Titan FX(タイタンFX)

ウィークリーレポート 2024年7月12日

週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円)

July 12, 2024

米利下げ観測一段と高まる

◆ドル、年内 3 回の利下げ観測も浮上

◆円、為替介入とも噂される急騰で市場の流動性は極端に悪化し乱高下

◆ユーロ、仏政局の先行き不透明感が一段と高まる

予想レンジ

ドル円 154.50-161.00 円

ユーロドル 1.0650-1.1150 ドル

7 月 15 日週の展望

ドル円は、米利下げ観測が高まったことでドルの上値の重さが意識されるなか、不安定な相場 展開が想定される。昨日発表された 6 月米消費者物価指数(CPI)は前月比で 2020 年 5 月以来、4 年ぶりにマイナスとなったほか、前年比でも 2023 年 6 月以来の低い伸び率となった。これを受け て年内 3 回の利下げ観測が浮上するなど、米金融緩和が加速するのではとの思惑からドルの上値 はしばらく重くなりそうだ。

また、米 CPI 後にドル円が 4 円超急落したことについて一部報道では「政府・日銀が為替介入 を行った」とも伝わっている。円安の根本的な要因が覆されたわけではなく、効果は一時的との 見方が大勢だが、市場の警戒感につながったことは確かだろう。急落後で市場の流動性が極端に 悪化していることも考慮すると、ボラタイルな相場展開になることも考えられるだろう。 来週は 15 日に 7 月ニューヨーク連銀製造業景気指数、16 日に 6 月小売売上高、17 日に 6 月住 宅着工件数や 6 月鉱工業生産、18 日に 7 月フィラデルフィア連銀製造業景気指数などが発表され る。米利下げ観測が高まっていることもあり、指標に対して米金利やドルが過剰に反応する可能 性もある点には十分注意したい。

なお、9-10 日に先行きの日銀による国債買入れの運営について意見を伺う「債券市場参加者会 合」が開催され、メガバンクからは積極的な国債買入れ減額を求める声が多かった一方で、生保 など機関投資家からは緩やかな減額が多く要求されていたことが分かった。結果的に、意見が集 約されている訳ではないことが明らかになっただけで、日銀の今後の対応については不透明感が 残る結果となった。まずは今月末の金融政策決定会合での決定を見極めることになるだろう。

ユーロドルは、仏政情不安が台頭するものの、米利下げ観測から方向感をつかみづらい。仏総 選挙の決選投票では第 1 回目投票で圧勝した極右政党「国民連合(RN)」がまさかの第 3 党にとど まり、左派連合が最大勢力となった。単独過半数の政党がいないハングパーラメントに陥り、連 立政権の先行きには不透明感が高まっている。格付け会社ムーディーズは「大連立政権が樹立さ れれば意思決定や債務管理がより困難になる」とし、信用格付けにマイナスと警告している。

7 月 8 日週の回顧

ドル円は乱高下。欧米株高が支えとなり、週半ばには一時 161.81 円まで上値を伸ばした。ただ、 低調な 6 月米 CPI 発表を受けて急落。政府・日銀による介入観測も指摘されるなか、一時 157.44 円まで大幅に値を下げた。一方、一巡後は反動から 159 円台前半まで反発している。 ユーロドルは底堅い。仏総選挙の結果を消化しきれないまま 1.08 ドル台前半を中心にしばらく はもみ合いが続いた。ただ、弱い米 CPI を受けて一時 1.0900 ドルまで上昇した。(了)

週間展望・回顧(豪ドル、南ア・ランド)

July 12, 2024

豪ドル/NZ ドル、上昇余地あり

◆豪ドル、インフレ基調の中、雇用統計が強ければ利上げ期待も

◆豪・NZ 両中銀の方向性分かれるなか豪ドル/NZ ドルに上昇余地あり

◆ZAR、海外からの投資流入期待で堅調

予想レンジ

豪ドル円 106.00-110.00 円

南ア・ランド円 8.70-9.10 円

7 月 15 日週の展望

豪ドルは底堅い動きと予想する。半期に一度行われるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の 議会証言や、6 月の米消費者物価指数(CPI)が予想比を下振れたことを受けて、米金利が急低下。 CME グループの「フェドウォッチ」では、9 月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は 93%弱まで上昇した。また、年末までには米国の 2 回の利下げを 97%前後まで織り込んだ。一方 で、豪州は執拗なインフレに悩まされている。基調的インフレが上昇傾向を辿っていることで、 米豪の金融政策の方向性の違いが豪ドルを底堅くさせるだろう。また、豪ドル円は介入警戒感が あるが、円安を止める手段に乏しく、更なる上値余地もありそうだ。

豪ドルは 18 日に発表される 6 月雇用統計の結果が良好だった場合は、上値を更に追う展開にな りやすい。5 月の統計では、失業率が前月の 4.1%から 4.0%へ低下し、新規雇用者数が 2 カ月連 続で約 4 万人増加。更に常勤雇用者も大幅に増えた。インフレ傾向が続いている中で、2 カ月連 続で雇用情勢が好結果だった場合は、インフレ動向次第では豪準備銀行(RBA)が次回の理事会(8 月 5-6 日)で利上げに舵を切る可能性もある。なお、雇用統計以外では 17 日に 7 月のウエストパ ック景気先行指標が発表される。

