ハーモニックパターン(Harmonic Patterns)とは?XABCD・PRZとガートレー・バット・バタフライ・クラブの比率と取引方法

ハーモニックパターン(Harmonic Patterns)とは、フィボナッチ比率で定義される価格構造の総称で、X・A・B・C・Dの5つの転換点から成り、価格がもっとも反転しやすい価格帯を事前に割り出すために使われます。ガートレー、バット、バタフライ、クラブはいずれも同じXABCD構造の比率違いで、違いはB点がどこまで押し戻されるかと、D点が最終的にどこに来るかです。AB=CDは4点だけの基本構造で、多くのXABCDパターンでD点を割り出す際のよりどころにもなります。
一般的なチャートパターンは形で見分けますが、ハーモニックパターンは測って判定します。各区間の長さが特定のフィボナッチ比率を満たす必要があり、複数の比率が同時に指し示す価格帯が「潜在的反転ゾーン(PRZ)」です。そのため、多くのパターンよりも先にエントリー・損切り・利確の位置を計算できます。代わりに、判定の手順は手間がかかり、比率の許容誤差も自分で決めなければなりません。
この記事では、ハーモニックパターンの定義と由来、XABCDに共通する構造と潜在的反転ゾーン、代表的な5つのパターンそれぞれの比率、チャート上で測って見つける手順、エントリー・損切り・利確の置き方、そして限界とよくある失敗を説明します。
- ハーモニックパターンはX・A・B・C・Dの5つの転換点で構成される。XAが起点の推進波で、AB・BC・CDが順にリトレースとエクステンションを繰り返し、D点が反転の想定位置になる
- パターンの違いは2つの比率で決まる。B点がXAをどこまで戻すか、D点がXAに対してどこに来るか。ガートレーとバットのDはXの内側、バタフライとクラブのDはXを超える
- 潜在的反転ゾーン(PRZ)は、複数のフィボナッチ・リトレースメントとエクステンションがD点付近で重なる価格帯で、XA・BC・AB=CDから求めた水準が主な材料になる。取引はこのゾーンで反転の確認を待つのが基本で、D点に届いた瞬間に入るものではない
- 損切りはPRZの外側に置く(ガートレーとバットは通常X点の外側)。第1利確はAD区間の0.382リトレース、第2利確は0.618が目安
- パターンの判定には主観が入るため、比率には小さな許容誤差を設け、同じ戦略では同じ誤差ルールを使い続ける。ローソク足の反転シグナル、RSIのダイバージェンス、サポート・レジスタンスを追加の確認に使い、PRZに触れただけでのエントリーを避ける
1. ハーモニックパターン(Harmonic Patterns)とは?定義と由来
ハーモニックパターンは、フィボナッチ比率を条件とする反転パターンの一群です。価格はまずXAの一波を作り、Bまで戻し、Cまで反発し、Dまで再び戻ります。4つの区間の相対的な長さが特定の比率を満たして初めてD点が成立します。パターンが完成すると、価格はD点から反対方向に動くと想定されます。強気パターンではDが安値で、その後の上昇を見込み、弱気パターンはその逆です。
この手法の出発点は、1935年にH.M. Gartleyが『Profits in the Stock Market』で示した押し目・戻りのパターンで、のちにガートレーパターンと呼ばれるようになりました。ただし、この本にフィボナッチ比率は登場しません。
1990年代にLarry Pesaventoがこの構造にフィボナッチ比率を持ち込み、各区間を測れる基準を与えました。その後Scott Carneyがバットやクラブなどのパターンを整理してそれぞれの比率を定め、「ハーモニックトレーディング」という呼び名も彼に由来します。現在、各プラットフォームや教材で使われている比率の多くは、この一連の定義を踏襲しています。
ハーモニックパターンが一般的なリバーサルパターンと異なるのは、条件が数字である点です。ダブルトップやヘッドアンドショルダーは形とネックラインで判定しますが、ハーモニックパターンはB点とD点が特定の比率に乗ることを求めます。だからこそ、価格が到達する前に反転ゾーンを計算でき、エントリーと損切りの計画に使われるのです。
2. XABCDの見方:4つの区間と潜在的反転ゾーン(PRZ)
すべてのハーモニックパターンは同じ骨格を共有しています。強気パターンを例にとると、Xが起点の安値、Aが上昇後の高値、Bが押し戻された安値、Cが反発の高値、Dが最後に戻した安値で、ここが反転の想定位置です。弱気パターンは方向がすべて逆になります。
-
XA区間:起点となる推進波で、以降のすべての比率はこの区間を基準に測ります。
-
