Titan FX(タイタンFX)

ウィークリーレポート 2024年3月22日

週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円)

March 22, 2024

ドル円、円先安観から底堅い

◆ドル円、円先安観根強く底堅い動きが続く

◆各国金融政策発表を通過し、経済指標に再び焦点集まる

◆ユーロドル、利下げ観測の高まりから上値重い

予想レンジ

ドル円 148.50-155.00 円

ユーロドル 1.0550-1.1000 ドル

3 月 25 日週の展望

ドル円は、日銀が緩和的な金融環境を継続するとの見方が広がっているほか、相対的にドル先 高観が意識されていることもあり、底堅く推移しそうだ。

日銀は18-19日に開いた金融政策決定会合でマイナス金利やイールドカーブコントロール (YCC)など異次元の大規模緩和を終了させることを決定した。ただ、声明や植田日銀総裁の記者 会見では「当面、緩和的な金融環境が継続する」と強調したことで、海外勢を中心に「日銀が継 続的に利上げをする可能性は低い」との見方を強め、結果公表後の円安を招いた。「日銀が7月か 10月にも利上げを検討する」との一部報道が伝わったものの、円安トレンドが変わらなかったこ とを鑑みると、市場の円先安観は一段と高まっていると判断できる。

また、ドル先高観が高まっていることもドル円の下支え要因となるだろう。19-20日の米連邦 公開市場委員会(FOMC)での金利見通しで年内3回の利下げが据え置かれると、市場では「年内 2回の利下げ予想に変更されるのでは」との思惑もあっただけに発表後はドル安となった。ただ、 前回まで0.25%利上げを主張していた2人のメンバーが据え置きを主張した英中銀(BOE)、唐突 な利下げを発表したスイス中銀(SNB)の動向を受けて、欧州中央銀行(ECB)も「早ければ次回 4月に利下げを実施しやすくなったのでは」との思惑が浮上。欧州通貨の下落リスクの高まりか ら相対的にドルが上昇しやすい状況となっている。

各国の金融政策発表を通過して、今後はそれぞれの経済指標に焦点が向けられることが想定さ れる。来週、米国では26日に3月消費者信頼感指数、28日に10-12月期GDP確定値、29日に2 月PCEコアデフレーターなどが発表される。結果を受けた米長期金利の動向に注目したい。 なお、ドル円は1990年以来の高値水準に接近しているとあって、政府・日銀による介入警戒感 が台頭している点については留意する必要があるだろう。

ユーロドルは、BOEやSNBから相次いでハト派的な姿勢が示されたことでECBの早期利下げ観 測が高まっており、上値の重い展開が想定される。ECBメンバーからのハト派的な発言には敏感 に反応する可能性が高いため、要人発言などには注目したい。

3 月 18 日週の回顧

ドル円は日銀の金融政策発表後から買いが優勢となり、20日には一時151.82円と年初来高値 を更新した。日銀の追加利上げに関する観測記事が伝わると、本邦当局の円安けん制発言もあり 150.27円まで失速する場面があったが、その後は再び高値付近まで持ち直している。 ユーロドルは週前半に一時1.0835ドルまで下落したが、FOMC後にドル安が進んだ場面では 1.0943ドルまで反発。ただ、その後は全般ドルが買い戻されると1.0856ドルまで失速した。(了)

週間展望・回顧(豪ドル、南ア・ランド)

March 22, 2024

豪ドル、中銀がタカ派スタンス修正

◆豪ドル、RBA が追加利上げ文言削除でタカ派スタンスを修正

◆NZ、リセッション入りで利下げ前倒し観測が高まる可能性

◆ZAR、SARB の金融政策に注目

予想レンジ

豪ドル円 97.50-101.50 円

南ア・ランド円 7.85-8.30 円

3 月 25 日週の展望

豪ドルは神経質な展開となりそうだ。18-19日に開催された豪準備銀行(RBA)理事会では予想 通り政策金利の据え置きが決定されたが、声明文では前回までの「追加利上げの可能性を排除で きない」との文言が削除された。タカ派寄りだった従来のスタンスを修正したことは、今後豪ド ル相場の重しとして意識されるだろう。なお、来週は27日に2月消費者物価指数(CPI)の公表 を控えており、相場への影響に注意する必要がある。

一方、日銀は18-19日の金融政策決定会合で市場予想通りにマイナス金利を解除。イールドカ ーブコントロール(長短金利操作、YCC)の撤廃も決めた。同時に緩和的な金融政策を継続する方 針も改めて示したが、その後に「日銀は年内にも追加利上げを実施する」との観測記事が伝わっ ており、日銀の金融政策を巡る思惑が落ち着くまではしばらく時間が必要となりそうだ。また、 ドル円相場が直近高値水準に迫っていることで当局からの円安けん制発言も増え始めており、豪 ドル円も含めたクロス円は荒い値動きに引き続き警戒しておきたい。

これに対して、19-20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利水準の予測分布図(ド ットチャート)の中央値で、2024年に0.25%利下げを3回という従来予想が据え置かれた一方、 25年以降については利下げ予想回数が減少した。為替市場では年内の利下げ予想回数が減少する との見方を基に思惑的なドル買いを進めていたこともあり、FOMC後は対豪ドルでもドル売りが進 行。今後はFOMCに対する反応が一巡した後に改めて相場の方向性を探る必要があるだろう。 豪州の隣国ニュージーランド(NZ)では今週公表された10-12月期国内総生産(GDP)が2四半 期連続でのマイナス成長となり、テクニカル・リセッション(景気後退)に陥ったことが明らか になった。景気減速懸念の高まりによってNZ準備銀行(RBNZ)の利下げ前倒し観測が強まること も予想され、NZドル相場の売り材料として意識されそうだ。

