デイリーレポート 2024年2月27日
February 27, 2024
【前日の為替概況】ドル円150.84円まで上昇、米10年債利回りが一時4.30%台へ上昇
26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は150.70円と前営業日NY終値(150.51円) と比べて19銭程度のドル高水準だった。低下していた米10年債利回りが上昇に転じたことを背景に買い が進行。先週末高値の150.77円を上抜けて150.84円まで値を上げた。13日に付けた年初来高値である 150.89円が重要なレジスタンスとして意識されると買いは一服したものの、高値圏を維持したまま取引 を終了した。
ユーロドルは反発。終値は1.0851ドルと前営業日NY終値(1.0821ドル)と比べて0.0030ドル程度の ユーロ高水準だった。欧州中央銀行(ECB)高官からタカ派的な発言が相次いでいることで早期利下げ観 測が後退するなか、欧州序盤からの強い地合いを引き継いでNY序盤に一時1.0860ドルまで値を上げた。 一方、22日高値の1.0888ドルや日足・一目均衡表雲下限1.0898ドルなど1.08ドル台後半がレジスタン スとして意識されるなど、上値は限られた。NY時間に限ると値幅は21pips程度と非常に狭かった。
なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は議会証言で「賃金上昇圧力は依然強い」と指摘した一方、 「物価が上がりにくいディスインフレの傾向は続きそうだ」との見解も示した。
ユーロ円は反発。終値は163.53円と前営業日NY終値(162.86円)と比べて67銭程度のユーロ高水準 だった。欧州序盤から全般ユーロ高が進んだ流れに沿ったほか、ドル円の上昇も追い風となり、一時 163.72円と昨年11月27日以来の高値を更新した。もっとも、一巡後はドル円やユーロドルの買いが一 服したことで163円台半ばまで利食い売りに押された。
【本日の東京為替見通し】ドル円、1月全国CPI次第では151円台トライか
本日の東京外国為替市場のドル円は、1月全国消費者物価指数(CPI)を受けて円売り圧力が強まる可 能性、日経平均株価の4万円乗せ期待、米10年債利回りが4.20%台後半で推移していることなどから、 151円台乗せをうかがう展開が予想される。
一方でドル円の上値は、151.00円に噂されているバリアオプションの防戦売りや151円台乗せでの本 邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感が抑えている。
ドル円の今年の150.80円台は、2月13日の150.89円、14日の150.83円、昨日の150.84円までだっ た。
神田財務官は、ドル売り・円買い介入の条件として、投機的な円売り圧力の増大やボラティリティーの 上昇を挙げている。投機筋の円売りポジションを示唆するIMM通貨先物の非商業(投機)部門取組の円売 り持ち高は、2月20日時点で120778枚まで増加している。しかし、ボラティリティーの上昇は、150円 台での推移が続いていることで見られず、ボリンジャー・バンドの+2σは151.80円台に控えている。
8時30分に発表される1月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)は前年比+1.8%と予想さ れており、前月の同比+2.3%から低下、コアコアCPI(生鮮食品およびエネルギーを除く)は同比+3.3% と予想されており、前月の同比+3.7%からの低下が見込まれている。すなわち、コアCPIは2022年3月 以降で初めて日本銀行のインフレ目標2%を下回ることが見込まれている。
予想通りに低下していた場合、現在3月の賃上げ率を確認した後の4月の日銀金融政策決定会合で警戒 されているマイナス金利やイールドカーブコントロール(YCC)の解除が先送りされる可能性が高まるこ とで、現状の円売りトレンドを下支えすることになる。
昨年の春闘での賃上げ率は3.58%だったが、今年は4.0%程度が予想されている。
9時40分からは、シュミッド米カンザスシティ連銀総裁(※今年のFOMC投票権なし)が経済及び金融 政策の見通しについて講演を行うが、米1月のインフレ率が下げ止まる傾向がある中での利下げ開始時期 に関する発言に注目しておきたい。
また、米国の現行のつなぎ予算は一部の政府機関の資金を今週末3月1日まで、他の機関の資金を来週 末の3月8日まで手当てしている。本日、バイデン米大統領と議会指導者(ジョンソン下院議長、シュー マー上院院内総務、マコネル上院院内総務、ジェフリーズ下院院内総務)が会談する予定だが、ウクライ ナ支援法案や歳出法案に関する話し合いが行われるとのことである。
【本日の重要指標】
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:30 ☆ 1 月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比 1.8%)
○08:30 ☆ 1 月全国 CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比 3.3%)
<海外>
○09:40 ◎ シュミッド米カンザスシティ連銀総裁、講演
○16:00 ◇ 3 月独消費者信頼感指数(Gfk 調査、予想:▲29.0)
○16:45 ◇ 2 月仏消費者信頼感指数(予想:92)
○21:00 ◎ エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:00 ◇ 1 月メキシコ貿易収支(予想:22.86 億ドルの赤字)
○22:30 ◎ 1 月米耐久財受注額(予想:前月比▲4.5%/輸送用機器を除く前月比 0.2%)
○22:40 ◎ ラムズデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○23:00 ◇ 12 月米住宅価格指数(予想:前月比 0.3%)
◇ 10-12 月期米住宅価格指数
○23:00 ◎ 12 月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比 6.0%)
○23:05 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)、講演
○24:00 ◎ 2 月米消費者信頼感指数(予想:115.0)
○24:00 ◎ 2 月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲9)
○28 日 03:00 ◎ 米財務省、7 年債入札
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
26 日 21:38 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「金融政策の調整は段階的に行うべき」
「ECB が対処すべき問題、FRB よりも困難」
「ECB の金融政策変更は引き続き経済データ次第」
26 日 23:52 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「ECB はインフレに関してまだ目標に達していない」
「2%のインフレを持続させなければいけない」
※時間は日本時間
【日足一目均衡表分析】
<ドル円=2/20 安値を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を
上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシ
グナルが点灯中。抱き線で切り返して、依然として転換線を
上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は転換線 150.21 円を念頭に置き、20 日の安値を支持
に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕
舞い。
レジスタンス 2 151.91(2023/11/13 高値)
レジスタンス 1 151.43(2023/11/16 高値)
前日終値 150.70
サポート 1 149.69(2/20 安値)
サポート 2 148.40(日足一目均衡表・基準線)
<ユーロドル=2/20 安値を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を
下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシ
グナルが点灯している。しかし、依然として基準線や転換線
を上回って引けており、反発の可能性が示唆されている。
本日は転換線 1.0807 ドルを念頭に置き、20 日の安値を支
持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手
仕舞い。
レジスタンス 1 1.0902(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 1.0851
サポート 1 1.0762(2/20 安値)
<ユーロ円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を
上回り、雲の上で推移していることで、三役好転の強い買い
シグナルが点灯している。抱き線で転換線を上回って引けて
おり、続伸の可能性が示唆されている。
本日は転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を
下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス 1 164.43(ピポット・レジスタンス 2)
前日終値 163.53
サポート 1 162.32(日足一目均衡表・転換線)
<豪ドル円=基準線を支持に押し目買いスタンス>
小陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線
を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買い
シグナルが点灯している。8 手連続陽線の後の小陰線で反落
したものの、依然として転換線を上回って引けており、反発
の可能性が示唆されている。
本日は転換線 98.19 円を念頭に置き、基準線を支持に押し
目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス 1 99.64(2/23-26 の下落幅の上方倍返し)
前日終値 98.56
サポート 1 97.28(日足一目均衡表・基準線)