇、非農業部門雇用者数は前月比+10.4万人で、6月の同比+14.7万人からの増加幅の減少 が見込まれている。
予想通りに米国の雇用情勢の悪化が確認された場合、2名の反対者の懸念が正しかったことになり、ト ランプ米大統領が次期FRB議長を早期に選任する動機を強めることになる。現時点で次期FRB議長の候補 に挙がり受諾することを表明しているウォラーFRB理事とウォーシュ元FRB理事は、利下げを主張してい る。
【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 6 月完全失業率(予想:2.5%)
○08:30 ◎ 6 月有効求人倍率(予想:1.25 倍)
〇臨時国会が召集
<海外>
○07:45 ◎ 6 月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○10:30 ◎ 4-6 月期豪卸売物価指数(PPI)
○10:45 ◎ 7 月Caixin 中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.2)
○15:00 ◇ 7 月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.5%)
○16:00 ◇ 7 月トルコ製造業PMI
○16:50 ◎ 7 月仏製造業PMI 改定値(予想:48.4)
○16:55 ◎ 7 月独製造業PMI 改定値(予想:49.2)
○17:00 ◎ 7 月ユーロ圏製造業PMI 改定値(予想:49.8)
○17:30 ◎ 7 月英製造業PMI 改定値(予想:48.2)
○18:00 ☆ 7 月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.9%)
○18:00 ☆ 7 月ユーロ圏HICP コア速報値(予想:前年比2.3%)
○21:30 ☆ 7 月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化10.4 万人/失業率4.2%/平均時給、前月比
0.3%/前年比3.8%)
○22:45 ◎ 7 月米製造業PMI 改定値(予想:49.7)
○23:00 ☆ 7 月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:49.5)
○23:00 ◇ 6 月米建設支出(予想:前月比横ばい)
○23:00 ◎ 7 月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:62.0)
○24:00 ◇ 7 月メキシコ製造業PMI
○スイス(建国記念日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
31日12:01日本銀行声明
「政策金利の現状維持、全員一致で決定」
「基調的な物価上昇率、成長鈍化で伸び悩み後に徐々 に高まる」
「予想物価上昇率、緩やかに上昇している」
31日13:37トランプ米大統領
「カナダはパレスチナの独立を支持すると発表」
「これにより、カナダとの貿易協定締結は非常に困難に なるだろう」
1日00:08
「メキシコは自動車に25%、鉄鋼に50%の関税を支払 う」
「メキシコとの関税ディールを90日間延長」
31日15:37植田日銀総裁
「日米関税の合意は大きな前進」
「賃金と物価が相互に緩やかに上昇していくメカニズム は維持される」
「見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を 引き上げる」
「不確実性、低下したとはいえ、なお高い状況続く」
「リスクや確度を点検し、利上げの是非やタイミングを適 切に判断」
「基調的な物価上昇率、2%に向けて緩やかに上昇して いく」
「インフレ率の上方修正だけで金融政策が左右されるも のではない」
「米関税を巡る見極めの期間は現時点で確定的なこと は言いにくい」
「賃金のサービス価格への影響、加速しているとはみて いない」
「基調的な物価上昇率は2%に届いておらず、緩和的な 金融政策を維持している」
「足もとの為替の動き、物価見通しに直ちに影響あると は見ていない」
※時間は日本時間
【日足一目均衡表分析】
<ドル円=200 日線をしっかり上抜け、上昇トレンドが強化>
大陽線引け。148 円半ばを下押し水準に切り返すと、149
円半ばの200 日線を上抜けて上げ足を速めた。150 円台乗せ
にも成功し、150.84 円と約4 ヵ月ぶりの高値を更新している。
200 日線をしっかりと超えて引けており、上昇トレンドの
強さがうかがえる。2 日で約3 円上げた後で下向きの揺り戻
しがあったとしても、あくまで調整の範囲に留まりそうだ。
上値はまず2 月20 日高値151.48 円が意識されるポイント。
レジスタンス1 151.48(2/20 高値)
前日終値 150.75
サポート1 149.59(200 日移動平均線)
サポート2 148.35(日足一目均衡表・転換線)

<ユーロドル=雲の下限や90 日線を巡る攻防が続く>
小陽線引け。1.14 ドル手前で支えられると、1.1461 ドル
まで持ち直した。一巡後は再び上値を切り下げるも、1.14 ド
ル前半では下げ渋り、小幅ながら6 手ぶり陽線引け。
日足一目・雲の下限は1.1409 ドル、90 日線が1.1421 ドル
まで水準を切り上げ。両水準を巡る攻防が本日も注目される。
ただ、昨日の戻しの弱さを見ると下方向へのリスクを意識せ
ざるを得ない。1.14 ドルを割れた場合の動きも見定めたい。
レジスタンス1 1.1484(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 1.1415
サポート1 1.1341(6/2 安値)

<ユーロ円=21 日線が172 円付近まで上昇、今後も上向き>
大陽線引け。169.70 円台まで売り込まれたところから大き
く切り返した。171 円台の日足一目・基準線や転換線を上抜
け、一時172.30 円台まで上げ幅を拡大。4 手ぶりの陽線引け。
21 日線が本日172 円付近まで上昇し、来週も上向きを示唆。
引け水準に近い同線を睨みながら、その方向性や実線が転換
線を再び上回ったことを尊重し、買い目線で臨みたい。171
円前半の基準線が支持として働くことを期待。
レジスタンス1 173.04(ピボット・レジスタンス1)
前日終値 172.08
サポート1 171.22(日足一目均衡表・基準線)

<豪ドル円=転換線から21 日線辺りまでが目先の下値めど>
陽線引け。下押し水準を95 円後半でとどめて反発すると、
96 円半ばの日足一目・転換線を超えて、97 円まで上値を伸
ばした。4 手ぶりの陽線引け。
95 円台では後半の基準線や半ばの200 日線が支持帯として
機能した。本日は、96.40 円台の転換線から21 日線96.38 円
辺りまでを目先の下値めどと想定。97 円台乗せとなれば、先
月15 日高値97.43 円を目指す展開か。
レジスタンス1 97.43(7/15 高値)
前日終値 96.87
サポート1 96.15(ピボット・サポート 1)

