ブロードコム(AVGO)とは?事業内容・AIチップ・決算・配当と株価推移

AIデータセンターの建設が進み、AIチップの売上が急速に伸びています。2026年度第3四半期のAI半導体売上高は167億ドルで、前年同期比221%増でした。大型のソフトウェア事業を持ち、配当を増やし続けている点も、他の半導体企業とは異なる特徴です。
この記事では、ブロードコムがどんな会社か、半導体とソフトウェアの2つの事業、カスタムAIチップの役割、最新決算、配当と株式分割、株価の推移と変動要因、そしてブロードコム株に投資する方法を解説します。
- 前身はアバゴ・テクノロジー(Avago)で、2016年にブロードコムを買収した後にこの社名を引き継いだ。CEOはホック・タン
- 事業は半導体ソリューションとインフラ・ソフトウェアに分かれ、2026年度第3四半期の売上構成はおよそ7対3
- AI事業はカスタムAIチップ(ASIC)とネットワークチップが中心で、OpenAIとは10GW分のカスタムAIアクセラレーターを導入する計画を発表している
- 2026年度第3四半期の売上高は296億ドルで前年同期比86%増。会社は第4四半期の売上高を約348億ドルと見込んでいる
- 2026年度の年間配当目標は1株当たり2.60ドル。株価は2026年6月に終値ベースの最高値をつけた後、10月中旬までに約3割下落した
1. ブロードコムとはどんな会社?
ブロードコムは、半導体と企業向けソフトウェアの両方を手がけるテクノロジー企業です。半導体ではネットワークチップ、カスタムAIチップ、無線通信・ブロードバンド向けチップを、ソフトウェアではVMwareのクラウド基盤、メインフレーム向けソフトウェア、セキュリティソフトウェアを提供しており、顧客の多くは大企業です。
チップの多くはTSMCなどのファウンドリーに製造を委託しており、自社で製造する製品は一部にとどまります。本社は米国カリフォルニア州パロアルトにあり、ナスダックに上場しています。ナスダック100指数(NAS100)とフィラデルフィア半導体指数(SOX)の構成銘柄でもあります。
ブロードコムの歩み
現在のブロードコムは、いくつもの大型買収を経てできあがった会社です。
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2005年 アバゴが発足:アバゴ・テクノロジーがアジレントの半導体部門を引き継ぎ、2006年にホック・タンがCEOに就任しました
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2016年 ブロードコムを買収:アバゴがブロードコム・コーポレーションを買収し、統合後の会社はブロードコムの名前を引き継ぎました
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2018〜2019年 ソフトウェアに進出:CAテクノロジーズと、シマンテックの企業向けセキュリティ事業を相次いで買収しました
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2023年 VMwareを買収:2023年11月に買収を完了し、インフラ・ソフトウェアが2つ目の柱になりました
2. ブロードコムの2つの事業:半導体とインフラ・ソフトウェア
売上高は2つのセグメントに分かれています。下の表は2025年度(2025年11月2日締め)と2026年度第3四半期(2026年8月2日締め)の数字です。
| セグメント | 主な製品 | 2025年度の売上高 | 2026年度第3四半期の売上高 | 第3四半期の前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 半導体ソリューション | カスタムAIチップ、ネットワークスイッチ向けチップ、無線RF部品、ブロードバンド・ストレージ向けチップ | 369億ドル | 208億ドル | +127% |
| インフラ・ソフトウェア | VMwareのクラウド基盤、メインフレーム向けソフトウェア、セキュリティソフトウェア | 270億ドル | 88億ドル | +29% |
| 合計 | 639億ドル | 296億ドル | +86% |
半導体セグメントの成長は主にAIによるものです。AI以外では、スマートフォン向けの無線RF部品も主要製品で、Appleは主要な顧客の1社です。
ソフトウェアセグメントの売上高は比較的安定しています。VMwareの買収後、ライセンスを永続ライセンスからサブスクリプション(定額制)に切り替え、継続的な売上が増えました。ただし一部の企業顧客や業界団体は新しいライセンス条件に不満を示しており、更新の動向は引き続き注目点です。
3. ブロードコムのAI事業:カスタムAIチップとネットワークチップ
エヌビディアやAMDは、どの顧客でも購入できる汎用のAIアクセラレーター(GPU)を販売しています。ブロードコムはそれとは違い、特定の顧客向けに専用のAIチップを設計します。これをカスタムAIアクセラレーター(ASIC、ブロードコムはXPUと呼ぶ)といいます。
AI事業は2つに分かれます。
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カスタムAIチップ:大手クラウド企業やAI企業の要望をもとに、ブロードコムがチップの設計と量産を担います。OpenAIとブロードコムは2025年10月に提携計画を発表しました。OpenAIが設計したAIアクセラレーターを10GW(ギガワット)分導入する計画で、2026年下半期から段階的に導入を始め、2029年末までの完了を目指しています
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AIネットワークチップ:AIデータセンターでは大量のチップをつなぐ必要があり、イーサネットのスイッチチップがその接続を担います。GPUのクラスターでもカスタムチップのクラスターでも使われます
カスタムチップは顧客の用途に合わせて性能と消費電力を調整できる一方、開発期間が長く、売上が少数の大口顧客に集中しやすくなります。
4. ブロードコムの最新決算のポイント
ブロードコムの会計年度は毎年11月初めに終わるため、「2026年度第3四半期」は2026年5月から8月初めまでにあたります。第3四半期の決算は2026年9月2日に発表されました。
| 項目 | 2026年度第3四半期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 296億ドル | +86% |
| AI半導体売上高 | 167億ドル | +221% |
| 売上総利益率(非GAAP) | 約75% | — |
| 1株当たり利益(非GAAP) | 3.32ドル | +96% |
| フリーキャッシュフロー | 137億ドル | +95% |
会社は第4四半期について、売上高約348億ドル、うちAI半導体売上高217億ドルを見込んでおり、前年同期比はそれぞれ約93%増と236%増です。
第4四半期と通期の決算は2026年12月に発表される予定です。米国企業の多くは時間外取引の時間帯に決算を発表するため、株価の最初の反応は時間外に出ることがよくあります。
5. ブロードコムの配当と株式分割
ブロードコムは四半期ごとに現金配当を支払っています。2025年12月には四半期配当を0.59ドルから0.65ドルに引き上げ、2026年度の年間配当目標を1株当たり2.60ドルとしています。
2026年10月19日の終値(約335ドル)で計算すると、配当利回りは約0.8%です。株価が大きく上がったため利回りは高くありませんが、毎年の増配が配当面の特徴です。
2024年7月には1株を10株に分ける株式分割を実施し、株価も10分の1に調整されました。この記事の株価はすべて分割後の値です。
6. ブロードコムの株価推移と変動要因
下のグラフは、ブロードコムの過去5年の日足終値(株式分割調整済み)です。

