スワップポイントの調べ方|項目の読み方・3日分計上日・保有コストの試算

スワップポイントはポジションを翌日に持ち越したときに発生する金利で、コストになることも収益になることもあります。1日あたりの金額はそれほど大きくありませんが毎日積み上がり、同じ銘柄でも買いと売りで金額が数倍違うことがよくあります。1週間を超えて保有する取引では、この数字が損益の結果を直接動かします。
多くの人は建てる前に「プラスかマイナスか」を一度見るだけです。このツールならもっと正確に答えられます。その銘柄が今月は毎日いくらだったのか、どの日が3日分なのか、買いと売りのどちらが有利なのか。
ここからは画面上の4つのプルダウンから始めて、表を項目ごとに読み解き、2つの場面で実際の保有コストへの換算を再現します。
- 表は「買い」と「売り」の2列に分かれ、両者の金額は非対称で、両方ともマイナスのことも珍しくない
- 「付与日数」の列がその日を何日分として計算するかを示し、3の日が3日分計上日
- 3日分の計上日は資産カテゴリから推測できません——FXの中にも例外があり、USDCAD と USDTRY は水曜ではなく木曜です
- 「通貨を選択」は表示通貨を変えるだけで、実際のコストは変わらない
- 数値は1ロットが前提で、実際のポジションには比例して換算する
- ここで見られるのは過去の記録です。今夜いくら発生するかは MT4/MT5 の銘柄仕様と口座の記帳が基準になります
1. このツールで何がわかるか
スワップポイントは、ポジションが決済時点をまたいだときに発生する金利です。受け取るか支払うかは、その銘柄の買い・売りそれぞれの条件で決まるもので、価格の見通しが当たったかどうかとは関係ありません。銘柄によっては両方向とも支払いになります。
問題は、建てる前に多くのプラットフォームがその時点の数字しか見せてくれないことです。この数字は日々変わりますし、3日分の計上日には急に3倍になります。1週間保有すると、累計額は建てた日に見た数字とかなり違ってきます。

このツールは1か月分の実額を並べます。週末のゼロも、3日分の日も、まだ来ていない日付にすでに割り当てられた付与日数も含めてです。保有コストを「だいたい」から、日ごとに足し上げられる具体的な数字に変えてくれます。
使う場面は4つあります。
-
建てる前、その取引を翌日に持ち越すつもりなら——保有期間の金額を先に足しておく
-
買いか売りかを決めるとき——同じ銘柄でも両者は数倍違い、両方向とも支払いの銘柄もある
-
週をまたぐ保有を計画するとき——3日分の計上日が何曜日かを確認する
-
照合するとき——口座に見覚えのない金額が出たら、その日が何日分だったかを見に戻る
2点だけ切り分けておきます。ここで見られるのは過去の記録で、今夜のレートではありません——現在の設定を確認するには MT4/MT5 の銘柄仕様を見てください。実際のコストは口座の記帳が基準です。もう1つ、数字にはスワップポイントしか含まれず、スプレッドや手数料は入っていません。
2. どこから開くか
Titan FX トレード戦略研究所のメニューから「市場分析」を開き、一覧の中の「スワップカレンダー」です。

3. 4つのプルダウン
画面上部に4つのプルダウンがあります。下の図の ①〜④ に対応します。

①「資産カテゴリ」
FX、株価指数、コモディティ、株式CFD(米国株式)、仮想通貨の5分類です。切り替えると②の銘柄一覧がまるごと入れ替わります。
②「銘柄」
選んだカテゴリの中から1つ選びます。銘柄を切り替えると表全体が再計算されます——金額だけでなく、3日分の計上日が何曜日になるかも変わることがあります。
③「通貨を選択」
「JPY」と「USD」の2択で、表の金額をどの通貨で表示するかを決めます。USDJPY の2026年9月1日なら、USD では買い 3.12、売り -9.78。JPY に切り替えると同じ日が 499 と -1566 になります。これは表示の換算であって、実際の記帳は口座の証拠金通貨が基準です。

④「月を選択」
月単位で照会します。現時点では2024年3月までさかのぼれますが、実際の範囲はプルダウンの表示が基準です。過去に戻れば発生済みの金額を照合でき、先に進めると付与日数だけが表示されます。金額はその日にならないと入りません。
4. 表の4項目の読み方