南アフリカ・ランド(ZAR)は荒い展開に注意が必要となるだろう。来週は27日に南アフリカ 準備銀行(SARB)の政策金利公表が控えている。今週発表された2月CPIは予想を上回る結果と なり、「SARBの利下げ開始時期はますます遠のいた」との見方が強まった。FOMCに先んじて利下 げに踏み切ることでZAR相場の下落を招くリスクは後退したものの、インフレの高止まり自体は 南ア経済にとってネガティブ要因。ZAR相場の先行き不透明感が根強いなか、まずはSARBの金融 政策を受けた相場の反応を見極めたい。

3 月 18 日週の回顧

豪ドルは対ドルで下値の堅い動き、対円では堅調に推移した。FOMCを前に思惑的な豪ドル売り・ ドル買いが先行したものの、FOMC後は一転豪ドル買い・ドル売りが優勢に。ただ、対円ではドル 円の上昇につれた買いが強まり、2014年以来となる100円の大台を回復した。ZARも対ドルでは FOMCを挟んで売り先行後に買い戻し。対円では上値を伸ばす展開となり、8円台に乗せた。(了)

週間展望・回顧(ポンド、加ドル)

March 22, 2024

加ドル、インフレ鈍化が重しに

◆ポンド、英中銀がハト派に傾きつつあるため上値は限定的

◆加ドル、2 月 CPI が予想外の減速、インフレ鈍化が重しに

◆月末・四半期末、本邦年度末に絡んだフローに注意

予想レンジ

ポンド円 189.00-194.00 円

加ドル円 110.00-113.50 円

3 月 25 日週の展望

ポンドは上値が限定的となりそうだ。英中銀金融政策委員会(MPC)がハト派に傾きつつあるこ とが重しとなる。英中銀MPCは21日、政策金利を市場予想通りに5.25%で据え置くことを決定 した。注目された9人のメンバーによる投票では、タカ派の2人が利上げ主張を取り下げて8人 が現状維持を支持した。もう1人は前回同様に0.25%利下げを訴えている。声明では、「消費者 物価指数(CPI)が第2四半期にも中銀のインフレ目標2%をわずかに下回りそうだ」とし、燃料 税・凍結の影響としながらも「従来予想より若干低い水準」との物価見通しを示した。 20日発表の2月英CPIは前年比3.4%と鈍化予想を更に下回ったこともあり、ベイリーBOE総 裁もMPC後に「インフレ沈静化への明らかな兆しが見えた」と発言。「市場の利下げ見通しは妥当」 「行動前にインフレ率が2%になる必要はない」と述べ、今後の利下げの可能性を示唆している。

また、加ドルも、足もとのインフレ鈍化を背景に上値の伸びは限られそうだ。19日発表の2月 CPIは、3%台への加速が見込まれた前年比が予想に反して2.8%と鈍化に転じた。1月より物価 上昇が減速した要因として、携帯電話やネット接続サービスの料金が大幅に下落したほか、店舗 売り食品価格のインフレ緩和が挙げられる。弱いCPIを受けて、短期金融市場では6月BOC会合 で0.25%利下げを6割以上織り込んだ。年内の利下げ回数見通しは3回と変わらず。

28日には1月国内総生産(GDP)が発表予定。前月比では前回の横ばいから小幅なプラスが予 想されている。月次指標でもあり市場へのインパクトはそれほど強くなさそうだが、さえない結 果となればインフレ圧力の更なる緩和が見込まれ、加ドルの重しとなるだろう。

もっとも、日銀会合では緩和的な金融環境の継続が表明されたため、会合後に強まった円安基 調はまだ続きそうだ。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表後に米金利先安観が再び 強まりつつある。そのため、ポンドや加ドルが、対円や対ドルで一方的に売られることもないだ ろう。各国の金利動向を見極めながらの展開となり、方向感は掴みづらいかもしれない。

気をつけたいのが、月末・四半期末、そして本邦年度末にあたる週ということ。これらに絡む フローは実際に月末当日まで不透明だが、通常より規模も大きく市場への影響は強くなりやすい。 特に、今年は月末の29日が聖金曜日の祝日(グッドフライデー)にあたり、英国やカナダだけで なく多くの市場が休場となる。流動性の悪化が予想され、ポジション管理は慎重に行いたい。

3 月 18 日週の回顧

ポンド円は189円半ばから193円半ばまで上昇。加ドル円は2008年以来の112円前半まで上げ 幅を拡大した。日銀が利上げを決定したものの、緩和姿勢の継続が表明されて円売りが加速した。 ただ、ポンド円はその後に英MPCのハト派寄り声明を受け192円割れまで上値を切り下げている。

ポンドドルはFOMC後に1.28ドル台まで上昇も、BOE総裁の利下げ示唆で1.26ドル半ばへ押し 戻された。加ドルは対ドルで1.36加ドル前半から1.34加ドル後半まで加ドル高に振れた。(了)