ウィークリーレポート 2025年1月17日
週間展望・回顧(ドル、ユーロ、円)
January 17, 2025
日銀金融政策決定会合に注目
◆ドル円、日銀正副総裁発言で利上げ観測急速に高まる
◆20 日には第2 次トランプ米政権が誕生
◆ユーロドル、欧州重要指標の結果次第では下値トライ
予想レンジ
ドル円 153.00-160.00 円
ユーロドル 1.0000-1.0450 ドル
1 月20 日週の展望
ドル円は、日銀の金融政策決定会合を巡って荒い値動きが想定される。昨年12 月18-19 日に行 われた前回会合では植田日銀総裁が記者会見で「来年の春闘に向けた賃上げのモメンタム、そし てトランプ次期米政権の追加関税策の中身について、もう少し情報を待ちたい」と述べたことか ら、市場では利上げ時期は早くても3 月か4 月になるとの思惑が広がっていた。ただ、今年に入 って氷見野日銀副総裁や植田日銀総裁が相次いで「利上げをするかどうか政策委員の間で議論し、 判断したい」と発言したことで来週22-23 日の会合で利上げに踏み切る可能性が一気に高まった。 また、一部通信社からも「日銀は来週の会合で米新政権の影響が限定的なら利上げの公算大」と 伝わり、利上げ確率は8 割以上まで上がっている。 ただ、トランプ米政権が20 日に誕生してわずか数日で影響を見極めることが出来るのか、そし て春闘に関する情報は12 月時点から変わっていない点を考慮すると、今回利上げに踏み切る根拠 が薄いように感じられる。10 日にドル円は一時158.87 円と昨年7 月12 日以来の高値を付けるな ど、足元で続く円安・ドル高が利上げの背景だとするならば、今後積極的に利上げを続けること は難しく、海外勢を中心に仕掛け的な円売りが持ち込まれる可能性も否定できない。利上げが実 施された場合、植田日銀総裁の定例記者会見に市場の注目が一段と集まることになるだろう。 来週は重要な米指標がないほか、ブラックアウト期間に入るため、米連邦準備理事会(FRB)高 官からの発言は期待できない。注目は20 日のトランプ米政権の発足だろう。就任後にトランプ米 大統領から懸念される関税政策について具体的な発言が出るかどうかが焦点となっている。 ユーロドルは、トランプ米政権発足による影響などから上値の重い展開が続きそうだ。また、 独を中心に欧州の景気先行きに対する警戒感が根強く、21 日には1 月独・ユーロ圏ZEW 景況感調 査、24 日に欧州各国の1 月購買担当者景気指数(PMI)速報値の発表が予定されているため、結 果次第ではユーロが一段と下落する可能性もあるだろう。
1 月13 日週の回顧
ドル円は上値が重い。しばらくは157.50 円を挟んだもみ合いが続いた後、14 日のNY 市場では 米長期金利の上昇を支えに一時158.20 円まで値を上げた。ただ、植田日銀総裁の発言をきっかけ に売りが優勢に。弱い12 月米コアCPI や日銀の利上げ観測報道、更にはウォラーFRB 理事のハト 派発言も売りを後押しすると一時155.10 円まで売り込まれた。 ユーロドルは方向感がない。週明けから仕掛け的な売りが持ち込まれ一時1.0178 ドルと2022 年11 月以来約2 年2 カ月ぶりの安値を更新。その後はショートカバーから1.0354 ドルまで反発 したが、戻りは限られている。(了)
週間展望・回顧(豪ドル、南ア・ランド)
January 17, 2025
豪ドル、日米金融・政治イベントに注意
◆豪ドル、日米の金融・政治イベント次第で荒い値動きとなる可能性
◆NZ ドル、10-12 月期CPI に注目
◆ZAR、12 月CPI でインフレ鈍化傾向を確認
予想レンジ
豪ドル円 94.00-99.00 円
南ア・ランド円 7.90-8.40 円
1 月20 日週の展望
豪ドルは荒い値動きに警戒が必要となるだろう。来週は豪州から特段のイベントや経済指標の 発表が予定されておらず、基本的には米ドルや円相場など外部要因に振らされる見込み。 20 日には米国でトランプ大統領が就任する。トランプ氏は以前から就任初日に「中国やメキシ コ、カナダなどに対して関税を課す」と宣言しており、宣言通りに関税が発表されると米国のイ ンフレリスク再燃が意識され、再び米ドル買いが強まる可能性もあるだろう。豪州はトランプ氏 から関税対象として名指しされたわけではないが、豪ドルも対ドルを中心に影響を受けることに なりそうだ。また、中国などの経済に対する先行き不安が高まることでリスクに敏感な豪ドルが 売りに押されるシナリオにも警戒しておきたいところ。株価・金利動向などをにらみながら、市 場全般のリスク選好度合いに気を配っておきたい。 その他では23-24 日に控えている日銀の金融政策決定会合にも注目。今週は植田日銀総裁が「来 週の会合で利上げなど行うか判断」との見解を示したことを受けて、日銀の早期利上げ観測を意 識した円買いが強まる場面も見られた。実際に利上げに踏み切るかは不透明だが、会合直前まで 豪ドル円なども含めた円相場は思惑的な動きに振らされそうだ。 隣国のニュージーランド(NZ)では22 日公表の10-12 月期消費者物価指数(CPI)に注目。