表の上に「保有数量: 1ロット」と書かれています。これが表全体の前提で、すべての金額は1ロットを保有した場合の結果です。実際のポジションが0.3ロットなら0.3倍、5ロットなら5倍します。1ロットの契約サイズは商品ごとに異なるため、換算は表の「1ロットあたりの金額 × 実際のロット数」で行い、FXのロット感覚を株価指数や暗号資産にそのまま当てはめないでください。
「買い」と「売り」は互いの符号を反転した数字ではありません。両方向それぞれが金利差、商品の保有コスト、取引条件の影響を受けるため、一方がプラスでもう一方がマイナスのこともあれば、両方ともマイナスのこともあります。USDJPY の2026年8月3日なら買い +3.51、売り -10.51 で、買いは毎日 3.51 米ドル受け取り、売りは毎日 10.51 米ドル支払いです。EURUSD は逆に買い -7.2、売り +1.99 でした。表示されている2つの数字をそのまま読み、片方から符号を反転して推測しないでください。
両方ともマイナスのケースは珍しくありません。株価指数、米国株、仮想通貨では多くがそうです。US500 は買い -1.2、売り -0.18、Apple は -6.24 と -3.68、BTCUSD は -53.75 と -10.75 でした。どちらの方向でも支払いが発生し、違うのは金額だけです。保有期間が長い戦略では、方向を決めるときにこの列も一緒に計算に入れる必要があります。
「付与日数」がその日を何日分として計算するかを決めます。ほとんどの日は1、週末は0で、毎週1日だけ3の日があります。この列は未来の日付にもすでに入っているため、これから来る3日分の計上日を事前に確認し、保有コストの計画に織り込めます。
5. 3日分の計上日を調べる
「FXの3日分は水曜」というのが最も広く知られた説明で、それを他の商品にもそのまま当てはめている人が多くいます。ツール上で銘柄ごとに確認すると、この規則はFXの中でさえ成り立ちません。

2026年9月に実際に照会した結果です。
| 銘柄 | 付与日数が3の日 |
|---|---|
| USDJPY、EURUSD、CADJPY、USDMXN | 水曜 |
| USDCAD、USDTRY | 木曜 |
| XAUUSD、XAGUSD、XPTUSD、XPDUSD(貴金属) | 水曜 |
| XTIUSD、XBRUSD、XNGUSD(エネルギー) | 金曜 |
| US500、JPN225、AUS200(株価指数) | 金曜 |
| Apple などの米国株、BTCUSD | 金曜 |
2点に注意してください。USDCAD と USDTRY というFX銘柄が木曜に来ます。この2つは決済慣行が他の通貨ペアと異なるためで、CADJPY のようなカナダドルのクロス円は水曜のままです。例外はこの2つの米ドルペアだけに現れます。もう1点、貴金属とエネルギーは同じ「コモディティ」カテゴリにありながら、3日分の日が水曜と金曜に分かれています。
つまりこのツールの本来の使い方はこうなります。銘柄を選んだら「付与日数」が3の日を直接探す。曜日で覚えようとしない。各市場の決済慣行、週末の金利計算方法、商品ごとのルールはもともと一致していませんし、ルール自体が変わることもあります。一度調べるほうが、規則を覚えるより確実です。
6. 実際の使い方2例
例1:1週間保有した場合の実コストを出す
USDJPY を0.5ロット売り、月曜から金曜の引けまで保有すると仮定します。