AB区間:XAに対するリトレース。どこまで戻すかがパターンを見分ける最初の手がかりで、よく使われる比率は0.382、0.5、0.618、0.786です。
-
BC区間:ABに対する反発。多くのパターンで0.382〜0.886の範囲を許容します。
-
CD区間:最後の区間で、通常はBCの1.13〜3.618倍のエクステンション。終点のDは、同時にXAに対する比率も満たす必要があります。

実務では、D点は1つの価格ではなく価格帯です。パターンが求める複数のフィボナッチの投影がそれぞれ1つの価格を示し、代表的なものはDのXAに対するリトレースまたはエクステンション、CDのBCに対するエクステンション、AB=CDの等長の投影です。どの組み合わせを使うかはパターンによって少しずつ異なります。
これらの価格が重なる、あるいは近接する帯が潜在的反転ゾーン(Potential Reversal Zone、PRZ)です。これらの水準が互いに近いほどPRZは狭くなり、ハーモニックトレーダーはより理想的な構造と見なしますが、狭いからといって反転が保証されるわけではありません。
| 名称 | 意味 | 用途 |
|---|---|---|
| X・A・B・C・D | 時間順に現れる5つの転換点 | 4つの区間を定義する |
| リトレース比率 | ABのXAに対する比率、BCのABに対する比率 | パターンの種類を見分ける |
| エクステンション比率 | CDのBCに対する倍率、DのXAに対する倍率 | D点の位置を推定する |
| 潜在的反転ゾーン(PRZ) | 複数のフィボナッチの投影が重なる価格帯 | エントリーと損切りの計画の基準 |
3. 4つの主要なXABCDパターンとAB=CD:ガートレー・バット・バタフライ・クラブ
よく使われるハーモニックの構造は、主要な4つのXABCDパターンと、多くのパターンでD点を割り出す基礎になるAB=CDに分けられます。4つのパターンは、まず2つのコアとなる数字を覚えれば大まかに見分けられます。B点がXAをどこまで戻すか、D点がXAのどの比率に来るか、です。C点とCDのエクステンションは、構造を確認する段階で表と照らし合わせます。
まず全体図と比率表を見てから、それぞれの識別ポイントに進みます。いずれも強気パターンで説明しますが、弱気パターンは比率が同じで方向が逆です。

| パターン | BのXAに対するリトレース | CのABに対するリトレース | DのXAに対する位置 | CDのBCに対する倍率 | D点の位置 |
|---|---|---|---|---|---|
| ガートレー | 0.618 | 0.382〜0.886 | 0.786リトレース | 1.13〜1.618 | Xの内側 |
| バット | 0.382〜0.5 | 0.382〜0.886 | 0.886リトレース | 1.618〜2.618 | Xの内側で、Xに近い |
| バタフライ | 0.786 | 0.382〜0.886 | 1.27エクステンション(1.618までとする定義もある) | 1.618〜2.24 | Xを超える |
| クラブ | 0.382〜0.618 | 0.382〜0.886 | 1.618エクステンション | 2.24〜3.618 | Xを大きく超える |
| AB=CD | — | 0.618または0.786 | — | 1.272または1.618 | CDの長さ次第 |
表の範囲はScott Carneyの定義に従っています。ほかの教材では区間が少し異なり、たとえばガートレーのCDエクステンションを1.27からとするもの、クラブを2.618からとするものがありますが、BとDのコアとなる比率はどれもほぼ一致しています。
-
ガートレー(Gartley):見分けるポイントはB=XAの0.618、D=XAの0.786。DはXを割り込まず、XAの範囲内で完成する押し目・戻りのパターンです。CはABの0.382〜0.886に収まり、CDはBCのエクステンションでPRZを確認します。
-
バット(Bat):見分けるポイントはBが浅く(XAの0.382〜0.5)、Dが深い(XAの0.886)。Dは同じくXの内側ですが、Xにより近く、CDのBCに対するエクステンションはガートレーより大きくなります。
-
バタフライ(Butterfly):見分けるポイントはB=XAの0.786、Dはもっとも典型的にはXAの1.27エクステンションで完成し、1.618までを許容する定義もあります。DはXを突き抜けるため、エクステンション型の反転構造に属します。PRZは新安値または新高値の近くで探し、Xは無効化の基準になりません。
-
