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基軸通貨と決済通貨とは?通貨ペアの左右の読み方・売買の方向・pip価値

基軸通貨と決済通貨とは?の表紙画像。左に台座に乗ったユーロ硬貨、中央にスラッシュ、右に米ドル硬貨が3枚重なっている。FX投資ガイド

基軸通貨(ベースカレンシー)は通貨ペアの左側の通貨、決済通貨(クォートカレンシー)は右側の通貨です。為替レートは、基軸通貨1単位が決済通貨でいくらになるかを表します。EUR/USD が 1.14350 なら、1ユーロ=1.14350ドルという意味です。

左右どちらに置かれるかは表記の問題に見えますが、買いを押したときにどの通貨を買っているのか、損益をどの通貨で計算するのか、必要証拠金をどう出すのかは、すべてこの位置で決まります。「左が基軸通貨」までは知っていても、「EUR/USD を買うのはドルを買うことなのか」「USD/JPY の1pipsはなぜ1,000円なのか」で止まってしまう人は少なくありません。

この記事では、レートの読み方から順に、通貨ペアを売買したときに実際に起きること、通貨ペアの並び順の慣習、そして基軸通貨・決済通貨・口座の基準通貨がそれぞれ何を決めるのかを解説します。

この記事のポイント
  • 通貨ペアの左が基軸通貨、右が決済通貨。レートは基軸通貨1単位が決済通貨でいくらかを表す
  • 通貨ペアを買うとは左を買って右を売ること。売るときはその逆
  • 並び順は市場の慣習で決まる。反対向きのレートが必要なら逆数をとればよい
  • ロットは基軸通貨、pip価値は決済通貨、口座に表示される金額は口座の基準通貨で決まる
  • 口座開設時に選ぶ基準通貨は口座の通貨のことで、通貨ペアの基軸通貨とは別物

1. 基軸通貨と決済通貨とは?

通貨ペアは2つの通貨で構成され、スラッシュで区切られた左右にそれぞれ名前がついています。

  • 基軸通貨(ベースカレンシー):スラッシュの左側の通貨。レートを読むときは、この通貨の1単位が基準になります。

  • 決済通貨(クォートカレンシー):スラッシュの右側の通貨。価格を表す側で、レートの数字はこの通貨が単位です。

たとえば EUR/USD が 1.14350 なら、基軸通貨はユーロ、決済通貨は米ドルで、「1ユーロ=1.14350ドル」という意味になります。同じルールを USD/JPY の 157.700 に当てはめれば「1ドル=157.700円」です。

いちばん早い読み方は、スラッシュを「左1つ=右いくつ」と読むことです。
通貨ペアの構造図。EUR/USD 1.14350 を2つのカードに分け、左はEU旗とEURで基軸通貨・レートは1単位が基準、右は米国旗とUSDで決済通貨・価格を表すと示し、下に1ユーロ=1.14350ドルと書かれている

日本語では呼び方が一つに定まっていません。同じベースカレンシーでも基軸通貨・基準通貨、クォートカレンシーでも決済通貨・相手通貨といった言い方があります。呼び方が違っても、左右のどちらを指しているかを確認すれば迷いません。

英語日本語でよく使われる呼び方位置レートでの役割
Base Currency基軸通貨、基準通貨、ベースカレンシー左側1単位が基準になる
Quote Currency決済通貨、相手通貨、クォートカレンシー右側価格を表す。数字はレートで動く

なお「基軸通貨」には世界の基軸通貨(キーカレンシー)という別の意味もあります。貿易や外貨準備の中心にある米ドルを指す使い方です。通貨ペアの話をしているのか、国際通貨体制の話をしているのかで意味が変わるので、文脈で見分けてください。口座開設ページに出てくる「基準通貨」は口座の通貨のことで、これも別物です。第5章で説明します。

2. 為替レートの数字は何を表しているか

為替レートは2つの通貨の相対的な価格なので、1つの数字が同時に2つのことを語っています。EUR/USD が 1.14350 から 1.15350 に上がったとき、ユーロが高くなったとも、ドルが安くなったとも言えます。どちらも同じ現象の説明です。

方向は決まっています。

  • レートが上がる:基軸通貨が決済通貨に対して上昇。USD/JPY の上昇はドル高・円安です。

  • レートが下がる:基軸通貨が決済通貨に対して下落。EUR/USD の下落はユーロ安・ドル高です。

数字の大小で通貨の強さは比べられません。USD/JPY が 157、EUR/USD が 1.14 でも、単位が違うので比較にはなりません。

レートには直接表示と間接表示という分け方もあります。自国通貨が右側にあるのが直接表示、左側にあるのが間接表示です。これは別の層の話なので、初めのうちは左右の位置だけ覚えれば十分です。

