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デイリーレポート

December 5, 2024

##【前日の為替概況】】ドル円、上昇日銀の早期利上げ観測後退

4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は上昇。終値は150.59円と前営業日NY終値(149.60円)と 比べて99銭程度のドル高水準だった。日銀の早期利上げ観測後退を背景にした買いが続き、22時前後に 一時151.23円と本日高値を付けた。ただ、11月ADP全米雇用報告が予想をやや下回ると伸び悩み。比較 的ハト派的な立場のムサレム米セントルイス連銀総裁が「金利引き下げのペースが鈍化もしくは停止す る時期が近づいている可能性」と発言し、米10年債利回りが4.27%台まで上昇幅を拡大すると再び強含 んだが、上値は限定的だった。11月米ISM非製造業景況指数が予想より弱い内容だったことが伝わると、 米金利の一転低下とともに失速。一時150.00円付近まで売りに押された。

一方で、150円割れを死守し、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長から「米国経済は現在、驚くほど 良好な状態」「経済と金融政策の現状に非常に満足」との発言が伝わると買い戻しの動きに。米国株が引 けにかけて上げ幅を拡大したことも支えとなり150.60円台まで持ち直した。

ユーロドルは小幅に続伸。終値は1.0511ドルと前営業日NY終値(1.0509ドル)と比べて0.0002ドル 程度のユーロ高水準だった。セントルイス連銀総裁のタカ派発言を受けて昨日安値の1.0481ドルを下抜 けて1.0473ドルまで値を下げた。ただ、売りも続かず、低調なISM非製造業景況指数をきっかけに一転 上昇し、昨日高値の1.0535ドルを上抜けて1.0544ドルまで買い上げられた。一方で、FRB議長の景気判 断に対する強気な見解が重しとなり1.0505ドル近辺まで押し戻された。

なお、仏議会は4日、内閣不信任案の採決を行い可決された。これにより、バルニエ首相は辞任し、マ クロン大統領が次の首相を選任することになる。極右・国民連合(RN)の実質的な指導者であるルペン氏 は「マクロン大統領の辞任を求めていないが、最終的な決定権は彼にある」などと述べた。

ユーロ円は続伸。終値は158.30円と前営業日NY終値(157.20円)と比べて1円10銭程度のユーロ高 水準だった。NY序盤に158.66円まで上昇したものの、その後はドルが相場をけん引したためユーロ円自 体は158円台前半を中心としたもみ合いが続いた。

【本日の東京為替見通し】円は観測記事で右往左往、人民元基準値やハト派委員の発言に注目

本日の東京時間のドル円は、150円台でもみ合いとなるか。ここ最近は、本邦実需勢がドル円を買い、 欧米系がドル円を売っていることで、アジア時間ではドル買いが優勢になり、欧米入り後はドル売りの勢 いが強くなっている。

昨日はムサレム米セントルイス連銀総裁やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言の影響でドル が支えられたが、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する 「フェドウオッチ」では、12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は8 割弱で小幅に利下げ予想が増え、据え置き予想が2割超となった。一方で1月28-29日の据え置き予想 が61%台から64%台へとやや拡大した。市場では、これまで通り12月FOMCでの利下げ以後は、当面様 子見となる見通しになっている。市場の予想にさほど変化がなかったのは、1月には第2次トランプ政権 が樹立していることで、トランプトレードによる金利上昇をすでに織り込んでいたからとも思われる。

FOMCが12月を最後に利下げ停止との予想に変化があまりない中で、12月の日銀の動向への注目度が 増している。昨日も一部通信社が「12月は政策を維持」との観測記事が英訳されただけで、円が売られて いる。これから週末を含め、18-19日の日銀政策決定会合まで様々な観測記事でドル円は神経質に動き そうだ。

その中で、本日は10時半ころに中村日銀審議委員が広島県金融経済懇談会に出席し、挨拶を行うこと で、この内容が注目される。中村審議委員は兼ねてからハト派とされ「賃金から物価への波及はまだ遠い」 「実質賃金のプラス転換に加え、可処分所得の増加が必要」との見解を示している。実質賃金は過去最長 のマイナスが6月にようやく終止符を打たれたが、プラスに転じたのは僅か2カ月のみで再びマイナス に戻り、8月には-0.8%、9月には-0.4%まで低下しているが、どのような見解を示すかを確かめたい。

なお、10月の実質賃金は明日6日に公表予定。市場では同氏がハト派ということで、サプライズとして はタカ派、もしくはさほどハト派寄りの発言にならない場合のほうが動意づくと予想されている。なお、 同氏は明日にも記者会見が予定されている。