クラブ(Crab):見分けるポイントはBがXAの0.382〜0.618、DがXAの1.618エクステンションで完成すること。4つの中でDのエクステンションがもっとも深く、PRZはXからもっとも離れます。
-
AB=CD:4点だけの構造で、CはABの0.618または0.786まで戻し、CDはBCの1.272倍または1.618倍。理想形ではCDとABが等しい長さになります。もっとも基本的な対称の投影で、多くのXABCDパターンがD点を推定する際の参考の一つです。
このほかによく見かける派生形として、シャーク(Shark)とサイファー(Cypher)があります。どちらもC点がA点を超えるため上記4つとは構造が違い、比率もそれぞれ独自です。初心者はまず4つの基本パターンの判定に慣れてから、そこへ広げていけば十分です。
4. ハーモニックパターンの描き方:フィボナッチツールでX・A・B・C・Dを見つける
判定の順序は左から右へ、一区間ずつ測ることです。比率に合わない区間が出た時点でそのパターンは見送り、パターンをこじつけるために転換点をずらしてはいけません。
MT4とMT5にXABCD専用の描画ツールはなく、内蔵のフィボナッチ・リトレースメントとフィボナッチ・エクスパンションで手動で測れば十分です。2つのツールの引き方と、Titan FXが提供するリトレースメントを自動描画するインジケーター(Titan_auto_fibonacci)については、フィボナッチ解説記事の描画方法の章を参照してください。手順は次のとおりです。
-
① XAを見つける:チャート上で明確な推進波を1本選びます。起点のXと終点のAは、どちらもはっきりした転換点であることが条件です。時間軸は問いませんが、4時間足と日足の転換点はノイズの影響を受けにくくなります。
-
② B点を測る:XからAへフィボナッチ・リトレースメントを引き、Bがどの線に乗るかを見ます。0.618付近ならガートレー候補、0.382〜0.5ならバット、0.786付近ならバタフライのB点の条件です。どこまでのずれを許容するかは、採用している誤差ルール次第です。
-
③ C点を測る:AからBへリトレースメントを引き、Cが0.382〜0.886の範囲に収まるかを確認します。CがAを超えた場合、ここで扱う5つのパターンではありません。
-
④ D点の反転ゾーンを算出する:BからCへフィボナッチ・エクスパンションを引き、パターンが求める倍率を取ります。次にXA区間に戻り、Dが0.786・0.886のリトレースに来るべきか、1.27・1.618のエクステンションに来るべきかを確認します。XAの完成比率、BCのエクステンション、AB=CDの投影を並べて比べ、複数の比率が近い価格に集まっているときに初めて、まとまったPRZになります。
-
⑤ 価格が反転ゾーンに入るのを待つ:価格がDに届くまで、パターンはあくまで「潜在的」なものです。PRZに入った後も、反転が本当に起きるかどうかを見届ける必要があります。
次の図は、Titan FXの為替レート履歴データベースの日足データから見つけた実例です。USD/JPYは2025年8月から10月にかけて、弱気バタフライに近いXABCD構造を作りました。BはXAの約0.82まで戻し、バタフライでよく使われる0.786の基準に近い値です。CDはBCの約2.0倍、DはXAの約1.43倍まで伸びました。
1.27〜1.618の完成ゾーンと一定の許容誤差を採用すればバタフライの候補と見なせますが、0.786のBと1.27 XAを核とする厳格な定義では標準的なバタフライとは言えません。これは測定でもっともよく直面する状況です。実際の値動きはよく似ていても、比率は教科書どおりの値にはなりません。
図でもう一つ見てほしいのはPRZの位置です。XAの1.27エクステンション、BCの1.618エクステンション、AB=CDの1.27の投影は152.0〜152.4に集中しましたが、価格はこのゾーンを突き抜け、153.3まで上がってから反転しました。その後15営業日でAD区間の半分を戻し、10月末には再び高値を更新しています。確認を待ってから入り、損切りを候補ゾーンの外に置くのは、まさにこうした局面に備えるためです。

比率の許容誤差は、実務でもっともよく問題になる点です。教科書の比率は厳密な値ですが、実際の値動きがちょうど0.618に乗ることはまれで、一般には数パーセントの誤差を認めます。ただし、D点への要求はB点より厳しくします。Dはエントリーの根拠だからです。
万能の許容誤差というものはなく、自動スキャン型のインジケーターも多くはユーザー自身に設定させます。同じ戦略では同じ誤差ルールを固定して使うこと。そうしないと、結果を見てから基準を変えてしまいがちです。トレーダーによっては、まず標準的なフィボナッチの水準(0.382、0.5、0.618、0.786)だけで粗くふるいにかけ、合格したものだけを細かく測ります。