2023年から2025年にかけて株価はAI需要とともに大きく上昇し、2025年末の終値は約346ドルと、2022年末の約6倍になりました。2025年10月13日にOpenAIとの提携が発表された日には、株価が約10%上昇しています。
2026年6月2日には終値が約482ドルとなり、過去最高値をつけました。その後は下落が続き、10月19日の終値は約335ドルと、最高値から約30%下落し、2025年末の終値もわずかに下回りました。
株価を動かす主な要因は次のとおりです。
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AI売上高の伸び:市場が最も注目するのは、四半期ごとのAI半導体売上高と次の四半期の見通しです。数字が伸びていても市場の期待を下回れば、株価は下がることがあります
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大口顧客とクラウド企業の投資:カスタムチップの売上は少数のクラウド企業やAI企業に集中しています。大口顧客がデータセンター投資を減らしたり調達先を見直したりすると、AIチップとネットワークチップの需要に直接影響します
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TSMCの生産能力:先端プロセスと先端パッケージングの生産能力が、チップを予定どおり出荷できるかを左右します
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ソフトウェア事業の更新:VMwareのサブスクリプションの更新率が、ソフトウェアセグメントの安定性に影響します
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バリュエーション:株価が大きく上がった後は、PER(株価収益率)に成長期待がかなり織り込まれています。AI関連のニュースが期待に届かないと、株価は大きく下げやすくなります
7. ブロードコム株に投資する方法
ブロードコムの株価に投資する方法は、主に次の3つです。
| 方法 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 株式を買う | 株式を直接保有し、配当を受け取れる。日本の証券会社の米国株取引でも購入できる | 長期保有、増配に注目している |
| CFD(差金決済取引) | 株式を保有せず、株価の値動きで損益を決済する。買いからも売りからも取引できる | 短中期の取引、下落局面で売りから入りたい |
| 株価指数(NAS100など) | 指数を通じてブロードコムを含む大型テック株にまとめて投資する | テック株全体の動きに投資したい、1社に集中するリスクを抑えたい |
Titan FXでは、ブロードコムをCFD(差金決済取引)で取引できます。銘柄ページでは、リアルタイムレート、チャート、テクニカル分析と時間軸ごとの総合判断をまとめて確認できます。

CFDでポジションを保有している場合は、配当落ち日に配当調整額が発生し、受け払いの向きはポジションの売り買いによって決まります。取引の前に証拠金計算ツールで必要証拠金を確認しておきましょう。
8. ブロードコムに関するよくある質問
Q1. ブロードコムは米国の会社ですか?
はい。前身のアバゴ・テクノロジーはシンガポールに本社を置いていましたが、2018年に登記上の本拠地を米国に移しました。現在の本社はカリフォルニア州パロアルトです。
Q2. ブロードコムはマグニフィセント・セブンに入っていますか?
入っていません。マグニフィセント・セブンは、Apple、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、Meta、エヌビディア、テスラの7社を指します。
Q3. ブロードコムの配当はいつ支払われますか?
配当は四半期ごとで、権利確定日は例年3月・6月・9月・12月の下旬ごろ、支払いはその月の月末ごろです。たとえば2026年9月の配当は、9月21日が権利確定日、9月30日が支払日でした。
Q4. ブロードコムの決算発表はいつですか?
会計年度が11月初めに終わるため、決算はおおむね3月・6月・9月・12月に発表され、多くの米国企業より1か月ほど遅くなります。米国の取引終了後に発表されるため、日本では翌朝に結果がわかります。決算前後の値動きと注意点は決算シーズンの記事で解説しています。
9. まとめ
ブロードコムは半導体と企業向けソフトウェアの両方を手がける会社です。半導体ではカスタムAIチップとネットワークチップが成長の中心で、ソフトウェアはVMwareが柱になっています。配当も四半期ごとに支払っています。
株価はAI関連のニュースに非常に敏感です。AI売上高の伸び、大口顧客とクラウド企業の投資、TSMCの生産能力、ソフトウェアの更新がおもな注目点で、次の大きな節目は2026年12月に発表される第4四半期決算です。
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主な出典(カテゴリ別)
- 企業資料:ブロードコム 2026年度第3四半期・2025年度第4四半期決算発表資料、OpenAIとブロードコムの提携の発表
- 市場データ:Yahoo Finance(AVGOの日足終値、配当と株式分割の記録)