ドル円以外では、人民元の値動きには引き続き注目。昨日は中国人民銀行が市場予想よりも大幅に元高 に人民元取引の基準値を設定したことで元買い・ドル売りとなり、他通貨に対してもドルが売られた。本 日も基準値の水準次第でドルが動意づくだろう。また、昨日は豪州の7-9月期の四半期国内総生産(GDP) が予想比を下振れ、豪州の中長期金利が低下し、豪ドルは対ドルで約4カ月ぶりの安値を更新した。来週 9-10日に豪準備銀行(RBA)理事会が開かれることで、豪ドルも神経質な動きになりそうだ。

【本日の重要指標】※時刻表示は日本時間

<国内>

○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

○10:30 ◇ 中村豊明日銀審議委員、あいさつ

<海外>

○08:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、インタビューに応対

○09:30 ◇ 10 月豪貿易収支(予想:45.50 億豪ドルの黒字)

○15:45 ◇ 11 月スイス失業率(季節調整前、予想:2.7%)

○16:00 ◎ 10 月独製造業新規受注(予想:前月比▲2.0%/前年同月比1.8%)

○16:00 ◎ 11 月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比1.6%)

◎ コア指数(予想:前月比0.7%/前年比1.9%)

○16:45 ◇ 10 月仏鉱工業生産(予想:前月比0.3%)

○18:00 ◎ 7-9 月期南アフリカ経常収支(予想:855 億ランドの赤字)

○18:30 ◎ 11 月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:53.4)

○19:00 ◎ 10 月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲0.3%/前年比1.7%)

○19:00 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演

○21:30 ◇ 11 月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)

○22:30 ◇ 10 月カナダ貿易収支(予想:7.9 億カナダドルの赤字)

○22:30 ◎ 10 月米貿易収支(予想:750 億ドルの赤字)

○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5 万件/190.5 万人)

○24:00 ◇ 11 月カナダIvey 購買部協会景気指数

○6 日02:00 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演

○6 日02:15 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演

○6 日03:00 ◎ 11 月ブラジル貿易収支(予想:78.00 億ドルの黒字)

○石油輸出国機構(OPEC)プラス閣僚級会合

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。 ※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。 ※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

