Titan FX(タイタンFX)
🇯🇵 日本銀行(日銀) / 2026年4月会合・金融政策インフォグラフィック

日銀、0.75%で据え置き。 展望レポートは強気。

4月28日、日銀は政策金利を0.75%に据え置きました。足元の物価は目標2%を下回るものの、同時に公表した「展望レポート」では、2026年度の物価見通しを+2.8%と強気に提示。追加利上げへの地ならしが、静かに進んでいます。

政策金利(無担保コール翌日物・誘導目標)
0.00 %程度
2026年4月28日 決定
据え置き
0.75%を維持・展望レポート公表
政策金利(無担保コール翌日物)
0.75%
4/28に据え置き
物価目標
2.0%
消費者物価の前年比・持続的に
コアCPI(生鮮除く・3月)
+1.8%
2月の1.6%から加速
展望レポート(FY2026見通し)
+2.8%
目標を上回る強気の予測
01

据え置き、でも見通しは強気

THE HOLD

日銀は4月28日の金融政策決定会合で、政策金利(無担保コール翌日物レートの誘導目標)を0.75%に据え置きました。2025年12月の利上げ(0.5→0.75%)以降、初の会合での維持です。一方、同時公表した展望レポートでは、2026年度の物価上昇率を+2.8%と、目標2%を上回る水準で見込みました。

足元のコアCPI(3月)は+1.8%と、まだ目標を下回ります。それでも見通しを強気に置いたのは、賃金と物価の好循環への自信に加え、中東情勢に絡むエネルギー高が物価を押し上げ始めたためです。植田総裁は、経済・物価が見通しどおりに推移すれば「引き続き政策金利を引き上げる」と述べ、追加利上げに含みを残しました。

地ならしの会合: 世界の主要中銀が利下げから利上げへ転じるなか、日銀は数少ない「正常化(利上げ)」の途上にあります。この4月会合は据え置きでしたが、強気の見通しは次の一手への布石。日銀は6月会合で追加利上げに動く可能性が意識されます。
02

マイナス金利から、0.75%への階段

POLICY RATE

日銀の政策金利は、長く−0.1%のマイナス圏にありました。転機は2024年3月のマイナス金利解除。同年7月に0.25%、2025年1月に0.5%、2025年12月に0.75%と一段ずつ階段を上り、この4月会合ではその0.75%を維持しました。

日銀の政策金利の推移単位:%。−0.1%→0→0.25→0.5→0.75%へ、一段ずつ正常化
出所:日本銀行の政策決定より作成(2026年4月28日時点)

0.75%は、米国(3.6%)や英国(3.75%)に比べれば依然としてかなり低い水準。この大きな金利差が、長く続く円安の主因です。日銀が利上げを進めれば差は縮まりますが、そのペースは慎重。賃金・物価の好循環が確かなものになるかを、一歩ずつ確かめながら進めています。

03

足元1.8%、見通し2.8%。この差をどう読むか

INFLATION

直近のコアCPI(生鮮食品を除く、3月分)は前年比+1.8%。5か月ぶりに加速したものの、目標2%は下回ります。一方で展望レポートの2026年度見通しは+2.8%。日銀は先行きの加速を織り込み、足元より高い見通しを示しました。

足元の物価 vs 日銀の見通し単位:%/前年比。点線は目標2.0%。先行きの加速を織り込む
出所:総務省(コアCPI, 2026年3月)・日本銀行「展望レポート」(2026年4月、政策委員見通しの中央値)

エネルギーや食料を除いたコアコアCPIは+2.4%と、物価の基調はすでに2%を上回っています。賃上げが価格に転嫁され、サービス価格も上がってきた——この「賃金と物価の好循環」の定着が、強気の見通しと追加利上げ姿勢の根拠です。ただし足元(1.8%)と見通し(2.8%)の差は大きく、エネルギー高が一巡すれば見通しの下振れもありえます。

