ドル円160円台に上昇、9月利上げ観測が急伸
2026-08-29 08:00 日本時間時点
本日のポイント
- 週末にかけてFRBのウォーシュ議長がジャクソンホール会議で講演し、インフレ抑制の責任は中央銀行にあるとの考えを示すとともに、利上げの可能性を排除しない姿勢を鮮明にした。9月の利上げ観測が急速に強まった。
- ドル円は日米協調介入以降で初めて160円台に上昇し、160.04(前日比+0.42%)で終値。前日高値160.05円に迫り、安値159.30円から大きく切り返した。ユーロドルは1.1587(-0.62%)まで下落した。
- 米雇用統計の年次改定(暫定)で、2026年3月までの1年間の就業者数が7万9千人下方修正されたことが判明。米10年債利回りは4.720%(+4.8bp)まで上昇した。
- NY金先物は週末に4,504.10ドル(前日比-3.43%)まで急落。日経平均は66,406円(+0.41%)で終値、香港ハンセン指数は25,585(-0.27%)。
- 米国はイラン向け資金経路とされるエジプト系銀行のUAE支店を制裁するなど対イラン圧力を強化。ホルムズ海峡を巡る緊張も意識され、地政学リスクは高止まりが続く。
マーケットスナップショット
| 指標 | 水準 | 前日比 |
|---|---|---|
| ドル円 | 160.04 | +0.42% |
| ユーロドル | 1.1587 | -0.62% |
| 日経平均(終値) | 66,406 | +0.41% |
| ハンセン指数(終値) | 25,585 | -0.27% |
| ダウ先物 | 53,590 | -0.06% |
| S&P500先物 | 7,724.75 | -0.23% |
| ナスダック100先物 | 29,510 | -0.63% |
| NY金先物 | 4,504.10 | -3.43% |
| WTI原油 | 83.44 | -0.11% |
| ビットコイン | 77,731 | -3.15% |
| 米10年債利回り | 4.720% | +4.8bp |
外国為替市場 — ドル高・円安、160円台に急伸
週末にかけて、FRBのウォーシュ議長がジャクソンホール会議で講演し、インフレ抑制の責任は中央銀行にあるとの考えを示すとともに、利上げの可能性を排除しない姿勢を鮮明にした。これを受けて9月の利上げ観測が急速に強まった。ドル円は日米協調介入以降で初めて160円台に上昇し、前日高値160.05円に迫る160.04円(前日比+0.42%)で終値、安値159.30円からは大きく切り返した。ベッセント財務長官は「無秩序な円相場」が米金利上昇リスクにつながるとして、前月の円買い介入を正当化する発言を行った。日経の集計によれば、7〜8月の円買い介入総額は15兆円と過去最大規模に達したが、市場では円安圧力がなお根強いとされる。ユーロドルは1.1587(-0.62%)まで下落した。 今週はウォーシュ議長のタカ派姿勢でドル高・円安が加速し、来週にかけても160円を巡る攻防が続きそうだ。
株式市場 — 日経堅調、米株はタカ派発言で上値重く
日経平均は66,406円(前日比+0.41%)で取引を終え、日本株ADRもソニーグループや三菱UFJなど、ほぼ全面高となった。米国株は週間ではプラス圏を維持したものの、金曜はウォーシュ議長の講演を受けてNYダウが9.45ドル安とほぼ横ばいで終了。ナスダック100先物は-0.63%と上値の重さが目立ち、エヌビディアが好決算を発表したにもかかわらず、AI相場は勢いを取り戻せなかった。香港ハンセン指数は25,585(前日比-0.27%)で終値。 今週の主要株価指数はおおむね底堅さを維持したが、来週は9月利上げ観測を睨みながら上値の重い展開が続きそうだ。
マクロ経済 — 9月利上げ観測が急伸
ウォーシュFRB議長はジャクソンホール会議で、インフレ抑制を最優先課題とする姿勢を鮮明にし、市場では9月の利上げ観測が急速に強まった。同時に発表された雇用統計の年次改定(暫定)では、2026年3月までの1年間の就業者数が7万9千人下方修正されたことが判明した。米10年債利回りは4.720%(+4.8bp)まで上昇し、金利先高観が意識されている。国内では日銀の氷見野副総裁が「これまで以上に物価上振れリスクを意識する」必要があると述べ、9月の日銀会合に向けた利上げ観測も広がっている。 来週は9月1日のISM製造業景況感や9月4日の米雇用統計を控え、金利・ドルの先高観が試される展開となりそうだ。
コモディティ — 金が急落、原油はホルムズ海峡思惑で軟調
NY金先物は週末に急落し4,504.10ドル(前日比-3.43%)まで反落した。利上げ観測の強まりを受けたもので、金は大幅反落となった。WTI原油はホルムズ海峡の航行回復期待を背景に83.44ドル(前日比-0.11%)まで反落し、前日高値84.27ドル・安値80.65ドルのレンジ内で軟調な地合いとなった。ビットコインも77,731ドル(-3.15%)まで水準を切り下げた。 今週は利上げ観測を背景に金が急落し、来週も原油市場ではホルムズ海峡情勢を巡る思惑が価格の変動要因となりそうだ。
国際情勢 — イラン制裁とホルムズ海峡緊張続く
米国はイラン向け資金経路とみられるエジプト大手銀行のUAE支店を制裁し、イランの資金源遮断を狙う姿勢を鮮明にした。イランの最高指導者は「国民の意欲を弱める発言をするな」と国内の結束を呼びかけており、対米圧力への警戒感がにじむ。NHKによれば、米国のイラン軍事作戦は開始から半年を迎え、ホルムズ海峡を回避する代替輸送ルートの構築が進んでいるという。 今週はイラン向け制裁とホルムズ海峡を巡る緊張が引き続き相場の警戒材料となり、来週も原油や為替相場の変動要因として意識されやすい。
今後の注目イベント
| 日時(日本時間) | 国/地域 | イベント | 注目点 |
|---|---|---|---|
| 08/30 01:15 | All | Jackson Hole Symposium | 会議最終日、追加の中銀高官発言に注目 |
| 来週 | 米国 | ISM製造業景況感(8月) | 利上げ観測下の企業マインドを確認 |
| 来週 | 米国 | ISM非製造業景況感(8月) | サービス部門の底堅さを確認 |
| 来週 | 米国 | 雇用統計(8月分) | 9月利上げの最終判断材料に |