3. 通貨ペアを売買するとき、実際に売り買いしているもの

FXの取引はすべて2つの通貨の交換なので、通貨ペアの売買では必ず買いと売りが同時に起きています。

通貨ペアを買う=左を買って右を売る。売る=左を売って右を買う。
  • 買い(ロング:基軸通貨を買い、同時に同額の決済通貨を売る。

  • 売り(ショート:基軸通貨を売り、同時に同額の決済通貨を買う。

1.14350 で EUR/USD を1標準ロット買う場合、1標準ロットは基軸通貨10万単位なので、この取引の中身は「100,000ユーロを買い、114,350ドルを売る」ことになります。この金額はポジションの規模であって、口座に用意する金額ではありません。実際に必要な額は第5章で説明します。

決済するときは反対方向の取引を出してポジションを相殺し、建値と決済値の差が損益になります。

EUR/USDを1ロット買ったときの図。中央にEUR/USD 1.14350の注文があり、2本の矢印がそれぞれ100,000ユーロの買いと114,350ドルの売りに向かい、2つが同時に起きることを示している

注文画面に並ぶ2つの価格

FXのレートは買値(Ask)と売値(Bid)の2つが同時に表示されます。どちらも基軸通貨から見た価格です。

価格自分の動き同じ時点での関係
買値(Ask)基軸通貨を買う通常は高いほう
売値(Bid)基軸通貨を売る通常は安いほう

たとえば EUR/USD の同じ時点の買値が 1.14360、売値が 1.14340 だとします。EUR/USD を買うなら 1.14360 の Ask で、売るなら 1.14340 の Bid で約定します。

この「Ask が高く Bid が安い」は同じ時点の2つの提示価格の話で、高く買って安く売る取引をするという意味ではありません。相場が安いところで買い、上がってから高いところで売るという狙い方は変わりません。

買値と売値の差がスプレッドです。上の例では 0.00020、pipsに直すと 2pips です。スプレッドは取引コストなので、ポジションを建てた直後に相場が動いていなくても、すぐ決済すればスプレッド分のコストが出ます。

Titan FX ライブレートのFX画面。上部に資産カテゴリとサブカテゴリのフィルター、下の表に通貨ペアごとのBid、Ask、スプレッドが並んでいる
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ある通貨を買いたいとき、どのペアを選ぶか

EUR/USD の買値は「ユーロを買う」価格です。初心者によくある誤解は、EUR/USD にドルが入っているのを見て、ドル高を見込むなら EUR/USD を買えばいいと考えてしまうことです。

実際には、EUR/USD を買うことは基軸通貨のユーロを買い、決済通貨のドルを売ることなので、方向は正反対になります。ドル高・ユーロ安を見込むなら、EUR/USD は売りです。

ある通貨についての見方を表すときは、その通貨が左右どちらにいるかを先に確認してください。

相場観とるべき行動(米ドルの例)
ドル高を見込むEUR/USD や GBP/USD などドルが右側のペアを売る、または USD/JPY や USD/CAD などドルが左側のペアを買う
ドル安を見込むEUR/USD や GBP/USD を買う、または USD/JPY や USD/CAD を売る
ユーロ高・円安を見込むEUR/JPY を買い、2つの見方を1つのペアで表す

最後の形はクロス通貨ペア(両側とも米ドルではない組み合わせ)です。

4. なぜ USD/EUR ではなく EUR/USD なのか

通貨ペアの並び順は、為替市場で長年かけてできあがった慣習です。多くのプラットフォームが同じ並びを採用していて、先に来る通貨が左側の基軸通貨になります。

よく使われる並びは EUR、GBP、AUD、NZD、USD、CAD、CHF、JPY の順です。

ユーロが先頭なので、ユーロが入る組み合わせではユーロが左に来ることが多く、EUR/USD、EUR/GBP、EUR/JPY となります。円は最後なので、主要通貨の組み合わせでは右側に来るのが一般的です。

米ドルは中間なので、ユーロ・ポンド・豪ドル・NZドルに対しては右、カナダドル・スイスフラン・円に対しては左に来ます。EUR/USD と USD/JPY が並存するのはこのためです。

