Titan FX(タイタンFX)

ウィークリーレポート 2023年12月22日

週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円)

December 22, 2023

日銀総裁講演などに注目

◆ドル円、植田日銀総裁の講演と日銀会合「主な意見」に注目

◆12 月の米シカゴ購買部協会景気指数や中国製造業・サービス業 PMI にも注目

◆ユーロドル、ユーロ圏リセッション懸念で上値限定か

予想レンジ

ドル円 140.00-144.50 円

ユーロドル 1.0700-1.1100 ドル

12 月 25 日週の展望

ドル円は、25 日の植田日銀総裁の講演と 27 日に公表される日銀金融政策決定会合(18‐19 日 開催)での「主な意見」に注目している。

植田日銀総裁は、7 日の参院財政金融委員会での答弁で、「チャレンジングな状況が続いている が、年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる。丁寧な説明、適切な政策に努め ていきたい」と述べ、一段と慎重な金融政策運営が求められるとの認識を示した。ただ、18-19 日の日銀金融政策決定会合で大規模な金融緩和政策の継続が決定された後の会見では、チャレン ジング発言について、「国会で仕事への取り組み姿勢を問われ、一段と気を引き締めてというつも りだった」と説明した。また、マイナス金利解除の時期としては「1 月会合までの新しい情報次 第にならざるを得ないが、新しいデータはそんなに多くない」と 1 月説を否定している。

来週、25 日の植田日銀総裁の講演では、マイナス金利解除のタイミングや、政府経済見通しで 2024 年度の消費者物価指数(CPI)が 2.5%だったことへの見解を見極めることになりそうだ。ま た、27 日に公表される日銀金融政策決定会合の「主な意見」では、市場のマイナス金利解除への 思惑に対して、11 日に関係者の話として「賃金と物価の好循環の実現に向けた十分な確証が得ら れていないため、マイナス金利や YCC の撤廃などを今月急ぐ必要はほとんどないとの認識」と一 部で報じられたこともあり、実際の会合内での意見を確認したいところだ。米国経済指標では、 29 日に発表される 12 月シカゴ購買部協会景気指数、中国経済指標では年末の 12 月製造業・サー ビス業 PMI に注目している。

欧州では、ユーロ圏経済とドイツ経済がリセッション(景気後退)に陥る可能性が高まりつつ あるなか、来年の欧州中央銀行(ECB)による利下げ開始観測が浮上している。そのため、ユーロ ドルの上値は限定的だと予想される。

12 月 18 日週の回顧

ドル円は、18-19 日の日銀金融政策決定会合で大規模な金融緩和政策の継続が決定されたこと から一時 144.96 円まで上昇したが、米 10 年債利回りが 3.8%台前半まで低下したこともあり 141.87 円まで反落するなど荒い値動きとなった。年末で市場参加者が少なく、値幅を伴った動き が繰り返されている。植田日銀総裁の発言を巡り、様々な思惑が交錯する相場。

ユーロドルは、米長期金利の低下を受けて底堅い展開。週末にかけては、目先の戻り目処とし て意識されていた 14 日の高値 1.1009 ドルを上抜けて一時 1.1013 ドルまで値を上げている。ユー ロ円は、154.78 円から 158.57 円まで上昇した後、ドル円の反落を受けて 156.13 円まで反落した。 (了)

週間展望・回顧(豪ドル、南ア・ランド)

December 22, 2023

年末年始相場、方向感出にくい

◆年末年始は注目イベントも少なく、方向感出にくい

◆豪ドル、植田日銀総裁講演や米雇用統計など国外要因に警戒

◆ZAR、財政収支に注目も年末のフローに注意

予想レンジ

豪ドル円 93.00-98.00 円

南ア・ランド円 7.50-8.00 円

12 月 25 日週の展望

豪ドルは小幅な値動きとなりそうだ。年末年始は地政学リスクで動く可能性はあるものの、市 場を動意づけるのは難しいだろう。昨年末から今年の年始での 2 週間の値動きを見ても、豪ドル 円は 2 円弱程度、豪ドル/ドルは約 150 ポイントのレンジで上下を繰り返した程度で終わってい る。豪州からは、年末年始の 2 週間を通しても主だった経済指標の発表予定はない。また、隣国 ニュージーランドからも同様に主だった指標の発表予定がない。豪ドルが主体性をもって相場を 動意づけるのは、1 月 9 日に発表される 11 月小売売上高や 1 月 10 日の消費者物価指数(CPI)、1 月 18 日の 12 月雇用統計までは難しそうだ。

そのため、オセアニア通貨は上述の地政学リスク以外では、他国の動向が左右する相場展開と なるだろう。日本からは、25 日に植田日銀総裁が経団連の会議で講演する予定になっているほか、 26 日には 11 月の本邦雇用統計、2 年債入札、28 日には 11 月小売売上高、鉱工業生産などが発表 される。植田日銀総裁の発言次第で再び豪ドル円が動意づくことには警戒しておきたい。

また、米国からは 27、28、29 日にそれぞれ 2 年、5 年、7 年債入札が控えているほか、複数の 重要指標が年末までに予定されている。年明けの 1 月 5 日には 12 月雇用統計が発表される。入札 結果や経済指標の結果次第では、米金利が動意づき豪ドル/ドル相場に大きく影響を与えること になるだろう。なお、米国の経済指標が強い結果となった場合は、豪州の 12 月 CPI を下方修正す る予想も出てきていることもあり、豪ドル/ドルの重しになる。

