Titan FX(タイタンFX)

ウィークリーレポート 2024年6月14日

週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円)

June 14, 2024

ドル円、「骨太の方針」内容に注目

◆ドル円、日本の 5 月コア CPI と「骨太の方針」に注目

◆米 5 月小売売上高や日本の 5 月貿易収支にも注意

◆ユーロドル、6 月の ZEW 景況指数や製造業・サービス業 PMI 速報値などに注目

予想レンジ

ドル円 154.00-159.00 円

ユーロドル 1.0500-1.0900 ドル

6 月 17 日週の展望

ドル円は、日本の 5 月のコア消費者物価指数(CPI)で 7 月の日銀金融政策決定会合での利上げ の可能性を探るほか、21 日に公表予定の「経済財政運営と改革の基本方針(「骨太の方針」)」で の円安抑制策を見極める展開が想定される。

岸田首相が 5 月 10 日の経済財政諮問会議で「最近の円安の動きを十分注視しており、政府・日 銀は引き続き密接に連携していく」と述べたていることから、21 日に閣議決定が予定されている 「骨太の方針」での円安抑制策として「レパトリ減税策」が打ち出される可能性が警戒されてい る。減税の対象として想定しているのは、日本企業などが海外子会社などから得た「対外直接投 資収益」の約 20 兆円とのことである。原案では、「金融政策は新しい段階に入った。政府・日銀 が緊密に連携していく」などと言及されていた。リスクシナリオは、具体的な円安抑制策が打ち 出されなかった場合であり、ドル買い・円売り圧力が強まることになるが、158 円台に乗せた場 合に本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入が実施されるのか否かにも警戒しておきたい。 また、日本の 5 月のコア CPI は前年比 2.6%と予想されており、4 月の 2.2%からの上昇が見込 まれている。5 月輸入物価指数は 6.9%と発表され、4 月の 6.6%から上昇していた。植田日銀総 裁は、これまで円安による輸入物価上昇を起点としたコストプッシュ圧力である「第 1 の力」へ の警戒感を示してきており、日銀の追加利上げへの警戒感が高まることになっている。更には、 日本の 5 月の貿易収支では、新 NISA での毎月 1 兆円超の円売り圧力に加えて、本邦実需筋の円売 り圧力を確認することになりそうだ。

米国側では、5 月の小売売上高は、予想外に横ばいだった 4 月から前月比 0.3%の改善が見込ま れており、予想通りならば、ドル買い要因となるだろう。 ユーロドルは、30 日のフランス下院選挙への警戒感から上値が重い展開が予想される中、6 月 の ZEW 景況指数やユーロ圏製造業・サービス業 PMI 速報値で欧州の景況感を見極めることになる。 ただ、欧州の政情不安から株式相場も下落基調にあるため、景況感が改善していてもユーロの上 値は限定的だと予想している。

6 月 10 日週の回顧

ドル円は米 5 月 CPI が前月比±0.0%、前年比 3.3%と予想を下回り、インフレ鈍化が再開する 可能性が示されたことで、157.40 円から 155.72 円まで下落したものの、FOMC でのドット・プロ ットの中央値が年内 3 回の利下げから 1 回へと修正されたことから 157.30 円台まで反発した。ユ ーロドルは、欧州議会選挙での右傾化やフランスの政局への警戒感から 1.0720 ドルまで下落。そ の後は 1.0852 ドルまで反発したものの、再び 1.07 ドル台前半まで反落している。(了)

週間展望・回顧(豪ドル、南ア・ランド)

June 14, 2024

ZAR、国民統一政府の組閣に注目

◆豪ドル、インフレが高止まりするなかでの RBA 声明文に注目

◆ZAR、国民統一政府への最大野党参加が濃厚でご祝儀買いが続きそう

◆ZAR、財務相をはじめとした統一政府の組閣に注目

予想レンジ

豪ドル円 103.00-106.00 円

南ア・ランド円 8.30-8.90 円

6 月 17 日週の展望

豪ドルは堅調な動きを予想する。対ドルでは米金利がやや低下していること、対円では引き続 き投資家による円売り意欲が旺盛なことから、豪ドル買いが優勢となりそうだ。また、豪州のイ ンフレが高止まりしていることも豪ドルを支えることになる。

来週の市場の注目は 17-18 日に行われる豪準備銀行(RBA)理事会。先月 5 月 29 日に発表され た 4 月の月次消費者物価指数(CPI)は昨年 11 月以来の水準となる 3.6%まで上昇し、RBA のイン フレ目標レンジ(2-3%)から再び遠ざかった。政策金利は据え置きで無風となるだろうが、こ の結果を受けての会合でもあり、声明文の内容には警戒が必要だろう。前回 5 月の理事会では「イ ンフレリスクが高まっていることを踏まえ、利上げを検討していた」ことが明らかになっている。 データ的にもインフレリスクが証明されたことで、更に利上げに踏み込んだ声明が発表されるか が注目される。なお、今週に入り豪州の 4 大銀行の一つ ANZ 銀行は、利下げ開始予想を 11 月から 2025 年 2 月へと変更している。

豪州からは RBA 理事会以外には注目イベントはないが、隣国のニュージーランド(NZ)からは 19 日に 1-3 月期経常収支、20 日に国内総生産(GDP)が発表される。NZ ドルは上昇傾向を辿っ ていることもあり、指標結果次第で更なる NZ ドル買いが進む可能性もある。