5. ハーモニックパターンの取引方法:エントリー・損切り・利確
ハーモニックパターンの利点は、エントリー・損切り・利確のいずれもパターン完成前に計算できることです。取引ではこの順序で進めます。
-
エントリー:価格がPRZに入ったら、反転の確認を待ってからエントリーします。よく使う確認は、ローソク足の反転シグナル(ハンマー、包み足)、RSIのダイバージェンス、PRZと既存のサポート・レジスタンスの重なりです。D点に指値を置いておく手法もありますが、「価格が本当に反転し始めたか」という確認が1段抜けるぶん、パターン失敗のリスクをより直接的に引き受けることになります。
-
損切り:PRZの外側に置きます。ガートレーとバットのDはXの内側にあるため、Xの外側が分かりやすいパターン無効化の水準で、損切りは通常そこに置きます。バタフライとクラブのDはすでにXを超えているので、損切りはPRZとD点の外側に置き、その距離はパターンの無効化条件、直近の構造、またはATRの倍数で決めます。
-
利確:よく使われる分割利確は、AD区間の0.382リトレースを第1目標、0.618を第2目標とする方法です。C点、A点、値動きの先にあるサポート・レジスタンスを使う人もいて、ハーモニックの取引手法によって出口のルールは異なります。分割利確なら、第1目標で一部を確定し、残りは損切りを建値に移して持ち続けられます。
-
リスクリワード:エントリー価格、損切り、第1目標が事前に分かっているので、リスクリワードレシオはエントリー前に計算でき、自分の戦略の基準を満たすかを先に確認します。PRZから損切りまでが遠く、第1目標が近い場合は、比率がどれほどきれいでも取引条件を満たさないことがあります。ロット数は損切り幅からポジションサイジングの式で逆算します。

ハーモニックパターンとエリオット波動はどちらもフィボナッチ比率を使うため、波動の構造を大きな方向の背景として捉え、ハーモニックパターンで細かい潜在的反転ゾーンを探すトレーダーもいます。ただし2つの手法はパターンの定義が異なり、XABCDを特定の波にそのまま当てはめることはできません。併用するときはそれぞれのルールを優先します。
| 項目 | ガートレー・バット | バタフライ・クラブ |
|---|---|---|
| D点の位置 | Xの内側 | Xを超える |
| エントリー | PRZ内で反転を確認 | PRZ内で反転を確認 |
| 損切り | X点の外側 | PRZとD点の外側。無効化条件またはATRの倍数で決める |
| 第1利確 | ADの0.382リトレース | ADの0.382リトレース |
| 第2利確 | ADの0.618リトレースまたはC点 | ADの0.618リトレースまたはC点 |
6. ハーモニックパターンの限界とよくある失敗
-
転換点の選び方に主観が入る:同じ値動きでも、X点やA点を変えれば測った比率は変わります。2人が2通りのパターンを描くのはよくあることで、対策は、明確なスイングの高値・安値だけを使い、小さな時間軸のノイズの転換は使わないことです。
-
許容誤差に正解はない:誤差を広く取れば、どんな値動きもパターンに見えてしまい、狭く取れば、条件を満たすものがほとんど見つかりません。まず過去のチャートで固定した誤差を使って検証し、自分が納得できる範囲を見つけてから使います。
-
パターン完成は反転ではない:PRZは反転の確率が比較的高いゾーンにすぎず、トレンドが強いときは価格がそのまま突き抜けます。確認なしのエントリーは、ハーモニックトレードでもっとも多い損失の原因です。
-
損切り幅が広くなることがある:バタフライとクラブのDはエクステンションの位置にあり、損切りを次の比率の外側に置くとその距離は小さくありません。ロット数を相応に落とさないと、1回の損失が予算を超えます。
-
過剰な当てはめ:それらしい構造を見つけてから合う比率を探すのは、原因と結果が逆です。正しい順序はBを測り、Cを測り、最後にDを算出することで、どの区間でも条件に合わなければ見送ります。
-
構造の背景を無視する:ガートレーとバットのDはXAの範囲内にあり、構造としては元のトレンドの中での深い押し目・戻りです。バタフライとクラブのDはXを超え、伸び切った後に反転を探す構造です。2つのグループはパターンが現れる位置が異なるため、読むときはまず、それがトレンドの途中なのか末端なのかを確認します。
7. ハーモニックパターンに関するよくある質問(FAQ)
Q1:ハーモニックパターンは一般的なチャートパターンと何が違いますか?