04

もう一つの正常化 — 国債買い入れの減額

BALANCE SHEET

日銀は金利だけでなく、大量に買い続けてきた国債(JGB)の買い入れを減らす正常化も並行して進めています。買い入れ額を四半期ごとに段階的に縮小しており、その結果、長く膨張してきた総資産も減少に転じました。利上げと並ぶ、もう一つの引き締めです。

約665兆円
日銀の総資産(バランスシート)。約757兆円のピークから、国債買い入れの減額で縮小に転じました。それでも日銀は、なお日本最大の国債保有主体です。
日銀の総資産の推移(四半期末)単位:兆円。約757兆円のピーク後、買い入れ減額で総資産も縮小に転じた
出所:日本銀行「営業毎旬報告」より四半期末ベースで作成(概数)

金利を上げつつ、国債市場の急変は避ける——この「二正面の正常化」を、市場を驚かせないよう慎重に進めるのが日銀の課題です。長期金利(10年債利回り)は正常化を映してじわりと上昇しており、住宅ローンや企業の借入金利にも波及していきます。

05

誰が決める? — 政策委員会の「9人」

STRUCTURE

金融政策は、年8回開かれる金融政策決定会合で、9人の政策委員の多数決で決まります。内訳は総裁1人・副総裁2人・審議委員6人。議長は植田総裁が務め、会合は2日間にわたって議論されます。

政策委員会「9人」の構成総裁1+副総裁2+審議委員6=政策委員9人
政策委員 9人総裁1人 ・ 副総裁2人 ・ 審議委員6人
出所:日本銀行の政策委員会の構成にもとづき作成(概念図)
政策委員(総裁・副総裁・審議委員)9人

決定は2日目の昼ごろに公表され、続いて総裁の記者会見が開かれます。1・4・7・10月の会合では、経済・物価の見通しを示す「展望レポート」が同時に公表され、市場が特に注目します。今回の4月会合は、その展望レポートの公表回でした。

06

2026年 金融政策決定会合カレンダー

SCHEDULE

会合は年8回。うち1・4・7・10月の会合では「展望レポート」が公表されます。今回(4/28)の会合を終え、次回は6月15〜16日です。

1月
22–23
据え置き展望
3月
18–19
据え置き
今回
4月
27–28
据え置き展望
6月
15–16
次回
7月
30–31
展望
9月
17–18
10月
29–30
展望
12月
17–18
年内最終

市場の最大の関心は、次の利上げがいつか。強気の展望レポートと植田総裁の発言を受けて、市場は夏場にかけての追加利上げを意識し始めました。次回6月会合での判断が、次の手がかりとなります。

07

為替・市場への影響、用語ミニ解説

IMPACT & GLOSSARY

日銀の金利は、ドル円相場を大きく左右します。日本の金利が上がり、米国との金利差が縮めば、本来は円高方向の力が働きます。ただし日米欧の金利差は依然として大きく、円の重荷が続いています。強気の展望レポートは、追加利上げ観測を通じて円の下支え材料になり得ます。

主要5中銀の政策金利(2026年4月時点)単位:%。日本はなお最も低く、金利差が円安の背景に
出所:日銀・FRB・ECB・BOE・RBAの政策金利より作成(2026年4月時点)
足元1.8%、見通し2.8% ——日銀は「先回り」して、次の利上げに備える。
無担保コール翌日物レート金融機関が担保なしで翌日返済の資金をやり取りする際の金利。日銀が誘導目標を定める、日本の政策金利。
コアCPI/コアコアCPIコアCPIは生鮮食品を除く消費者物価。コアコアは食料とエネルギーも除き、物価の基調を示す。
展望レポート日銀が年4回示す経済・物価の見通し。政策委員の予測(中央値)が公表され、利上げ判断の土台になる。
国債買い入れ減額大量保有する国債の買い入れを段階的に減らす正常化策。長期金利の急変を避けつつ進めるのが課題。
為替・金利の見方: 利上げや「タカ派」的な情報は、一般に円高・国内金利上昇の材料。ただし実際の相場は日米金利差・地政学・他指標で決まります。本ページは教育目的の解説で、投資助言ではありません。