この順番は通貨の歴史的な地位や取引の習慣にだいたい対応していて、覚え方としては役に立ちますが、取引所や国際機関が定めた規則ではありません。ここから実務的な結論が2つ出てきます。

  • 同じ組み合わせの表記は通常1方向だけ:市場の慣習は EUR/USD で、USD/EUR が別に建てられることはありません。逆向きのレートが必要なら逆数をとります。1÷1.14350 は約 0.8745 で、1ドル=約0.8745ユーロです。

  • ドルの位置がペアの分類を決める:ドルを含む組み合わせがドルストレート、含まない組み合わせがクロス通貨ペアで、スプレッドや流動性に差があります。

通貨並びの位置よく来る側
EUR ユーロ1主要通貨ペアでは左が一般的
GBP ポンド2ユーロが相手のときだけ右
AUD 豪ドル、NZD NZドル3、4ユーロ・ポンドが相手のときは右
USD 米ドル5相手しだいで左右どちらもある
CAD カナダドル、CHF スイスフラン6、7右に来ることが多い
JPY 円8主要通貨ペアでは右が一般的

5. 3つの通貨がそれぞれ決めること:ロット・pip価値・口座表示

金額を計算するときは3つの通貨が出てきて、それぞれ担当が違います。この3層を分けて考えると、取引報告書を見ても混乱しません。

この層が決めること米ドル口座で EUR/JPY を取引する例
基軸通貨ポジションの想定元本ユーロ
決済通貨1pipの価値と元の損益
口座の基準通貨口座に表示され入出金される金額米ドル

ロットは基軸通貨

ロットから換算されるのは基軸通貨です。FXの1標準ロットは基軸通貨10万単位で、EUR/USD なら10万ユーロ、USD/JPY なら10万ドルになります。同じ1ロットでも中身の金額は同じではありません。

契約サイズは口座タイプによって違います。Titan FX のスタンダード口座とブレード口座はFX1ロットが100,000通貨単位で最小0.01ロット、マイクロ口座は1ロットが1,000通貨単位で最小0.1ロットです。発注前に取引プラットフォームの商品仕様で確認してください。

ロットに契約サイズを掛けたものが想定元本で、このポジションが基軸通貨でいくらに相当するかを表します。EUR/USD を0.5ロットなら50,000ユーロ、2ロットなら200,000ユーロになります。このあとのpip価値と証拠金は、すべてこの金額から計算します。

pip価値は決済通貨

pip価値は、価格が1pips動いたときに損益がいくら変わるかです。1pipsの大きさは表示方法で決まり、多くの通貨ペアは小数点以下4桁目、円がらみの通貨ペアは小数点以下2桁目になります。

pip価値 = 想定元本 × 1pipsの大きさ

算出される単位は決済通貨です。

通貨ペアとロット想定元本1pipspip価値
EUR/USD 1標準ロット100,000ユーロ0.000110ドル
USD/JPY 1標準ロット100,000ドル0.011,000円
GBP/JPY 1標準ロット100,000ポンド0.011,000円
EUR/USD マイクロ1ロット1,000ユーロ0.00010.1ドル

GBP/JPY と USD/JPY のpip価値が同じなのは、決済通貨がどちらも円だからです。

口座に表示される金額は口座の基準通貨

取引口座を開くときに通貨を1つ選びます。日本語では基準通貨や口座通貨と呼ばれ、英語ではこれも base currency です。Titan FX では米ドル、ユーロ、日本円、シンガポールドルから選べます。

決済通貨と口座の通貨が違う場合は、そのときのレートで換算されます。米ドル口座で USD/JPY が 157.700 のとき、1,000円のpip価値は約6.34ドルです。レートが動けばこの数字も変わります。

口座の通貨は、自分がいちばんよく使う入出金の通貨に合わせるのが基本です。実際に両替コストを減らせるかどうかは、入出金の方法や取引する銘柄によっても変わります。

必要証拠金は基軸通貨に戻る

必要証拠金 = 契約サイズ × ロット数 ÷ レバレッジ

算出される単位は基軸通貨で、そこから口座の通貨に換算されます。

EUR/USD を1標準ロット、レバレッジを仮に500倍とすると、証拠金は 100,000 ÷ 500 = 200ユーロです。EUR/USD が 1.14350 なら、米ドル口座では約228.70ドルになります。

