デイリーレポート 2024年1月16日

January 16, 2023

【前日の為替概況】ドル円、145.94 円まで上昇 日経平均先物の上昇も支援材料

15 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は 3 営業日ぶりに反発。終値は 145.73 円と前営業日 NY 終 値(144.88 円)と比べて 85 銭程度のドル高水準となった。日本株相場の上昇などを背景に円安・ドル高 が進んだ東京市場の流れを海外市場でも引き継いだ。ナイト・セッションの日経平均先物が堅調に推移し、 3 万 6170 円まで上昇したことも相場の支援材料となり、前週末の高値 145.57 円を上抜けて一時 145.94 円まで上値を伸ばした。

ただ、米国市場がキング牧師誕生日で休場となる中、一目均衡表雲の下限 145.96 円や節目の 146.00 円がレジスタンスとして意識されると上昇は一服した。

ユーロドルはほぼ横ばい。終値は 1.0950 ドルと前営業日 NY 終値(1.0951 ドル)と比べて 0.0001 ドル 程度のユーロ安水準だった。東京市場から続く円安・ドル高の流れがユーロドル相場にも影響し、対ユー ロでもドル買いが先行。19 時 30 分前に一時 1.0934 ドルと日通し安値を更新した。ただ、欧州中央銀行 (ECB)高官らが利下げに慎重な姿勢を示すと下げ渋った。米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測も 根強く、相場を下支えした面があった。

もっとも、本日は米国市場が休場だったことから動意に乏しく、狭い範囲での動きにとどまった。今日 の高値は東京時間に付けた 1.0968 ドルで値幅は 0.0034 ドル程度だった。

ユーロ円は 3 日ぶりに反発。終値は 159.60 円と前営業日 NY 終値(158.66 円)と比べて 94 銭程度のユ ーロ高水準。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが優勢になると、21 時 30 分過ぎに一時 159.83 円と本日高値を付けたものの、買い一巡後は 159 円台半ばでのもみ合いに転じた。

【本日の東京為替見通し】ドル円、日経平均株価や日本国債利回りの動向を見極める展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、リスク選好的な円売りの背景となっているバブル崩壊後の高値を 更新中の日経平均株価やマイナス領域に落ち込んだ本邦 2 年債利回りの動向を眺めながら、昨日上値を抑 えた日足一目均衡表・雲の下限 145.96 円の攻防を見極める展開が予想される。

ドル円は、昨年 11 月 13 日の高値 151.91 円から 12 月 28 日の安値 140.25 円まで 11.66 円下落した後、 先週は 146.41 円まで上昇して、半値戻しの 146.08 円を上回った後に 144.36 円まで反落したものの、昨 日は 145.94 円まで反発した。

昨日のドル円の上値を抑えた一目均衡表・雲の下限 145.96 円は、本日も同水準に位置しているが、17 日は 145.92 円、18 日は 145.34 円まで下りてくる。

雲の下限が抵抗帯として上値を抑えるのか、それとも、雲を上抜けて、61.8%戻し(151.91 円-140.25 円)の 147.46 円を目指すのか注目していきたい。

8 時 50 分に発表される昨年 12 月企業物価指数は前年比-0.3%と予想されており、2021 年 2 月以来のマ イナスに転落することが見込まれている。11 月の企業物価指数は前年比+0.3%に留まり、2022 年 12 月の 同比+10.6%をピークに 11 カ月連続で伸び率が縮小していたことで、予想通りならば 12 カ月連続での伸 び率鈍化となる。

日銀のマイナス金利解除観測は、令和 6 年能登半島地震の影響で 4 月以降に後退しているが、企業物価 指数がマイナスに転落した場合は、さらに先送りされる可能性を高めることになる。

昨日の日本国債の利回りは、日銀の早期政策正常化観測の後退を背景に、新発 10 年国債利回りは 0.55% まで低下し、2 年債利回りは昨年 7 月下旬以来初めてマイナス圏に沈んだ。

市場のコンセンサスは、日銀は、3 月の春闘の集中回答を踏まえた 4 月 25-26 日の日銀金融政策決定会 合でマイナス金利を解除する見込みとなっている。

【本日の重要指標】

<国内>

○08:50 ◇ 12 月企業物価指数(予想:前月比横ばい/前年比▲0.3%)

<海外>

○08:30 ◇ 1 月豪ウエストパック消費者信頼感指数

○16:00 ◎ 12 月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比 0.1%/前年比 3.7%)

○16:00 ◎ 12 月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)

○16:00 ◎ 9-11 月英失業率(ILO 方式、予想:4.2%)

○16:15 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演

○19:00 ◎ 1 月独 ZEW 景況感指数(予想:12.0)

○19:00 ◎ 1 月ユーロ圏 ZEW 景況感指数

○22:15 ◇ 12 月カナダ住宅着工件数(予想:24.30 万件)

○22:30 ◎ 12 月カナダ CPI(予想:前月比▲0.3%/前年比 3.4%)

○22:30 ◎ 1 月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲5.0)

○24:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、議会証言

○17 日 01:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

15 日 21:24 ナーゲル独連銀総裁

「利下げの議論は時期尚早」

「市場は時に過度に楽観的だ」

「インフレはまだ高すぎる」

「データに基づいて会合ごとに判断する」

「利下げを考える前に、夏の休暇を待つことができるか もしれない」

15 日 21:35 ホルツマン・オーストリア中銀総裁

「今年の利下げを見込むべきではない」

「利下げについて議論する理由がない」

※時間は日本時間

【日足一目均衡表分析】

<ドル円=144 円後半まで上昇の転換線を支持に押し目買い>

陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を 下回り、雲の下で引けていることで、売りシグナルが優勢な 展開となっている。しかし、2 手連続陰線の後、抱き線で切 り返して転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆 されている。 本日は 144.64 円まで水準を上げてきた転換線を支持に押 し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。


レジスタンス 2 146.81(日足一目均衡表・雲の上限)
レジスタンス 1 146.41(1/11 高値)
前日終値 145.73
サポート 1 144.64(日足一目均衡表・転換線)
サポート 2 143.33(日足一目均衡表・基準線)

<ユーロドル=基準線や転換線を念頭に置いた取引>

極小陰線引け。転換線は基準線を下回っているものの、遅 行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで買いシ グナルが優勢な展開となっている。3 手連続陰線でも転換線 を上回って引けており、反発の可能性が示唆されている。 本日は 1.0950 ドルの基準線、1.0938 ドルの転換線を念頭 に置き、雲の上限を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。


レジスタンス 1 1.1046(1/2 高値)
前日終値 1.0950
サポート 1 1.0845(日足一目均衡表・雲の上限)

<ポンド円=1/12 安値を支持に押し目買いスタンス>

陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を 上回り、雲の上で推移していることで、三役好転の強い買い シグナルが点灯している。2 手連続陰線の後で切り返し、転 換線を大きく上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。 本日は 12 日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、 同水準を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス 1 186.16(1/11 高値)
前日終値 185.49
サポート 1 184.48(1/12 安値)

<NZ ドル円=基準線を支持に押し目買いスタンス>

陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を 上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシ グナルが点灯している。3 手連続陰線でも転換線を上回って は引けており、反発の可能性が示唆されている。 本日は 90.10 円の転換線を念頭に置き、基準線を支持に押 し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。


レジスタンス 1 90.99(1/11 高値)
前日終値 90.34
サポート 1 89.38(日足一目均衡表・基準線)