南アフリカ・ランド(ZAR)は堅調な動きになりそうだ。国民統一政府(GNU=Government of National Unity)の樹立を目指す与党アフリカ民族会議(ANC)と、野党第 1 党・民主同盟(DA) との間で秘密裏に協議が行われ、DA の GNU 参加が決定的となった。市場開放に積極的で、親ビジ ネスな DA の GNU 参加は ZAR の買い要因になるだけではなく、汚職で有罪となったズマ前大統領率 いる民族の槍(MK)、急進左派の経済的解放の闘士(EFF)を GNU に加えないという決断も国際的 な評価を得やすいだろう。依然として ANC が単独過半数を獲得できなかったことにより、今後の 政策を進めることへの不安要素は根強いものの、当面はご祝儀相場的な面もあり ZAR は堅調な動 きを予想する。なお、来週は南アから 19 日に 5 月消費者物価指数(CPI)、4 月小売売上高などが 発表されるが、市場の注目は引き続き政局ということは変わらない。特に今後発表される組閣が 最大の注目で、財務相をはじめとした要職を誰が務めるかなどでも ZAR は動意づきそうだ。

6 月 10 日週の回顧

豪ドル円は 104 円半ばまで上昇し、4 月 29 日つけた 11 年ぶりの高値に接近した。また、豪ド ル/ドルは米金利の低下が支えとなり、先月 20 日以来となる 0.67 ドル台を一時回復した。豪州 の 5 月雇用統計では失業率は予想通りの結果だったが、新規雇用者数が予想を上回り、中でも正 規雇用者数が大幅に伸びるなど内容自体も好結果だった。ZAR は、週末に DA 参加による GNU 発足 が濃厚になったことで強含んだ。対円では 8 円半ば、対ドルでも先週末は 18ZAR 前半まで ZAR 買 いが進み、選挙前の水準まで ZAR が買い戻された。(了)

週間展望・回顧(ポンド、加ドル)

June 14, 2024

ポンド、中銀の政策決定会合に注目

◆ポンド、英中銀会合前の 5 月 CPI に警戒

◆ポンド、英中銀のハト派色が強まるかどうかに注目

◆加ドル、7 月会合での追加利下げを見極める動き

予想レンジ

ポンド円 198.00-203.00 円

加ドル円 112.50-116.00 円

6 月 17 日週の展望

ポンドは底堅い動きが続いているが、一段高になるか、それとも失速するか。来週のイングラ ンド銀行(英中銀、BOE)の金融政策会合が注目される。インフレ圧力への警戒感が続いているこ とや、7 月 4 日に総選挙を控えていることもあり、政策金利は 7 会合連続で 5.25%に据え置くこ とが織り込まれている。ただ、総選挙後の次回 8 月会合での政策スタンスを見極める上でインフ レ抑制の見通しや利下げ主張のメンバーに変化があるかどうかなどに市場は注目している。前回 の会合ではラムズデン BOE 副総裁とディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員が利下げを支持 した。また、ベイリーBOE 総裁の「数カ月内に利下げが必要になる公算」との見解に変わりがな いかも確認したい。

BOE 会合前の 19 日発表予定の 5 月消費者物価指数(CPI)の結果にも焦点が集まっている。4 月 CPI は前年比 2.3%と予想を上回るも、3 カ月連続で鈍化し、2021 年 7 月以来の低水準となった。 今週発表の 2-4 月失業率(ILO 方式)は 4.4%と 2021 年 7-9 月以来の高い水準となり、民間部門 の平均週間賃金は 5.8%と過去 2 年で最小の伸びとなった。労働市場が冷え込む兆しが見られ、 民間部門では賃上げ圧力が弱まり、インフレ圧力が和らいでいることが示された。市場は 11 月利 下げを織り込んでいるが、夏の終わりまでに利下げを開始する可能性が残されている。 また、4 月 GDP は前月比横ばいとゼロ成長となった。サービス業が好調だったが、建設業や製 造業が低迷した。更に、総選挙が近づいているが、勝利が見込まれる労働党は保守党より内部分 裂が少なく、政権運営の安定が期待できるとの見方が強い。英金融市場は今のところプラスと捉 えている。

加ドルは、カナダ中銀(BOC)が 7 月会合で追加利下げに踏み切るかどうかを見極める展開が続 く。7 日に発表された 5 月失業率は予想通り 6.2%と 2 年超ぶりの水準に上昇し、正規雇用の平均 時給伸び率は 5.2%に加速した。失業率の上昇は経済が高水準の金利圧力を受けていることを示 唆するが、賃金の伸びがインフレ率を上回っており、物価対策を複雑化させている。BOC が賃金 の上昇ペースが速すぎるとし、過去に利下げに消極だったことを鑑みると雇用データは追加利下 げ期待の後退につながる結果と言える。市場では 7 月会合での利下げと据え置きの予想が拮抗し ている。来週は加国内で 5 月住宅着工件数や 4 月小売売上高などの発表が予定されている。

6 月 10 日週の回顧

米ドルが米 5 月 CPI や FOMC で乱高下するも方向感は出ず、ポンドドルの値動きは限られるも下 値は堅い。英失業率の上昇でポンド売りに傾く場面もあったが、1.27 ドル台を中心に底堅い動き となり、一時 1.28 ドル半ばまで上昇。ポンド円は 2008 年 8 月以来の 201 円台をつけた。加ドル に新規の手がかりは乏しく、ドル/加ドルは 1.38 加ドルを前に伸び悩むも 1.37 加ドル台を中心 とした動きとなっている。加ドル円は 114 円を挟んでの小動きに始終した。(了)