デイリーレポート 2023年4月26日

April 26, 2023

【前日の為替概況】前日の為替概況貼り付け

25日のニューヨーク外国為替市場でユーロ円は3営業日ぶりに反落。終値は146.78円と前営業日NY終値(148.28円)と比べて1円50銭程度のユーロ安水準だった。

アジア市場では一時148.62円と2014年12月以来約8年4カ月ぶりの高値を付けたものの、欧米市場に入ると軟調に推移した。米地銀の預金流出が相場の重しなり、ダウ平均が一時350ドル超下落すると、投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ユーロ売りが優勢となった。3時30分前には146.29円と日通し安値を付けた。ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は165.43円、豪ドル円は88.26円、NZドル円は81.85円、カナダドル円は97.76円、スイスフラン円は149.56円、南アフリカランド円は7.26円まで値を下げた。

ドル円は反落。終値は133.76円と前営業日NY終値(134.24円)と比べて48銭程度のドル安水準だった。4月米消費者信頼感指数や4月米リッチモンド連銀製造業景気指数が予想を下回ったことが伝わると、米長期金利の低下とともにドル売りが先行。米国株の下落に伴うリスク回避の円買いも入り、3時過ぎに133.37円と本日安値を付けた。ただ、対欧州・オセアニア通貨でドル買いが進んだ影響を受けたため、売り一巡後は下げ渋る展開に。NY株引け後に発表されたマイクロソフトとアルファベットの決算が好感されて、時間外の株価指数先物が上昇したことも相場を下支えした。

ユーロドルは4日ぶりに反落。終値は1.0973ドルと前営業日NY終値(1.1046ドル)と比べて0.0073ドル程度のユーロ安水準だった。欧州の銀行株が大幅に下落したことで投資家がリスク回避姿勢を強めると、ユーロ売り・ドル買いが進行。米国株相場の下落もリスク・オフのドル買いを促し、3時前には1.0964ドルと日通し安値を更新した。

【本日の東京為替見通し】本日の東京為替見通し貼り付け

本日の東京為替市場でドル円は、昨日のリスクセンチメント悪化の流れがどの程度まで引き継がれるかを見定めながらの取引となる。結局、時間外の米株指数や同10年債利回りの動向に振らされる展開か。また、経済指標では豪インフレ指標が注目される。

昨日の米株式市場では、地域銀行の経営不安に端を発した金融株の軟調さが目立った。もっとも、引け後に発表された四半期決算を受けて、時間外のマイクロソフトやアルファベット(グーグルの親会社)は日中に下落した以上に反発。このあたりが好感されアジア株も下げ渋るようだと、クロス円を中心に昨日の反動という場面があるかもしれない。

一方、債券市場はリスクへの警戒感を強めている。米10年債利回りは前日比9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い3.40%、同2年債利回りに至っては13bpも低下した3.95%で終えた。10年債利回りが今月前半に低下した3.25%割れが意識されるようだと、緩和継続が確実視される日銀金融政策決定会合を27-28日に控えていても、ドル円の上値は限定となってしまうか。

気になるところでは、一部通信社も報じている米国の通貨供給量(マネーサプライ)が急速に縮小していること。3月分のM2(現預金や少額の定期預金、個人向けMMFなどを含む)は、前年同月比4%超まで減少幅を拡大した。同指数は昨年12月に前年同月比1.4%低下し、統計が遡れる1960年以降で初めて月次ベースでの減少となった。その後も減少幅は広がっており、インフレの重要な要因の1つとされる同指数の縮小は、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策決定に影響を与えそうだ。

本日アジア・オセアニア市場での重要イベントは、10時30分に発表される豪の消費者物価指数(CPI)。予想はそれぞれ、3月分が前年比6.5%、1-3月期は前期比1.3%/前年同期比6.9%と前回から伸び率鈍化が見込まれている。来週5月2日には豪準備銀行(RBA)理事会を控えており、結果に対して市場は敏感に反応しそうだ。なお短期金融市場は、足もとではRBAの据え置き決定を織り込みつつあるも、夏終わりまでは上向きリスクを見込んでいる。

【本日の重要指標】

※時刻表示は日本時間

<国内>

特になし

<海外>

○10:30 ◎ 1-3月期豪消費者物価指数(CPI、予想:前期比1.3%/前年同期比6.9%)

○10:30 ◎ 3月豪CPI(予想:前年比6.5%)

○15:00 ◇ 5月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲27.9)

○15:45 ◇ 4月仏消費者信頼感指数(予想:81)