4日16:36レーン・フィンランド中銀総裁

「ECBの金融緩和は今後数カ月続くと予想」

「12月利下げの根拠はさらに増えるだろう」

4日17:26李韓国中銀総裁

「混乱阻止のための追加利下げの可能性は低い」

4日19:04ベイリー英中銀(BOE)総裁

「英国のインフレ率は、想定よりも早く低下してきている」

「来年は4回程度の利下げを見込んでいる」

4日19:36ブイチッチ・クロアチア中銀総裁

「会合ごとにアプローチすることが依然として適切」

「不確実性の中で金利変更は少しずつ行う方がよい」

4日22:32ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁

「第4四半期にインフレが一時的に進む見込み」

「将来的にはユーロ圏の経済回復が勢いを増す見込 み」

「短期的には成長が弱まるだろう」

「特定の金利経路にコミットしない」

「インフレは来年中に目標に低下すると予想」

「中期的な見通しは下振れリスクが支配的」

「金利は依然として景気抑制的な水準」

「利下げを続けるが、ペースについて言及しない」

4日22:41ムサレム米セントルイス連銀総裁

「金利引き下げのペースが鈍化もしくは停止する時期が 近づいている可能性」

「不確実性に対応するため、金融政策の選択肢を残す 必要がある」

「中立金利は不確実であり、3%から4%の間にある可能 性」

「今後、追加的な金融緩和が必要となるかもしれない」

「金融緩和が行き過ぎるとリスクが伴う」

「経済成長と雇用の緩やかな回復を予想」

4日23:11バーキン米リッチモンド連銀総裁

「インフレの方向性に関して勇気づけられている」

「FRBの使命において、ポジティブな面とリスクの両方が 見られる」

「正常化は中立金利に向けてより遅く慎重に行う」

「やや引き締め的な政策への到達を望む」

5日00:35マクルーフ・アイルランド中銀総裁

「0.50%利下げの必要性について、慎重に進めることを 好む」

「最近のデータは慎重さと用心深さが必要であるという 見方を強めた」

5日00:43リラ・ブラジル下院議長

「政府の歳出削減案は財政枠組みを維持するために非 常に重要」

「今週でなければ来週には財政パッケージを可決できる ことに疑いはない」

「来年、所得税改革について投票しなければならない」

5日02:15ナーゲル独連銀総裁

「今のところ来週の利下げに異議はないが、会合まで判 断を留保」

「利下げは段階的で慎重なアプローチを支持」

5日03:50パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長

「独立性が最良の決定を下す能力を与えてくれる」

「独立性を失うリスクについては心配していない」

「米国経済は現在、驚くほど良好な状態」

「経済と金融政策の現状に非常に満足」

「中立的な金利を見つけるために慎重であることができ る」

「現在、中立的な水準に金利を引き上げる道筋にある」

「失業率は依然として非常に低く、インフレに関しても進 展が見られる」

「金利を非常に迅速に引き上げてきた」

「FRBはドル政策についてコメントしない。これは財務省 の責務」

「関税に関しては未知の要素が多い」

「中立金利水準を探る中、慎重になる余地がある」

5日04:00米地区連銀経済報告(ベージュブック)

「雇用レベルは横ばいからわずかに上昇し、低い離職率 の中で採用は控えめ」

「賃金成長は緩やかなペースに鈍化したが、エントリー レベルや熟練職のポジションでは堅調な伸びが見られ る」

「価格上昇は緩やかで、企業はコストを顧客に転嫁する ことが難しくなっている」

「消費者支出は安定しているが、価格感度が高まってい る」

「製造業の活動は地域によってまちまち」

「商業不動産市場は一部の地域で安定化の兆しを示し ている」

「消費者の価格感度が高まっており、品質感度も増して いる」

「保険コストは依然として重要なインフレ圧力」

「企業は潜在的な輸入関税に備えて在庫を積み増して いる」

「データセンターの需要が電力使用量の急増を引き起こ している」

「農業経済は弱い設備販売に苦しんでいる」

5日04:45極右・国民連合(RN)のルペン議員

「マクロン大統領の辞任を求めていないが、最終的な決 定権は彼にある」

「我々は予算作成に貢献する」

「次の首相を支持するためには、我々の有権者を尊重 することを含むいくつかの要求がある」

※時間は日本時間

【日足一目均衡表分析】

<ドル円=重さ示唆する長めの上ひげともなう足型形成>

上影陽線引け。目先の重しだった5 日移動平均線を上回り、 一時151.23 円と先週末11 月29 日以来、3 営業日ぶりに151 円台を回復する場面もあった。 ただ、現水準151.69 円から低下が続く見込みの一目均衡 表・転換線も上値に控えるなか上伸しきれず、やや押し戻さ れている。目先の上値の重さを示唆するやや長めの上ひげを ともなう足型を形成した。本日150.03 円前後で推移する5 日 線へ追随するように一目・雲の上限149.63 円へ近づく展開 も想定して臨みたい。戻していくにしても、雲上限の緩やか な上昇に連動するようなペースにどまると予想する。

レジスタンス1 151.23(12/4 高値)
前日終値 150.59
サポート1 149.94(12/3-4 上昇幅の半値押し)
サポート2 149.53(12/4 安値)

<ユーロドル=転換線の動向に沿った底堅さ示すか注視>

極小陽線引け。一目均衡表・転換線1.0466 ドルを上回る水 準で様子見ムードだった。目先のサポートとなった転換線は 本日1.0511 ドルまで小幅に上昇。現状からすれば同線は来 週にも1.0529 ドルへ切り上げる見込み。転換線の動向に沿 って戻りを試すか注視。下抜けた場合は11 月26 日安値 1.0425 ドルや、同22 日につけた年初来安値も位置する1.03 ドル台も意識されてきそう。

レジスタンス1 1.0589(12/2 高値)
前日終値 1.0511
サポート1 1.0425(11/26 安値)

<ポンド円=転換線付近の攻防を見定める局面>

大陽線引け。一目均衡表・転換線の低下が示唆する下向き の動きが3 日まで先行した。しかし188.09 円を下値に、昨 日は191 円台へ戻している。ただ、転換線をこなすにしても これから。同線は本日191.36 円へ低下。転換線が抵抗になる か攻防を見定める局面となる。

レジスタンス1 191.77(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 191.29
サポート1 190.45(12/4 レンジ半値水準)

<NZ ドル円=5 日線付近の重さ払しょくできるか注目>

下影小陽線引け。3 日に下げ渋った際の安値87.34 円を割 り込む87.28 円まで下振れが先行した。同水準を目先の下値 に反発して底堅さを示す長めの下ひげをつけた足型を連日 の形成。しかし88 円台で低下が続く5 日移動平均線付近の 動きが引き続き鈍い。本日88.16 円前後へ低下した5 日線前 後の重さを払しょくできるが注目となる。

レジスタンス1 88.84(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 88.08
サポート1 87.28(12/4 安値)