デイリーレポート 2024年4月2日

April 2, 2024

【前日の為替概況】ドル円151.77円まで上昇、米10年債利回りが4.3331%前後まで上昇

1日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは下落。終値は1.0743ドルと前営業日NY終値(1.0790 ドル)と比べて0.0047ドル程度のユーロ安水準だった。3月米ISM製造業景況指数が50.3と予想の48.4 を上回ったことが伝わると米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行。前週末の安値1.0768ドルを 下抜けて一時1.0731ドルと2月15日以来の安値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルイ ンデックスは一時105.08と昨年11月14日以来の高水準を記録した。

米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.3331%前後と3月19日以来の高水準を更新した。

ドル円は反発。終値は151.65円と前営業日NY終値(151.35円)と比べて30銭程度のドル高水準だっ た。前週末にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「利下げを急ぐ必要はない」と述べたことや米ISM 製造業景況指数の上振れをきっかけに、全般ドル買いが進行。0時過ぎに一時151.77円と日通し高値を 付けた。

ただ、政府・日銀による為替介入への警戒感が根強い中、3月27日に付けた34年ぶりの高値151.97 円やノックアウトオプションが観測されている152.00円がレジスタンスとして意識されると若干伸び悩 んだ。

ユーロ円は反落。終値は162.92円と前営業日NY終値(163.30円)と比べて38銭程度のユーロ安水準。 ユーロドルの下落につれた売りが出たほか、ダウ平均の下落に伴うリスク回避の円買いが入ると一時 162.79円と本日安値を更新した。

ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時190.18円、豪ドル円は98.27円、NZドル円は 90.11円、カナダドル円は111.59円、スイスフラン円は167.48円、メキシコペソ円は9.10円まで値を 下げた。

【本日の東京為替見通し】ドル円、152円の攻防戦と円買い介入の可能性に要警戒か

本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りが4.33%台まで上昇していることを背景にした 152円のノックアウトオプションへの買い仕掛けと防戦売り、そして本邦通貨当局のドル売り・円買い介 入の可能性に警戒する展開が予想される。

昨日発表された3月米ISM製造業景況指数は50.3と予想の48.4や2月の47.8を上回り、ドルインデ ックスを105.08まで、米10年債利回りを4.33%台まで押し上げた。雇用指数は47.4と2月の45.9か ら改善して、今週末に発表される3月米雇用統計への期待感を高まらせ、価格指数は55.8と2月の52.5 から上昇して、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始確率を低下させている。

ドル円は、先週、1990年以来の高値となる151.97円まで上昇した後、三者会合(財務省・日銀・金融 庁)が開催され、神田財務官が為替介入について「常に準備はできている」と述べたことで、円買い介入 への警戒感が高まっている。

2022年9月22日のドル売り・円買い介入の前も、9月7日に144.99円まで上昇した後の9月8日に三 者会合が開催され、神田財務官が「(為替介入などの対応は)スタンバイな状態だ」と警告していた。さ らに、日銀が大規模緩和の見直しを決定した後の円安の動きは「反対方向という意味で強い違和感を持っ ている」とも述べている。

おそらく、145円台に乗せた場合には円買い介入を行うことが話し合われ、22日の145円台乗せでの円 買い介入となったことが推測できるため、今回も152円台に乗せた場合の円買い介入の可能性には警戒し ておきたい。

本邦通貨当局による過去の介入では、ストップロスが観測されている水準でストップロスの執行を待っ てから介入が行われるパターンが見受けられた。

本日も、152円のノックアウトオプションへの買い仕掛けが成功した後での円買い介入の可能性に警戒 しておきたい。

9時30分に発表される3月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨では、声明文やブロックRBA総裁の発言 になかったサプライズ、すなわち、利上げあるいは利下げ支持への見解に警戒しておきたい。

声明文では「最近のデータはインフレが緩和していることを示しているものの、依然として高水準」、 ブロックRBA総裁は「利下げ検討にはインフレ率低下へのより強い確信が必要」と述べていた。

【本日の重要指標】

※時刻表示は日本時間

<国内>

○08:50 ◇ 3 月マネタリーベース

<海外>

○07:50 ☆ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ

○09:30 ◎ 3 月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨

○15:00 ◇ 3 月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比 0.3%)

○15:30 ◇ 2 月スイス小売売上高

○16:30 ◇ 3 月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:44.9)

○16:50 ◎ 3 月仏製造業 PMI 改定値(予想:45.8)

○16:55 ◎ 3 月独製造業 PMI 改定値(予想:41.6)

○17:00 ◎ 3 月ユーロ圏製造業 PMI 改定値(予想:45.7)

○17:30 ◎ 3 月英製造業 PMI 改定値(予想:49.9)

○17:30 ◇ 2 月英消費者信用残高(予想:16 億ポンド)

○17:30 ◇ 2 月英マネーサプライ M4

○21:00 ◎ 3 月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比 0.6%/前年比 2.2%)

○23:00 ◎ 2 月米製造業新規受注(予想:前月比 1.0%)

○23:00 ◎ 2 月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:879.0 万件)

○23:10 ◎ ボウマン FRB 理事、講演

○3 日 01:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、討議に参加

○3 日 01:05 ◎ メスター米クリーブランド連銀総裁、あいさつ

○3 日 02:30 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、イベントに参加

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

1 日 09:17 鈴木財務相

「(為替について)行き過ぎた動きにはあらゆる手段排除 せず適切に対応」

「内外の経済状況やインフレ動向などを踏まえると、投 機的な動きがみられる」

※時間は日本時間

【日足一目均衡表分析】

<ドル円=3/27 安値を支持に押し目買いスタンス>

陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を 上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシ グナルが点灯中。抱き線で切り返して転換線を上回って引け ており続伸の可能性が示唆されている。 本日は転換線 151.12 円を念頭に置き、3 月 27 日の安値を 支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は 手仕舞い。

レジスタンス 2 152.30(1990/7/6 高値)
レジスタンス 1 151.97(3/27 高値=年初来高値)
前日終値 151.65
サポート 1 151.03(3/27 安値)
サポート 2 149.23(日足一目均衡表・基準線)

<ユーロドル=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

陰線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を 下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシ グナルが点灯している。抱き線で反落して転換線を下回って 引けており続落の可能性が示唆されている。 本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上 抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス 1 1.0837(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0743
サポート 1 1.0695(2/14 安値=年初来安値)

<ユーロ円=上昇中の転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を 下回り、雲の上で引けていることで、買いシグナルが優勢な 展開となっている。しかし、抱き線で反落して転換線を下回 って引けており続落の可能性が示唆されている。 本日は上昇中の転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、 同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス 1 164.07(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 162.92
サポート 1 161.61(日足一目均衡表・雲の上限)

<豪ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を 下回り、雲の上で引けていることで、買いシグナルが優勢な 展開となっている。しかし、5 手連続陰線で転換線を下回っ て引けており続落の可能性が示唆されている。 本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上 抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス 1 99.17(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 98.41
サポート 1 97.73(日足一目均衡表・雲の上限)