この200ユーロが第3章でいう「実際に用意する金額」で、10万ユーロという想定元本とは別のものです。

実際のレバレッジは口座タイプと銘柄によって異なります。証拠金の詳しい計算方法は別の記事で解説しています。

スワップポイントも同じ考え方の延長です。2つの通貨の金利差で決まり、口座に反映されるときに口座の通貨へ換算されます。

証拠金計算ツールを開く

6. 金・株価指数・暗号資産の決済通貨

同じ読み方はFX以外のCFDにも使えます。

  • :XAU/USD は通貨ペアと同じ表記で、レートの数字は金1オンスが何ドルかを示します。損益もドル建てです。

  • 株価指数US30 のような銘柄にスラッシュはありませんが、決済通貨はあります。米ドル建てで損益もドル、日経平均なら円建てです。

  • 暗号資産:BTC/USD の読み方は通貨ペアと同じで、ビットコイン1枚が何ドルかを表します。

レートの単位と1ロットの大きさは別の話です。金のレートはオンス単位ですが、1ロットは1オンスではありません。Titan FX のスタンダード口座とブレード口座では金1ロットが100オンス、マイクロ口座では10オンスです。

株価指数や暗号資産の契約サイズもそれぞれ違うので、pip価値は銘柄ごとの仕様で計算してください。FXの計算をそのまま当てはめることはできません。

どの銘柄から始めるか決まらないときは、通貨ペアはどう選ぶ?でツールを使った絞り込みの手順をまとめています。

7. よくある質問(FAQ)

Q1:基軸通貨と基準通貨は同じものですか?

通貨ペアの左側の通貨を指す場合は同義で、どちらも英語の base currency にあたります。ただし「基軸通貨」には世界の基軸通貨(米ドル)という別の意味があり、口座開設ページの「基準通貨」は口座の通貨を指します。通貨ペアの話なら左側の通貨、口座の話なら口座の通貨、国際通貨体制の話ならドル、と文脈で判断してください。

Q2:EUR/USD が上がったのは、ユーロ高ですか、ドル安ですか?

どちらの言い方も成り立ちます。為替レートは相対価格だからです。どちらの影響が大きいかを見分けたいときは、同じ通貨を含む他のペアも見ます。EUR/JPY や EUR/GBP も同時に上がっていればユーロ要因が強く、複数のドルストレートでドル安になっていればドル要因が強いと考えられます。

Q3:EUR/USD を買うのはドルを買うことですか?

違います。EUR/USD の買いはユーロを買ってドルを売る取引です。このペアではドルが決済通貨なので、買うことはドルを手放してユーロに換えることを意味します。ドルの上昇を狙うなら、ドルが左側のペアを買うか、ドルが右側のペアを売ります。

Q4:USD/EUR という表記がないのはなぜですか?

市場の慣習でユーロがドルより先に来るため、この組み合わせは EUR/USD で固定され、反対向きの表記が別に建てられることはありません。「1ドルが何ユーロか」を知りたいときは逆数をとります。1÷1.14350 は約 0.8745 です。

Q5:pip価値と損益はどの通貨で計算されますか?

pip価値は決済通貨で計算され、損益もまず決済通貨で確定し、最後に口座の通貨へ換算されて表示されます。3つの通貨が同じときは換算を意識しません(米ドル口座で EUR/USD を取引する場合など)。3つが違うと一段増えます。米ドル口座で EUR/JPY を取引すると、円からドルへの換算が入ります。

Q6:USD/JPY が157なら、円はドルより弱いということですか?

数字の大小で通貨の強弱は比べられません。USD/JPY = 157 は1ドルが約157円という単位の換算関係を示しているだけです。強弱を判断するときは一定期間の変化率を見るか、通貨強弱メーターのようなツールで横並びに比較します。

8. まとめ

基軸通貨は通貨ペアの左側の通貨、決済通貨は右側の通貨で、為替レートは基軸通貨1単位が決済通貨でいくらかを表します。レートが上がれば基軸通貨が上昇したという意味です。

通貨ペアを買うとは左を買って右を売ること、売るときはその逆です。ある通貨の上昇を狙う前に、その通貨が左右どちらにいるかを確認すれば方向を間違えません。並び順は市場の慣習で決まり、逆向きのレートが必要なら逆数をとります。

金額の計算は3層で覚えます。ロットは基軸通貨、pip価値は決済通貨、口座に表示される金額は口座の基準通貨です。この3つを分けて見れば、レートの確認から発注、取引報告書の照合まで見通しがよくなります。


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✏️ 著者について

Titan FX 取引戦略研究所。FX、商品(原油・貴金属・農産物)、株価指数、米国株、暗号資産など、幅広い金融商品を対象に投資家向け教育コンテンツを制作しています。