2026年8月3日から7日の週で見ると、売り方向は日ごとに -10.51、-10.47、-30.37(3日分の日)、-10.08、-10.12 で、5日間の合計は -71.55 米ドル。0.5ロットを掛けて実コストは約 -35.8 米ドルです。
この数字は想定利益と並べて見る必要があります。目標が30pips(USDJPY の1pipは通常0.01円)だとすると、0.5ロットの30pipsは15,000円、当時のレートで換算して100米ドルに届きません。スワップポイントがそのうち3分の1以上を持っていきます。方向が当たるだけでは足りず、保有期間も計算に入れる必要があります。
逆に USDJPY を買っていた場合、同じ5日間で受け取るのは 3.51 + 3.50 + 9.76 + 3.24 + 3.25 = 23.26 米ドル、0.5ロットで約 11.6 米ドルです。同じ銘柄の同じ期間で、支払う額は受け取る額の3倍以上あります。キャリー取引が特定の方向でしか成立しないのはこのためです。
例2:3日分の計上日をまたぐ価値があるか判断する
3日分の日を調べたら、それをこの取引の想定損益に織り込んでから、またぐかどうかを決めます。
支払い方向なら、増える2日分のコストが許容範囲に収まるかを確認します。上の数字でいえば、3日分の日をまたぐのと通常日をまたぐのとでは、1ロットあたり約20米ドルの差です。想定利益がもともと薄い取引なら、保有期間の調整を検討する価値があります。
受け取り方向なら、3日分の金利は保有収益の一部として見られます。ただしそれが建てる理由にはなりません。価格変動のリスクは数日分の金利よりはるかに大きいからです。
3日分の日の前に決済して翌日に建て直すことを考えるなら、新たに負担するスプレッド、想定されるスリッページ、そして離れている間の価格変動も一緒に計算してください。スワップポイントは保有コストの一部にすぎず、それだけで出入りを決めるべきものではありません。
7. 誤読しやすい3点
過去の金額を将来の固定値として扱う
ここ数日が +3 米ドルだったからといって、来週も +3 米ドルとは限りません。スワップポイントは市場金利に合わせて調整されます。過去のデータは水準の見積もりや売買方向の比較に向いていますが、将来が固定であることを意味しません。現在の設定を確認するなら MT4/MT5 の銘柄仕様に戻ってください。
「通貨を選択」でコストが変わると思ってしまう
JPY に切り替えると数字が 3.12 から 499 になり、大きくなったように見えますが、それは同じ金額を別の通貨で表しているだけです。このプルダウンが変えるのは表示される数字であって、支払う金額ではありません。
1ロットが前提であることを忘れる
実際のポジションが整数ロットである人のほうが少数です。0.1ロットなら表の10分の1、3ロットなら3倍になります。表の数値をそのまま使ってコストを見積もると、誤差がポジションサイズに比例して拡大します。
8. FAQ
Q1:スワップポイントはいつ計算されますか?
プラットフォームの日替わり時点で計算され、ポジションがその瞬間をまたいだときに発生します。当日建てて当日決済した場合は発生しません。
Q2:週末の2日がゼロなのはなぜですか?
週末は市場が休みで、新たな決済がありません。その2日分の金利はその銘柄の3日分の計上日にまとめて計算されるため、その日だけ3日になります。
Q3:未来の日付に付与日数しかないのはなぜですか?
付与日数は取引カレンダーで決まるため事前に割り当てられます。金額はその日の金利と市場の状況次第なので、当日にならないと確定しません。未来の日付では「どの日が3日分か」は調べられますが、「いくらか」は調べられません。
Q4:買いと売りの金額が非対称なのはなぜですか?
両者は単純に符号を反転した関係ではありません。FXでは主に2通貨の金利差の影響を受け、CFD商品ではそれぞれの調達コストや保有コストも関わります。そのため両方向で幅が異なり、同時にマイナスになることもあります。実際の取引では当日の2つの数字を直接確認し、片方から他方を推測しないでください。
Q5:決済して建て直せば3日分を回避できますか?
決済時点の前にポジションがなければ、原則としてその回のスワップポイントは発生しません。ただし建て直しにはスプレッド、想定されるスリッページ、離れている間の価格変動が伴い、それらが節約できる金利より小さいとは限りません。
Q6:この数字にスプレッドや手数料は含まれますか?
含まれません。スワップポイントだけです。保有コスト全体を見るにはスプレッドと口座タイプに応じた手数料も加える必要があります。
9. まとめ
使い方は3ステップにまとまります。銘柄を選ぶ、「付与日数」が3の日を見つける、保有期間の日ごとの金額を足して実際のロット数を掛ける。
このツールの価値は、保有コストを漠然とした印象から日ごとに照合できる数字に変えることにあります。そして最も見落とされやすいのは、3日分の計上日が何曜日かには覚えられる通則がないという点です。FXの中にさえ例外があり、銘柄ごとに自分で確認するしかありません。
2〜3日を超えて保有する取引なら、建てる前に10秒かけてその期間のスワップポイントを足しておく。これが最も低コストな習慣のひとつです。
関連記事
- 経済指標カレンダーの見方|絞り込み設定・各項目の意味・発表後の値動き
- Passive Income(不労所得)
- レバレッジ取引とは?種類、計算方法、投資戦略
- FX 必要証拠金の計算方法|レバレッジ別シミュレーションと Titan FX 計算ツール
- 2% ルール入門:投資初心者のためのリスク管理と自動ポジション計算
- GDP(国内総生産)
Titan FX トレード戦略研究所。外国為替(FX)、商品(原油、貴金属、農産物)、株価指数、米国株、暗号資産など幅広い金融商品を対象に、投資家向けの教育コンテンツを制作しています。
主な出典(カテゴリ別)
- ツール仕様:Titan FX 研究所 スワップポイントカレンダーのプルダウン項目、各列の定義、表の実際の表示内容
- 実データ:2026年8月および9月の各銘柄の日次の買い、売り金額と付与日数を、ツール上で銘柄ごとに照会して確認
- 決済慣行:各資産クラスおよび通貨ペアの受渡しと週末の金利計算に関する取り扱い