前 回(7-9 月期)は前年比2.2%となり、約3 年半ぶりにNZ 準備銀行(RBNZ、中央銀行)のインフ レ目標である1-3%の範囲内に収まった。すでにRBNZ は次回(2 月19 日)の金融政策決定会合で も追加利下げを実施する方針を示唆しているが、今回のCPI でインフレ鈍化がさらに進んだ場合 はNZ の金利先安観も一段と高まるだろう。対米金利差拡大への思惑が広がることになればNZ ド ルにとっても重しとなりそうだ。 南アフリカ・ランド(ZAR)は伸び悩む動きを予想している。基本的には米ドルなど外部要因次 第の展開となりそうだが、来週は22 日に12 月CPI や11 月小売売上高の発表が予定されている。 南アCPI は2 カ月連続で南アフリカ準備銀行(中央銀行、SARB)のインフレ目標(3-6%)下限を 下回っており、今回もインフレの鈍化傾向が継続するか確認しておきたい。なお、SARB の次回(1 月30 日)金融政策決定委員会(MPC)では0.25%の追加利下げが実施されるとの予想が優勢とな っている。
1 月13 日週の回顧
豪ドルは対ドルでは前週までの反動から買いが進んだ。豪ドル円もつれて98 円手前まで下値を 切り上げる場面が見られたが、日銀の追加利上げ観測が高まった週央以降は売りに押される展開 となり、96 円台前半まで反落した。 ZAR も対ドルでは強含んだものの、対円では週末にかけて伸び悩む動きとなり、ZAR 円は8.20-30 円台を中心とする値幅内で上下した。(了)
週間展望・回顧(ポンド、加ドル)
January 17, 2025
加ドル、12 月CPI に注目
◆対円では日銀会合への思惑で不安定
◆ポンド、債券市場を警戒しつつ英賃金動向を見極め
◆加ドル、米新政権の誕生や12 月CPI に注目
予想レンジ
ポンド円 188.00-194.00 円
加ドル円 106.50-110.50 円
1 月20 日週の展望
来週のポンドや加ドルの対円動向で重要視すべきは、やはり日銀金融政策決定会合だろう。今 週は日銀の氷見野副総裁と植田総裁が、相次いで利上げを示唆する発言をした。一部メディアも 複数の関係者の話として「利上げ決定の公算大」と報じ、円高が加速する場面もあった。日銀会 合の結果発表は24 日であり、それまでは様々な思惑で円相場は不安定になりそうだ。もっとも英 国やカナダの材料もあるため、週半ばまではそれらも見定める必要がある。 英国では21 日に雇用データが発表され、その中でも9-11 月の週平均賃金を見極めたい。前回 8-10 月のボーナスを除く分は前年比5.2%と再び上向き始めた。結果次第では、15 日の12 月消 費者物価指数(CPI)を受けて再び浮上した英金利先安観が後退してしまうかもしれない。12 月 CPI は総じて市場予想を下回り、英中銀が注視するサービス価格インフレ率も前年比4.4%と前回 から0.6 ポイントも減速した。中銀による今年の0.25%利下げは1 回までと予想を縮小してきた 市場だったが、インフレ結果を受けて引き下げ回数を2 回まで織り込んできた。 英債券市場の動きも依然として注意深く見ていく必要がある。英政府の財政拡大方針を危惧し た長期債売りが今週も先行。英10 年債利回りは2008 年以来の高水準を再び記録した。借入コス ト増により、リーブス財務相の財政計画が破綻するとの懸念も一時高まった。米債の買戻しも支 えに週後半は英債も回復しつつあるが、暫くは需給の緩みへの警戒感は燻ったままだろう。 カナダからは21 日に12 月CPI が発表予定。前回11 月分は前月比で横ばい、前年比では1.9% と共に市場予想を下回った。インフレ減速は経済軟化によるとされ、物価圧力の低下継続が見込 まれていたが、12 月の雇用統計を経て風向きが変わりつつあるもよう。新規雇用者数は予想や前 回値を大きく上回り、失業率も改善した。カナダの金利先安観は若干後退しており、市場では今 年前半4 回の中銀会合での2 回目の0.25%利下げの可能性が低下している。 カナダにとって目先で警戒すべきは、やはり、米国で新政権が始動することだろう。20 日就任 するトランプ米大統領がこれまで訴えていた関税強化をどのような形で実行するかに注目が集ま る。特に、カナダ産石油の輸出先はほぼ全量が米国向けであるため、原油が枠組みの中に入るか がポイント。一方、カナダ政府は、報復関税の対象とする1500 億加ドル相当の米国製品のリスト を作成したもよう。米加関係が悪化した場合、経済規模から加ドル安要因となりそうだ。
1 月13 日週の回顧
ポンドは英長期債への警戒感から売りが先行し、対円では190 円手前、対ドルで1.21 ドルまで 下落した。一巡後は反動から対円で193 円台、対ドルでも1.23 ドル台まで回復。ただ日銀の早期 利上げ観測から対円では189 円後半まで売り込まれ、対ドルも1.21 ドル台後半まで緩んだ。 加ドルは対円で110 円前半を戻り高値に107 円後半まで弱含み。日銀会合への思惑で円高に振 れやすかった。対ドルでは1.44 加ドル半ばから1.43 加ドル付近まで加ドル高に傾いた。(了)