デイリーレポート 2024年1月15日

January 15, 2023

【前日の為替概況】ドル円、米 12 月 PPI の伸び率鈍化で 145.57 円から 144.36 円まで下落

12 日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は 144.88 円と前営業日 NY 終値(145.29 円) と比べて 41 銭程度のドル安水準となった。米 10 年債利回りが 4.00%台まで上昇すると全般ドル買いが 先行し、22 時 30 分前に一時 145.57 円と日通し高値を付けたものの、すぐに失速した。米労働省が発表 した 12 月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ると、前日の 12 月米消費者物価指数(CPI)発表後に高ま ったインフレ警戒感が後退し、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が再燃。米長期金利の低下と ともにドル売りが優勢となり、0 時 30 分前に一時 144.36 円と日通し安値を更新した。米 10 年債利回り も一時 3.91%台まで低下した。

ただ、10 日の安値 144.32 円が目先サポートとして働くと下げ渋った。米 10 年債利回りが 3.97%台ま で低下幅を縮めたことも相場を下支えした。

ユーロドルは下落。終値は 1.0951 ドルと前営業日 NY 終値(1.0972 ドル)と比べて 0.0021 ドル程度の ユーロ安水準だった。22 時過ぎに一時 1.0936 ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値 1.0930 ド ルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米 PPI の下振れを受けて全般ドル売りが強まると、0 時過ぎに一時 1.0987 ドルと日通し高値を付けた。ただ、3 時前には 1.0947 ドル付近まで下押しした。NY 市場では米長期金利の動向に左右されて、方向感に乏しい展開となった。

ユーロ円は続落。終値は 158.66 円と前営業日 NY 終値(159.41 円)と比べて 75 銭程度のユーロ安水準。 22 時 30 分前に一時 159.30 円付近まで値を上げたものの、低調な米インフレ指標をきっかけにドル円が 下落するとユーロ円にも売りが波及。23 時 30 分前に一時 158.55 円と本日安値を更新した。

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは大幅安となった。ビットコインの現物に投資する 上場投資信託(ETF)が上場した前日には、対ドルで一時 4 万 9021 ドル前後と 2021 年 12 月以来の高値を 付け、対円では 714 万円台と 21 年 11 月以来の高値を更新していた。ただ、本日は「材料出尽くし」とし て利食い売りなどが優勢に。対ドルでは一時 4 万 3179 ドル前後、対円では 626 万円台まで値を下げた。

【本日の東京為替見通し】ドル円、3 月米 FOMC での利下げ開始確率上昇で軟調推移か

本日の東京外国為替市場のドル円は、NY 市場がキング牧師誕生日で休場のため閑散な取引が予想され る中、3 月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始確率が上昇していることで軟調な展開が予想さ れる。

ドル円は、昨年 11 月 13 日の高値 151.91 円から 12 月 28 日の安値 140.25 円まで 11.66 円下落した後、 先週は 146.41 円まで上昇して、半値戻しの 146.08 円を上回ったものの、現状は 144 円台に反落している。 すなわち、「半値戻しは全値戻し」を意識しながら相場に臨んでいきたい。

12 日に発表された米 12 月卸売物価指数(PPI)は、前月比は 3 カ月連続の低下となる-0.1%、前年比 では+1.0%と発表され、生産者レベルでのインフレ圧力緩和が示された。米連邦準備理事会(FRB)は、 個人消費支出(PCE)価格指数をインフレ目標の基準にしている。PPI と PCE は、特定の医療分野やポー トフォリオ管理など、いくつかのカテゴリーが共通であることで、26 日に発表される昨年 12 月の PCE 価 格指数も伸び率鈍化が示される可能性が高まっている。

昨年 11 月の PCE 価格指数は前年比+2.6%と発表されており、10 月の同比+3.0%から低下して FRB のイ ンフレ目標 2%に接近していた。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが FF 金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッ チ」では、3 月 19-20 日の FOMC での 0.25%の利下げ確率は 75%台まで上昇し、据え置き確率は 21%程度 まで低下している。米国の昨年 12 月のインフレ指標は以下の通りとなっている。 ・CPI:前年比+3.4% ・コア CPI:前年比+3.9% ・スーパーコア CPI:前年比+4.09% ・PPI:前年比+1.0% ・コア PPI:前年比+1.8% ・ISM 製造業「価格」指数:45.2 ・ISM 非製造業「価格」指数:57.4 ・ミシガン大学調査の 1 年先インフレ期待:3.1% ・ニューヨーク連銀調査の1年先のインフレ期待:3.0%

【本日の重要指標】

<国内>

○08:50 ◇ 12 月マネーストック M2

<海外>

○16:00 ◇ 12 月独卸売物価指数(WPI)

○16:00 ◎ 12 月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比 0.6%/前年比 4.3%)

コア指数(予想:前月比 0.4%/前年比 2.2%)

○19:00 ◎ 11 月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.3%/前年比▲5.9%)

○19:00 ◇ 11 月ユーロ圏貿易収支

○22:30 ◇ 11 月カナダ卸売売上高(予想:前月比 0.8%)

○22:30 ◇ 11 月カナダ製造業出荷(予想:前月比 1.0%)

○23:15 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演

○世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議、19 日まで)

○米国(キング牧師誕生日)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

12 日 05:22 グールズビー米シカゴ連銀総裁

「利下げ前にさらなるデータを確認する必要がある」

※時間は日本時間

【日足一目均衡表分析】

<ドル円=144 円前半まで上昇の転換線を支持に押し目買い>

陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、売りシグナルが優勢な 展開となっている。しかし、2 手連続陰線でも転換線を上回 って引けており、反発の可能性が示唆されている。 本日は 144.10 円台まで水準を上げてきた転換線を支持に 押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。


レジスタンス 2 146.41(1/11 高値)
レジスタンス 1 145.96(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 144.88
サポート 1 144.14(日足一目均衡表・転換線)
サポート 2 143.42(日足一目均衡表・基準線)

<ユーロドル=転換線を念頭、雲の上限を支持に押し目買い>

陰線引け。転換線は基準線を下回ったものの、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで買いシグナルが 優勢な展開となっている。2 手連続陰線でも転換線を上回っ ては引けており、反発の可能性が示唆されている。 本日は 1.0938 ドルまで水準を落とした転換線を念頭に置 き、雲の上限を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。


レジスタンス 1 1.1046(1/2 高値)
前日終値 1.0951
サポート 1 1.0854(日足一目均衡表・雲の上限)

<ユーロ円=一目・雲を意識、転換線を支持に押し目買い>

陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の中で推移しているものの、買いシグナルが優勢 な展開となっている。2 手連続陰線でも転換線を上回って引 けており、反発の可能性が示唆されている。 本日は雲(下限 158.43 円・上限 158.77 円)を念頭に置き、 転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス 1 159.65(1/12 高値)
前日終値 158.66
サポート 1 157.72(日足一目均衡表・転換線)

<豪ドル円=上向きの基準線を支持に押し目買いスタンス>

陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシ グナルが点灯している。2 手連続陰線でも転換線を上回って 引けており、反発の可能性が示唆されている。 本日は 96.84 円の転換線を念頭に置き、上向きの基準線を 支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。


レジスタンス 1 97.80(1/11 高値)
前日終値 96.91
サポート 1 95.99(日足一目均衡表・基準線)