一般的なチャートパターンは形とネックラインで判定しますが、ハーモニックパターンはフィボナッチ比率で測り、各区間の長さに数値の条件があります。利点は反転ゾーンを事前に計算できること、欠点は判定の手順に手間がかかり、比率の許容誤差を自分で決めなければならないことです。
Q2:ガートレー、バット、バタフライ、クラブを手早く見分けるには?
まずD点がX点の内側にあるかどうかを見ます。内側にあるのはガートレー(DはXAの0.786リトレース)とバット(0.886)、Xを超えるのはバタフライ(1.27エクステンション、1.618までとする定義もある)とクラブ(1.618)です。
次にB点を見ます。ガートレーは0.618、バットは0.382〜0.5、バタフライは0.786、クラブは0.382〜0.618です。
Q3:どのハーモニックパターンがもっとも信頼できますか?
定説はありません。バットのDはXAの0.886でXに近く、一部の取引ルールでは無効化の水準を狭く設定できます。クラブのDはXAの1.618で、完成位置はより深くなります。どれが実際に成績が良いかは、銘柄、時間軸、許容誤差、出入りのルールによって変わるため、自分で検証するしかありません。他人の統計より、自分の取引記録のほうが当てになります。
Q4:MT4やMT5でハーモニックパターンを自動で描けますか?
MT4とMT5にXABCDの描画ツールは内蔵されておらず、フィボナッチ・リトレースメントとフィボナッチ・エクスパンションで手動で測る必要があります。サードパーティ製のインジケーターやEAには自動スキャンできるものもありますが、判定基準と許容誤差はそれぞれ異なるため、使う前に比率の設定を確認してください。
Q5:ハーモニックパターンに向いている時間軸は?
どの時間軸でも使えます。4時間足と日足は転換点がはっきりしていてノイズが少なく、パターンの信頼度は一般に高くなります。短い時間軸はパターンの完成が早い反面、ダマシも増えます。練習を始めるなら、日足か4時間足でパターンを探すことをおすすめします。
8. まとめ
ハーモニックパターンは、フィボナッチ比率で定義されたXABCDの5点構造です。ガートレー、バット、バタフライ、クラブの違いはB点の戻しの深さとD点のXAに対する位置にあり、AB=CDは多くのパターンがD点を割り出す際の基礎になります。複数の投影が重なる潜在的反転ゾーン(PRZ)が、エントリーと損切りを計画する基準です。
取引では左から右へ順に測り、どの区間でも条件に合わなければ見送ります。価格がPRZに入ったら、ローソク足、RSI、サポート・レジスタンスの確認を待ってからエントリーし、損切りはPRZの外側に、利確はAD区間の0.382と0.618リトレースに置くのが一般的です。
主観と許容誤差の問題は完全にはなくせません。固定したルールで検証し、ほかのツールと組み合わせて確認することが、ハーモニックパターンを安定して使うための前提です。
関連記事
- ダブルトップおよびダブルボトムパターン:特徴と戦略
- ヘッドアンドショルダーズ(三尊・逆三尊)完全ガイド:構成・メジャード目標・ダマシ回避と実戦例
- トレンドラインとは?引き方・動的なサポレジ・ブレイク判断と実戦での使い方
- ダマシのブレイクアウト(False Breakout)とは?見分け方・取引戦略・フィルターの方法
- ストップロスはどう設定する?主要な5つの損切り手法の比較と選び方
Titan FX Research チーム。外国為替・コモディティ(原油・貴金属・農産物)・株価指数・米国株・デジタル資産まで幅広い金融商品を対象に、投資家向けの実践的で根拠あるコンテンツを制作しています。
主な情報源(カテゴリ別)
- テクニカル分析の古典:H.M. Gartley『Profits in the Stock Market』(1935)— ガートレーパターンの原典;Larry Pesavento『Fibonacci Ratios with Pattern Recognition』(1997)— フィボナッチ比率とパターンの結合;Scott M. Carney『Harmonic Trading』シリーズ — バットやクラブなどの比率の定義と潜在的反転ゾーンの概念
- プラットフォームとツール:MetaQuotes MT4/MT5公式ドキュメント — フィボナッチ・リトレースメントとエクスパンションの描画方法;Titan FX 研究所 為替レート履歴データベース — USD/JPYの2025年8〜10月の日足OHLC(第4節の実例図のデータ)