○16:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:3.50%に引き上げ)

○18:30 ◇ 3月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.4%/前年比11.0%)

○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数

○21:00 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演

○21:30 ◇ 3月米卸売在庫(予想:前月比0.2%)

○21:30 ◎ 3月米耐久財受注額(予想:前月比0.7%/輸送用機器を除く前月比▲0.2%)

○23:30 ◇ EIA週間在庫統計

○27日02:00 ◎ 米財務省、5年債入札

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

25日10:22 植田日銀総裁

「現行のイールドカーブコントロールの継続が適切」

「賃金・物価想定以上に上昇し、引き締め必要なら適切に対処」

「市場機能を今後も見極めていく」

「いま金融引き締めに転じると、半年後に物価が下がっていく局面でさらに下押し圧力 由々しき事態になる」

「基調的な消費者物価の上昇率は少しずつ上がってきている、ここには金融緩和が影響」

25日15:33 ビルロワドガロー仏中銀総裁

「インフレは今がピークの公算」

「インフレ率は、2024年末には2%程度まで低下する見通し」

25日17:12 日銀

「市場の状況に応じ、ドル資金供給を再調整する用意がある」

「ドル資金の供給を5月から日次から週1回に戻す」

25日19:22 ブロードベントBOE副総裁

「量的緩和策がインフレ高進の要因という根拠ない」

「新型コロナのパンデミックに伴う供給網の混乱や、ロシアによるウクライナ侵攻を受けた天然ガス価格の高騰が物価上昇の原因」

25日23:36 南アフリカ準備銀行(SARB)

「食品インフレはまだピークに達していない」

「インフレリスクは依然として上方サイド」

「停電がインフレ率を0.5%増加させている」

「コアインフレは中期的に粘り強い」

※時間は日本時間

【日足一目均衡表分析】

<ドル円=転換線付近の底堅さ維持し、さらに戻せるか注視>

陰線引け。134円付近で低下中の一目均衡表・雲の上限はしっかりした支えとならず一時133.37円と、14日以来の安値をつけた。明日まで上昇が続く見込みの一目・転換線もいったん下抜けたが、NY終値ベースでは同線を回復。本日133.65円へ利上がり、明日134.25円へ上昇して一目・雲を上回る見込みの転換線付近の底堅さを維持し、さらに戻すことができるか注視したい。
レジスタンス1 134.47(4/25高値)
前日終値 133.76
サポート1 133.25(21日移動平均線)
サポート2 132.57(日足一目均衡表・雲の下限)

<ユーロドル=転換線が示唆するような不安定な相場展開>

上影陰線引け。上昇が先行も1.1067ドルまでと、14日につけた年初来高値1.1076ドルが抵抗となり頭打ちとなった。いたん小幅に低下する見込みの一目均衡表・転換線も示唆するような不安定な相場展開。前日安値を割り込む1.0964ドルまで下落が進んだ。転換線は小幅な低下後にやがて1.1ドル台へ戻す可能性を残している。相場もやがて底堅さを回復すると期待するが、しばらく安定しない推移が続きそうだ。
レジスタンス1 1.1039(ピボット・レジスタンス1)
前日終値 1.0973
サポート1 1.0909(4/17安値)

<ユーロ円=じり高の転換線を追うように反発できるか注目>

下影大陰線引け。148.62円まで年初来高値を更新した。しかし頭打ちとなり反落。下支えが期待された一目均衡表・転換線147.35円を下抜けている。高値更新により、当面の転換線低下は回避できそう。本日147.43円、明日は147.46円へ小幅ながら切り上がる転換線を追うように反発が進むか注目。戻しきれず、転換線じり高の流れに追随できないと、今度は転換線が抵抗として機能してくる可能性が高まるため注意したい。
レジスタンス1 147.46(4/25レンジ半値水準)
前日終値 146.78
サポート1 146.29(4/25安値)

<豪ドル円=転換線-基準線に挟まれたレンジで雲を試すか>

下影大陰線引け。低下傾向の一目均衡表・雲の流れに押されるように下落が進んだ。下支えが期待された一目・転換線や21日移動平均線を下抜け、10日以来の安値88.26円まで下値を探った。その後は一目・基準線88.42円を上回る水準へ戻している。低下傾向の転換線と、上昇傾向の基準線に挟まれたレンジで推移し、89円台で低下中の雲下限の抵抗を試すことになりそうだ。
レジスタンス1
89.39(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値
88.61
サポート1
88.26(4/25安値)