南アフリカ・ランド(ZAR)もレンジ取引となりそうだ。南アからは 29 日に 11 月貿易収支、11 月次財政収支が発表される。7-9 月期の経常赤字が大幅に減少したことで、11 月の財政赤字が市 場予想よりも減少していれば ZAR の支えになるだろう。もっとも、29 日は月末、年末ということ もあり、ロンドンフィキシングなどを中心に大きなフローが出る可能性がある。市場が想定して いる以上に大きな値動きとなることには注意が必要だろう。

12 月 18 日週の回顧

豪ドルは対ドルでは小動き、対円では買いが優勢となった。日銀金融政策決定会合で緩和策が 維持されたほか、フォワードガイダンスなどの文言変更もなかったことで、早期マイナス金利解 除への思惑後退から豪ドル円は 97 円半ばまで反発した。しかしながら、円売りの勢いも徐々に弱 まり上値も抑えられた。また、RBA 議事要旨では「インフレは低下し続けたが、依然として高い」 とインフレへの警戒感が維持されたが、今後の政策については「データ次第」としたこともあり、 市場の反応は限定的だった。

ZAR は対ドルでは横ばい、対円では反発した。豪ドル円同様に、日銀政策決定会合後に円安が 進んだ影響で下値が支えられ、一時 1 日以来となる 7.89 円まで買い戻される場面もあった。対ド ルでは 18ZAR 前半でのもみ合いとなった。(了)

週間展望・回顧(ポンド、加ドル)

December 22, 2023

年末で取引閑散、方向感出にくい

◆年末で流動性低下に注意、手がかり難で方向感出にくい

◆ポンド、来年の利下げ思惑の高まりで上値重い

◆加ドル、動意に欠ける動きが続きそう

予想レンジ

ポンド円 178.00-185.00 円

加ドル円 105.00-109.00 円

12 月 25 日週の展望

今週、主要国の中銀のなかでも日銀が今年最後の会合を行い、来週は相場全体に手がかりが乏 しい。日銀は緩和策の継続を決定したものの、マイナス金利解除をめぐってはなお不透明感が強 い。また、市場は米連邦準備制度(FRB)だけではなく、欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀 行(BOE)、カナダ中銀(BOC)など、他の主要中銀も来年早い段階で利下げに踏み切ると見込んで おり、相場に方向感が出にくい。ただ、クリスマス・年末休暇入りで流動性が低下し閑散取引と なるなか、突発的な動きには注意が必要だ。

BOE は 12 月会合で「インフレ退治はまだ道半ば」と、来年の利下げに言及した FRB と対照的な シグナルを発信した。今週もブロードベント BOE 副総裁は「政策転換には賃金上昇率減速の確信 が必要だ」と強調した。また、ブリーデン BOE 副総裁も就任後初めての講演で、「賃金の伸びは依 然として高すぎる」とし、「景気抑制的な金融政策を当面維持する必要がある」との考えを示すな ど、市場で高まっている利下げ観測を改めてけん制している。

ただ、11 月消費者物価指数(CPI)が予想以上に伸びが鈍化したことを受けて、市場では来年 の利下げを織り込む動きが一段と強まっている。11 月 CPI は前年比 3.9%と市場予想を大幅に下 回り、2021 年 9 月以来の低水準となった。ハント英財務相は、「インフレ率は半分以下に低下し ており、経済からインフレ圧力が取り除かれつつある」と述べた。市場では来年 3 月までの利下 げ確率が 5 割まで上昇。来年少なくとも 5 回の利下げを実施すると見込んでいる。中銀と市場の 利下げ見通しにズレが生じていることが、今後のポンドの動きに影響を与えそうだ。

加ドルの動意は限られそうだ。今週の原油相場は買い戻しが優勢となるも、中国の景気懸念や 米原油生産量の増加が上値を圧迫。積極的な買いは見込めず、加ドルの支えにはなりにくい。ま た、11 月 CPI は予想を上回る結果になったものの、来年早い段階で BOC が利下げに踏み切るとの 市場の思惑は根強い。11 月 CPI は前年比 3.1%と鈍化予想に反して前月から横ばいとなった。市 場では、依然として BOC が来年の 4 月にも利下げを開始すると見込んでいる。マックレム BOC 総 裁は、「インフレ率が従来予想より早い来年末までに 2%の目標に近づく」との見方を示し、「来 年のある時点で、金利が低下し始める可能性がある」と述べたが、具体的な時期を示すことは控 えた。

12 月 18 日週の回顧

ポンド円は、日銀の緩和策継続の決定を受けて円売りが先行。一時 184 円前半まで上昇したが、 予想比下振れの英 CPI やドル円の失速も重しに 179 円後半まで押し戻された。ポンドドルも上値 が重くなるも、全般ドルの重い動きが継続し 1.26 ドル前半で下げ渋った。加ドルは予想比上振れ の 11 月 CPI が支えに底堅い。ドル/加ドルは小動きながら 1.33 加ドル割れまで加ドル高となっ たが、加ドル円はドル円につれた動きとなり、108 円前半から 106 円半ばに失速した。(了)