一方で、NZ ドルは軟調な動きになりそうだ。10 日の NZ 準備(RBNZ)・金融政策委員会(MPC) は予想通り政策金利を 5.50%に据え置いたが、声明文で「ヘッドライン・インフレ率は今年後半 に 1-3%の目標範囲内に戻ると予想」との見解を示した。ハト派的な RBNZ の姿勢と、RBA との金 融政策の方向性の違いが明確になったことから、2022 年 10 月以来の豪ドル高・NZ ドル安が進ん だ。RBNZ が年後半にも利下げするとの予想も高まり、来週も NZ ドルの上値は重くなりそうだ。 なお、NZ からは 22 日に 6 月貿易収支、26 日に 7 月 ANZ 消費者信頼感指数が発表される。

南アフリカ・ランド(ZAR)は堅調な動きを予想。親ビジネスの民主同盟(DA)の参加で国民統 一政府(GNU)が船出した。アフリカ民族会議(ANC)の単独政権時では、汚職や既得権益の確保が 蔓延り、国営企業改革などが遅々として進まなかったが、GNU にはこれらの改善が期待されてい る。海外投資家が南アへの投資比率を高める可能性が高まっていることもあり、DA が GNU を離脱 しない限り ZAR は堅調地合いを維持しそうだ。来週は 18 日に南アフリカ準備銀行(SARB)が政策 金利を発表する。南アが利下げへ舵を切るのは来年前半になるとの予想が多く、当面は金融政策 によって ZAR が大きく動意づくことはないだろう。

7 月 8 日週の回顧

豪ドルは強含んだ。米金利の低下で対ドルでは 1 月以来の水準まで強含み、対円では 33 年ぶり となる 109 円台まで上昇した。もっとも、6 月米 CPI 後は急落。12 日早朝には一時 106 円台まで 値を下げる場面もみられた。ZAR は対ドルでは米金利低下で 18ZAR を割り込んだ。対円では一時 年初来高値に接近したが、円買い介入観測などもあり上値が抑えられた。(了)

週間展望・回顧(ポンド、加ドル)

July 12, 2024

ポンド、CPI や雇用データを見定め

◆米インフレ鈍化の影響受けて神経質な展開続く

◆ポンド、インフレ懸念の声もあるなか CPI や雇用データを見定め

◆加ドル、6 月のインフレ動向を見極め

予想レンジ

ポンド円 203.00-208.00 円

加ドル円 114.00-118.00 円

7 月 15 日週の展望

為替全般に米インフレが想定より鈍化した影響が残り、ポンドも神経質な展開となりそうだ。 今週も対円では 2008 年以来の高値を更新し続けたが、市場予想を下回る 6 月米消費者物価指数 (CPI)の発表後、ドル円の急落と供に大きく売りに押された。本邦通貨当局がドル下落のタイミ ングに合わせて円買い介入を実施したとの観測も一部あり、その辺りの動きにも注意を払いたい。 17 日には 6 月消費者物価指数(CPI)が発表予定。その結果が出るまでは、英中銀チーフエコ ノミストでもあるピル金融政策委員会(MPC)委員の見解を意識した値動きとなりそうだ。

ピル委員は先日、利下げについて言及するも実施時期については「明確ではない」と発言。ま た、「根強いインフレに対する懸念が残っている」と指摘し、「サービス価格の上昇が依然として 高い」との警戒感も示した。これは 6 月会合で、サービスインフレを重要視しない一部 MPC 委員 が「金利据え置きは微妙なバランス」とした立場とは異なる。金融政策の方向性が MPC 内でまと まるのはまだ先ということが窺え、次回会合における利下げ織り込み度は後退している。 6 月 CPI は、前回 5 月分が約 3 年ぶりに英中銀目標の 2%を達成したところから、どの程度まで 上振れるかがポイントとなりそうだ。また、中銀が中期的なインフレ指標として注目する「サー ビス価格のインフレ率」の強弱にも相場は敏感に反応するだろう。同指数は前回 5.7%と 4 月分 から減速していたものの、一部の市場予想は上回った。

18 日発表の英雇用データでは、3-5 月失業率(ILO 方式)に目を向けておきたい。前回 2-4 月 分は 4.4%と予想より悪化し、2021 年 7-9 月以来の高い水準を記録。週平均賃金も伸び悩みつつ あるなか労働市場の冷え込みが顕著となるようだと、スターマー首相率いる新たな労働党政権か ら英中銀に対して利下げ圧力が高まるかもしれない。

加ドルも米金利の動向次第では不安定な動きとなるりそうだ。カナダ発の注目材料は 16 日発表 の 6 月 CPI。前回は前年比 2.9%と、4 月からの鈍化予想から一転して加速に転じた。これを受け て、24 日のカナダ中銀会合で追加利下げを予測する向きが減少。今のところ、アナリスト予想で は政策金利据え置きが優勢となっている。ただ、カナダと経済的な結びつきが非常に強い米国で、 インフレが想定以上に減速していたことは無視できない。カナダ CPI も米国に追随するようであ れば、一気に追加利下げへの機運が高まることになりそうだ。

7 月 8 日週の回顧

ポンドや加ドルは対円で買い先行。円安基調が強まるなか、ポンド円は約 16 年ぶりの 208 円台 乗せに成功し、加ドル円も 118 円後半まで上げ幅を拡大した。ただ、その後は弱い米 CPI を受け て急落したドル円につれて、それぞれ 204 円割れと 115 円後半まで失速する場面があった。一方、 米金利低下を背景にポンドドルは 1.29 ドル半ばまで上昇した。加ドルも対ドルで、一時 1.35 加 ドル後半まで加ドル高に振れた。 (了)